遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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冗談もたいがいにせい・なにいってるんだ・なにをいうんだといったニュアンスの言葉。
「嘘つけ」に近いのだが微妙にニュアンスは異なる。「嘘つけ」の方が否定色が強く「ばかこけ」だと多少は同調してる雰囲気が無いわけではない。
馴れなれしさがあるので、あまり親しくない人とかに使うと空気が悪くなるので注意が必要となる。
例文 いつも口うるさい奴(A)がある人(C)に対しては優しいことをひやかす(B)の図
C,「すいません。間違えました。以後注意します。」
A,「ふんとにもう、しっかりしんとかんにぃ。はあええで仕事続けない。」
(ほんとうにもう、しっかりしてくれよ。もういいから仕事を続けな。)
Cが去った後にやけた顔して近づくB
B,「あれえどうしたでえ。いつもどんじかる人たあ思えんこんしてるじゃんかあ。」
(おやあ?どうしたのかな?いつも物凄く叱る人とは思えない真似してるねえ。)
A,「ばかこけえ、ふんだだこんあらすかあ。いつもと変わりもしんに。」
(なに言ってるんだよ。そんなことはないよ。いつもと変わらないだろうに。)
B,「いんやあ、そうは見えんよを。」
(いやいやそうは見えないなあ。)
例文音声はこちら
共通語にすれば、挟まる(はさまる)になる。というか共通語だろうな。
「奥歯にものがはさまる」というのを「奥歯にものがはさがる」という使い方。ネットで調べたらどちらも頻繁に使われてるようなので遠州弁というには語弊があるやもしれぬが一応記載。
多少共通語と違う事を模索してみると、共通語で使われる「人と人の間に挟まって苦労する」みたいな目に直接見えない状態には「はさがる」はあまり使わない。つまり「人間関係にはさがって大変だ。」みたいな使い方はしないということである。こういう場合は遠州では「あいさにはいって」とか「はさまって」を素直に使うことが多い。
単純に目に見える物と物の間に挟まる物に使うことが多い言葉である。
挟む(はさむ)を「はさぐ」と言うかと言うとそんだだこたあ聞いたこんない。
例文
「やいやい、板と板のあいさにはさがってるや。指入らんくてとれやせん。」
(参ったな。板と板の間に挟まってるよ。指が入らなくて取れやしない。)
「やらしょう、わし棒でほじくり出いてやる。」
(私に任せなさい。棒で掻き出してあげる。)
「結構やごいだで、ぞんざいにやって使えんくしんでよ。」
(結構壊れやすいんだから、粗暴にやって使えなくならないようにしてよ。)
「まかしょう。といいたいとこだけえがそれは神のみぞ知る。」
「じゃいいわ。自分でなんとかするでえ。」
例文音声はこちら
掃かすと書くと、掃こうかと(思って)と言う意味。庭掃かす。
吐かすと書くと・・ってこれはまるさら標準語。ただし標準語だと吐かせるであるが遠州弁だと吐こうかと(思って)という意味になる。
「ゲロ吐かすと便所行ったけど間に合わなんだ。」
(ゲロ出そうだったので便所に駆け込もうとしたけど間に合わなかった。)
履かすと書くと・・ってこれもまるさら標準語。これも標準語だと履かせるおむつ○ー○ーマンとなるが、遠州弁だと履こうかと(思って)という意味になる。
「パンツ履かすと思ったら全部洗濯中だった。」
(パンツ履こうかと思ったけど全部洗濯中だった。)
捌かすと書くと、どけるとか片付けるとか意味になる。で、今回はこの「はかす」のお話し。
辞書では捌く(さばく)ようにすることとなっているので多少遠州独特な表現の言葉ではある。
舞台のお芝居での用語で、舞台の袖などに物や者が消えることを「はける」というらしいのだが非常によく似た意味合いであるので親戚筋の言葉だろうなと想像している。
例文
「どでかいテレビ買ったはええが。さてどこ置かすでえ。置く場所ありもしんに。」
「何はかすだ?あんたの机か?」
「いやおめえの化粧台でどうだ?。」
「ばかこいちゃかん廊下で化粧なんかでけん。」
「ワシも廊下じゃ本読めん。」
「はけれるもんないじゃん。」
「壁にでも吊るくいとくか?」
「地震来たらどうせるよを。」
例文音声はこちら
「かたす」という表現もあるが片付けると言う意味合いなので整理整頓的なニュアンスになる。片付けてスペースを空けるわけではないのでこの例文では使わない。
「うっちゃる・ほかす」だと不用品的ニュアンスになるので、入用なものに対しては使わない。
したがってこの例文では、必要だけどとりあえずか確定かはともかくとして部屋にあるものを部屋から出すということで「はかす」を使っている。ただ最近はよく使う言葉ではないので普通に「どける・どかす」が今は一般的になっている。
爆発・破裂という意味。標準語だと思っていたのだが何故か辞書に載っていない。検索してもヒットしない。破裂を聞き覚え違いしてるんじゃないのかとか、爆ぜると破裂がちゃんぽんにこんがらがってるのかもしれないしと、ホントこんな言葉があるのか段々不安になってきてはいるのだが、確かにこういう使い方をしてる・・・筈。「破裂」の変形なのか「爆ぜる」の変形なのか定かではない。
「爆弾がはぜつする」爆弾が爆発する
「頭がはぜつしそう」憶えなければいけないことが多すぎて許容量を越えそうだと言っているのだが、こんなの全国どこでも使ってる言葉だと信じてるのだが、何故辞書や検索ワードにも引っかからないのだろうか。
例文
「ホント憶えにゃかんこんたんとでハア頭んはぜつしそうだや。」
(マジで憶えなくてはいけないことばかりでもう頭が破裂しそうだよ。)
例文音声はこちら
方言だと言い切る自信これ無く、どなたか分かる人がおられたらご教授願いたい言葉です。
追記
心配になったので長老の衆らに聞いてみたところ
「そういう言い方しとったけど今そんなの言う人おらんにー。」とは言われた。
挿む(はさむ)と言う意味。全国的な方言らしいがニュアンスは地方によって異なるらしい。挟む(はさむ)という紹介をされておられるとこもあるが、つまむとか~と~の間に位置すると言うニュアンスを含む挟むよりも挿入するというニュアンスの方が近いのでこちら(挿む)を使用としました。間違いということではなく決して異議を唱えてる訳ではありませんです。
洗濯物を洗濯ばさみで挟む時には「洗濯ばさみではさげといて。」とは言わない。この場合には「洗濯ばさみで止めといて。」という言い方をする。したがって「はさげる」は~と~の間にある状態とか差し込むような後付のような場合に使われることがうちの集落では多い。
岩と岩の間にはさまるのは「岩のあいさにはさがる」という表現をする。
例文1
「あんたあ、これ忘れてるにい。」
「ああほんとだ。よこいて。」
「よこいてってあんた両手ふさがってるじゃん。」
「脇にはさげれるようにしてくれりゃいいで。」
「ほいじゃ脇んとこにはさげるでねえ。落としても知らんにい。」
例文2
「ここ はさげとくでねえ。どこやったってひゃあひゃあゆわんようにしてよう。」
(ここに挿んでおくからね。どこにやったんだって探さないようにしてよ。)
「はいね。」
(分かった。)
例文音声はこちら