遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「そうしない」(そうしなよ)とかいう使い方の「ない」。普通に考えると「無い」と打ち消しと聞こえるところであるが遠州弁においては指示・命令といった意味合いとして使われている。何故そうなるのか考えられるとしたら浮かぶ屁理屈はみっつ。
「まいか」が「まい」になるのとよく似ている。「まいか」が「まい」となることによって「~しようか」が「~しよう」というニュアンスに変わるように「ない」も「ないか」の「か」を抜いて「ない」とする事によって「~しないか」が「~しなよ」といった意味合いに変えたと想像できる。
もうひとつは、「な」+「い」。「そうしな」+「い」。「い」は軽い命令を表わすものであり命令+命令でより強調してるという想像。
残りのひとつは「なさい」の「さ」が抜けた言い方。もっとも「さい」=「い」と考えれば上と重なるのではあるが。
以上三通りの理由が考えられるところである。まだ他にもあるのかもしれないがとにかく推測であって正しいかどうかは定かではない。
「ない」は結構言われる方としては物言いは穏やかであっても誘い(要望)ではなく指示という感じがするので「な」+「い」の命令調という感じがするのであるが、「そうしな」の方が「そうしない」より強い指示に聞こえるので説得力は無いので「ないか」が「ない」に化けたと考える方がらしくはある。
例文
「荷物持ってきただけど。貰ってくれん?」
(荷物お届けにあがりました。受け取っていただけますか?)
「ああ、そこんさあにでも置いといてくれりゃええらあ。」
(ああ、そこら辺にでも置いといてくれればいいと思うよ。)
「ハンコ貰えんかねえ。」
(それでは受領印押していただけますか。)
「せっかくだでのんびりしてきない。」
(せっかくだから休んでいきなさいよ。)
「せっかくって、いや、わし急いでるだもんでそおゆうわけにもいかんだよを。」
(せっかくって。あのう私先を急ぎますのでそういう訳にもいかないんですよ。)
「まあそおゆわすとを。まあちっとすりゃあここの家の人来るだでここにいない。」
(まあまあそんな事言わないで。もう少しすればここの家の人が来るだろうから待ってなよ。)
「なによをあんたここの家の人じゃないだ?」
(え?お宅ここの家の方じゃないんですか?)
「隣のもんでえ。だもんでハンコ押していいもんかどうか微妙だいね。」
(隣に住んでるの。だからハンコ押していいもんかどうか微妙なんだよね。)
昭和ではごく日常的ともいえる光景。今じゃ考えられないか。
例文音声はこちら