遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「恐い」とかいう意味ではなく「固い・硬い・堅い」という意味の方の「こわい」。むつかしいという「難い」は含まれない。
漢字で書くと「強面」(こわもて)と同じように「強い」と書いて「こわい」だろうかな。別に方言とかじゃなく調べたら辞書にも載っていた。
「こわい」形容詞{強い}反発する力が強くて、自分の思うようにならない。こわ飯・シーツののりが強い。とある。
「強飯」(こわいい)も辞書に載っていて、こわめしの雅語的表現。とある。
こわ飯とは普通はもち米にアズキを交ぜて炊かれるお赤飯のことを指す。
遠州では「お赤飯」のことを「おこわ」と言うのだが共通語では「おこわめし・こわいい」と言うのであろうか。「おこわ」だろうなやっぱ全国何処でも。
とまあ、「こわい」は方言でもなんでもない共通語なのであるが、全国的には古い日本語で廃れつつある言い回しなところを遠州では廃れることなく使っているということであろうか。本来の状態よりも「かたく」なっている状態を指す事が多い。イントネーションは「強い」も「恐い」も同じであるので「強い」という使い方を知らない人からしてみれば
「ご飯こわい」
と聞いて「ご飯が怖い?なんじゃそりゃ」という事になるのかな。「ご飯が硬い」と文句言ってるんだけど。そんな訳で落語の「饅頭こわい」を聞いても「ああ固いから嫌なんだな」くらいにしか思わないのが遠州人である。男女共用。
ちなみになんでもかんでも「固い」を「こわい」と言う訳ではない。つまり「頭が固い」を「頭んこわい」とは言わないということである。
例文
「ここの旅館の浴衣スゲエなあやあ。」
「何が?」
「着てみい。カッチカチでばかこわいにい。」
(着てみなよ。カチンカチンで凄い固いから。)
「ほんとだ。糊んがんこ効いてるねえ。でも大抵の日本旅館はこんなもんじゃない?」
「にしたってこんだけこわくしててもこれん朝んなるとめくれてはだけてるっつうだでひょんきんだなあやあ。」
(それにしてもこれだけ固くしてあってもこれが朝になるとめくれてはだけてるっていうんだから凄いよな。)
「あんたん寝相の方がひょんきんなだけだら。」
(浴衣の糊がじゃなくて、あんたの寝相がそれだけひどいってことでしょ。)
まあ大抵は風呂入って夕餉食した辺りには柔らかくなってるもんですけどね。
例文音声はこちら