遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「無し」。「ず」(ぬ・ないの文語形)とほぼ同じ使い方をする。
「買わず」=「買わなし」・「買いなし」。
「買わずに帰ってくる」=「買わなし帰ってくる」
共通語だと「なし」は「どこにもなし」とか「異議なし」とかいう言い切りの表現で使われることが多いと思われるが、遠州弁では「~しないで」というニュアンスで使われるのが違いであろうか。
つまり共通語だと「なし」ではなく「なしに」というニュアンスの方が近いであろうということか。「あいさつもなしに帰った」とか言う風に。遠州弁だと「あいさつしなし帰った」となる。
この表現は三河の人からみても異様に感じられるらしいので、遠州独特の表現という可能性もある。駿河で通用するかは不明。
例文
「なによを昼だにまだでけんだけえ。」
(なんだよ。昼だってえのにまだ出来て無いの。)
「雑用多くて手えつけれんくてさあ。まあ午後にせるで昼だで飯にしまい。」
(雑用に忙殺されてねえ。まあ午後にやるからご飯にしようよ。)
「やることやりなし よおゆうわ。」
(やることやらないでよく言うよ。)
「そうだよを。やりなし なんで そんなこん ゆえるよを。」
(そうだそうだ。やりもしないでよく言うよ。)
「でけんもんはしょんないだでまず飯にしまい。」
(出来ないものはしょうがないだろ。だからまずご飯にしようよ。)
「なんもしなしで飯んよをいけしゃあしゃあとのどん通るなあやあ。」
(なにもしないでよくもぬけぬけと飯が喉通るなあ。)
「腹ん減ってはいくさがでけんっつうじゃん。」
「まあ、一理無くもないか。」
例文音声はこちら