遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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これは競馬用語であって方言とかではないだろうと思っていたが。
よくよく考えてみれば競馬では「こずみが出る」とかであって「こづむ」とは言ってないのではないか(専門家ではないので詳しくは知らないのだが)というのと、遠州弁で「肩がこづむ」(肩が凝る)とかいう言い方を確かするよなあという気がしてきたので記載することとした。ただし、普段使いで「こづむ」は今はもう殆どしていないという過去の言い回しであろうが。
古語辞典には「こづむ」自動詞で①かいこづむ。②(肩などが)こる。とある。
「かいこづむ」は{かいは接頭語}躓いてうずくまる。傾く。=こづむ。とあった。
競馬用語を調べてみると「こずみ」で、筋肉疲労によりうっ血や歩行状態が悪くなること。みたいなことが書かれてあった。
つまりあくまで勝手な想像だが「かいこづむ」=「こづむ」の①の方は競馬用語として残っていて、②の方の「こづむ」は共通語としては死語となっているが遠州ではまだ使われているという風にも勘繰ることができる。若干「こずみ」と「こづむ」が同じであるという根拠は薄いのが説得力ないとこだけど。
ネットの辞書にある意味には遠州弁で使われてる意味合いと一致する説明はなかった。
遠州弁においてはどちらかと「こどむ」みたいな感じに近くて、血の流れが悪いとかで調子が悪くなってるような血なりリンパなりの循環が悪い印象を「こづむ」からは受ける。
もしかしたらであるが「こどむ」と「こづむ」は非常に近いのでひょっとしたら元は同じ言葉であったのかもしれないという気になってきた。
例文
「どうも最近血いこどんでるだか知らんが肩んなんかやたらくしゃこづむだよ。気のせいかなあ。それとも働き過ぎってか?」
(どうにも最近血の流れが悪いのか肩がやたらと凝ったみたいになるんだ。これって気のせいかなあ。それとも働き過ぎっていうサインか?)
「そんなおやす程がんこに仕事してもせんに。こづむだったら軽い四十肩だらあ。歳のせいだよきっと。」
(そんな悪くなるほど仕事に精出してないだろ。凝ったみたいに感じるんならそりゃ軽い四十肩だろう。歳のせいだよきっと。)
例文音声はこちら
ちょっと視点替えて
「こづむ」・「こずむ」・「こぞむ」・「こどむ」とややこしい。
「偏む」と書いて「こづむ」と読む。
普通は筋肉痛とかで動きがぎこちなくなる事を指すのであるが
「溜まる」というニュアンスで使われる事もある。これについては違和感はあるがそういう使い手も実際居る。
「泥ん下の方にこづんでる」(泥が下の方に溜まってる)といった風に。沈殿してるということ。堆積といったニュアンスであろうか。
しかしながらこれは「こずんでる」(殿んでる)であって「こづんでる」(偏んでる)は間違いじゃないのかという事も考えられる。間違いという事であれば他にも「しずんでる」(沈んでる)や「こどんでる。こぞんでる」の間違いとも読めるところであるが。
尚、「こずんでる」が「殿んでる」と書くのかどうか根拠がある訳では無い無茶当てなのであるが。漢和辞典では「殿」は、しんがり・との・どのという意で読みは、との・どの・テン・デンで「殿む」を「こずむ」と読むのは無理があるけれど。意味的はそういう意味なので勝手にそう表記してる。ちなみに「殿む」は「こぞむ」・「こどむ」であっても違和感はないところである。
まあそれはともかく以前の記事でぼかした「こずむ」と「こづむ」は果たして別か同じか。
例に挙げた「こずんでる」は「こどんでる」・「こぞんでる」の間違いもしくは同一化になったものという事も考えれば。この考えでいけば「こずむ」と「こづむ」は別物と思われる。
「偏る」(かたよる)という意味では下に偏っているともいえる訳だから「偏む」(こづむ)でええじゃないかとも考えられる。これだとどっちでもいいじゃないかと思える。
結局のところ結論は出ないが、まあ漢字で別に表わせなくもないのだとしたら別の言葉と思った方が無難な気がする。
共通語においての「こづむ」は競馬用語としてで馬以外にその状態の様を指さないらしいがとにかく存在はしてる。「こずむ」は共通語には存在してないので「こづむ」(偏む)は古語で「こずむ」は方言という考えも有り得るところでもあるし「こどむ」か「こぞむ」の間違いとも考えられなくもないという存在を疑うという手もあるか。
とにかく無難な線であれば動きがおかしければ「こづんでる」、沈殿・滞留してるなら「こどんでる」を使うというのがややこしくはない無難なところであろうか。