遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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手伝うが変形したもの。遠州人は「ん」が好き。
「お手伝い」だと「てんだい」となる。「お」は付けない。
「なによおてんだいきてくれただ?」(あれえ手伝いに来てくれたの?)とかがよく使われる言い方の例。
例文 両手に洗濯物を抱えたお母さんがおもちゃで遊んで部屋中散らかし放題の子供に向かって
「ほいちょっとてんだって。」
(ねえ、ちょっと手伝って。)
「てんだってもええけど、なにくれる?」
(手伝ってもいいけど、なんかくれるの?)
「ゆうこん聞かんなら後で説教してくれる。」
(言う事聞かないんなら後で説教してあげる。)
「なにやりゃあいいよ。」
(なにすればいいの?)
「そこいら辺とりあえずかたいて。洗濯もん寄せれるとこ広げてよ。」
(とりあえず、そこいら辺り片付けて頂戴。洗濯物置けるところ作って。)
暫くしてお父さん帰宅。
「あれえなによーこの散らかしよおわあ。」
(一体なんなのこの散らかし具合は。)
「それがさあ、あの子にてんだってもらったらさあ、こうだもん。もうたまらんにぃ。」
(それがね、あの子に手伝ってもらったらこうなっちゃった。もう大変。)
「なにやらしゃあこうなるだ?」
(どうすればこうなるの?)
「もともと こぎたなく しとっただよお。ふんで洗濯もん たたみたかったもんでえ、おもちゃ かたしてっつったら右から左によけるだけだもん。そんで もう しょろしょろ やっとったもんで あったあきてさあ。いいかげんにしんと怒るにぃって怒ったっただよ。」
(元々凄く散らかってたのよ。それで洗濯物たたみたかったんでおもちゃ片付けてって言ったら、右から左に移動してるだけなんだもの。もうねえあまりにもチンタラやってたから頭に来てねえ。いい加減にしないと怒るよって怒鳴ってやったの。)
「ほいで?」
(それで?)
「ほいたら、なんつったと思う?だめだこりゃ次いってみよう とかこいて じいじんとこ遊びん行っちゃった。ど怒れるらあ。」
(そしたらなんて言ったと思う?駄目だこりゃ次行ってみようとか言っておじいちゃんとこに遊びに行っちゃった。怒れるでしょ。)
「あの馬鹿っつら。帰ってきたらどんじからんとかんなあ。」
(あの野郎、帰ってきたらきつく叱らんといかんなあ。)
「ゆったってゆったって私じゃあ はあ叱っても効果んないで。」
(どんどん言って。私なめられてるからもう何言っても言うこと聞かないんだから。)
「おお、まかしょ。」
(おお、まかせろ。)
例文音声はこちら
一番上というか一番先という意味。「山のてんこちょ」だと(山のてっぺん)
高さで使う。横の広がりでの一番先は「とっつき」を使う。
かけっこで先着(一着)したというのを「かけっこてんこちょだった。」とか「かけっことっつきだった」とかいう使い方はしない。ほぼ「てっぺん」と同じ使い方であろう。
例文
「ねえこないだ買ってきた雑誌知らん?」
「タンスん上んてんこちょに乗っかってるらあ。」
(タンスの上に物載せてる一番上に乗っかってるでしょ。)
「なんでそんなとこしまうよお。わかりゃせんじゃん。」
(そんな分かりずらいとこになんで片付けちゃうの?)
「床んだしっぱこいてなにぬかすよを。部屋ん散らかすよかずっかええわあ。」
(床に出しっぱなしにしといてよくゆうよ。部屋が散らかるよりよっぽどいいわ。)
音声はこちら
なにかのセリフで「てっぺん目指したる!」とかいうカッコいい言葉があったけど、遠州弁で「てんこちょ目指したる!」といってもカッコつかんのは事実。なんか裏山の頂上みたいで高くなさそう。
テレビで言ってたが
「てんこちょ」の「てんこ」は「てんこ盛り」とかの「てんこ」だそうな。
じゃあ「ちょ」は?
というのには説明無かったかな。なのでよく分からん。
出張る。辞書にもあり「出張する」という意味の方言形と記載されてる。
それ以外にも遠州というかうちらのごく近辺では「でしゃばる」の短縮形というニュアンスの使い方もされていて二通りの意味合いを兼ね備えている。この使い方はあまり綺麗な使い方で無い(感謝されていない)ことは確かであろうて。(ごく一部であろうからこの使い方を方言とするには非常に無理があるかもしれないが一応記載した。)
要するに普段(普通)いないとこにやってくるということで
いい意味でも悪い意味にでも使われるということ。
例文1
「さっきぃがんこ客ん大声だいてたけど。なによーあれ。」
(さっきお客が物凄く大きな声出してたけど。あれなにがあったの。)
「あれねえ。まからんもんであだけただよ。」
(あれはねえ。まけないもんだからごね捲くってたんだ。)
「で、どうしたよお。」
(それでどうやって決着ついたの?)
「課長でばってくれて文句はねかやいてくれた。」
(課長が出てくれて文句はねのけてくれた。)
例文2
「こないだの催しどうだったよお。」
(この間の催しはどうだった?)
「部長でばって仕切り捲くってた。」
(部長がでしゃばって仕切り捲くってたよ。)
「そりゃそりゃご苦労なこって。さぞやりづらかったらあ。」
(それは大変だったねえ。さぞややりづらかっただろう。)
「当然じゃん。やりいい訳ないらあ。でも○○君が『部長普段準備にも出んだに今日に限って来るなんてどうしたよを』って社長のいるまんまえでゆったもんで痛快だったにい。」
(当然だろ。やり易い訳ないだろ。でもね、○○君がさ『部長普段準備には出ないのに今日に限って来るなんてどうしたんですか?』って社長のいる前で言ったから痛快だったよ。)
例文音声はこちら
「デブ」のこと。「ぶう」が鳴き声とリンクしてそうでより一層丸み感が増す感じである。男女兼用だがまあ基本女子は使わないのが淑女の条件ではある。
「でんぶ」だと当たり前に「臀部」と紛らわしいので普通はこういう言い方はしないが存在しても不思議ではない。
自身を指して言う言葉では決してなく直に言う言葉でもない。あくまで陰口として本人の居ない場所とかで使われる表現であろう。「愛嬌のある」ニュアンスであり悪意でもって発することより会話の話題の中に出てくるその人物を身体的特徴で表現してることが多い。もちろん共通語の「デブ」もそうだが言われた本人はいたく傷つく表現なので使わないに越したことはない。
同様な言葉で「チビ」を「ちんびい」という。「でんぶう」は男女共用表現だが「ちんびい」は男言葉。
効能としては「デブ」だと角が立つところを多少丸くするところであるが
昭和だからであって今の世においては使わないに越したことは無い侮辱的な言葉であろうな。
例文
A「うちのおっかさ でんぶう だもんで信号黄いなくなって慌てにゃかん時息ハアハア汗だあだあでえ。」
(オレの女房太ってるから信号の変わり際に走ったりなんかするとすぐ息がハアハアで汗だくになる。)
B「うちんのなんかけったぁ乗らすとタイヤ爆ぜつしそうだにい。」
(おれの女房なんか自転車乗るとタイヤがパンクしそうだぜ。)
C「なんつう おっかさ自慢してるでえ。嗤える話しじゃねえらあ。」
(どういう女房自慢なんだ?とてもじゃないけど嗤えないけど。)
B「病気自慢するようになっちゃお終いだら。その手前でとどまってるだでいいこんじゃん。」
(病気を自慢するようになったらお終いだろう。その一歩手前で踏みとどまってるんだからいいの。)
C「そおゆうもんか?洒落に聞こえんけど。」
(そういうものなの?洒落には聞こえないけど。)
A「いいだよを。自虐ネタにゃ違いないだで。」
(いいんだよ。自虐ネタには変わりないんだから。)
C「自虐じゃありもしん。」
A「一心同体だで自虐でいいだよ。」
例文音声はこちら
注、「爆ぜつ」は「はぜつ」と読む