遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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離す(はなす)という意味。共通語だと「離れさせる」になろうか。
「かす」という表現がつくと非常に意思を感じる。共通語でも「しでかす」とかあるのでこの言い回しが遠州弁かどうかは疑問が残るが共通語として現行かというとそうでもなさそうなので記載。
「はならす」という表現も存在する。
例文
「あいつとあいつぁ席、はならかいとかんとかんにい。馬鹿仲悪いだで。」
「そうけえ?よさそうにめえるけどやあ。」
「酒さえ飲ませにゃの。二人とも酒癖ど悪いだよ。」
「ほんとにい。人は見かけによらんもんだの。」
「かたや説教癖でかたや絡み癖で、ホント始末に負えんくなって、どうしょうもないだよ。」
「でもそれって考えようによっちゃあ、売り言葉吐く奴と売り言葉買う奴とで双方満足なんじゃないのけ?」
「周りがたまらんわ。」
「ふたりくっつけといて、周りん はならかしゃいいじゃないのけ?」
「その手もあるかあ。・・・・なわきゃないだろ。」
例文音声はこちら
共通語で近いのは「あいよ」あたりであろうか。
親しい人以外に使うと、こいつなめてんのかと思われかねないので注意が必要か。
「ほい、それかたいといて。」
「まるさらけ。」
「そうだよお。」
「いっぺんにけ?」
「あたりまえじゃん、わけてどうせるよ?使えんくなるら。」
「だって弩重そうじゃん。自分持ちいんもんで人にたのむだらあ。」
「馬鹿いっちゃかんて、これっぱかでひゃあひゃあこいてちゃかんに。ちゃっちゃとしてやあ。」
「はいねっ」
共通語訳
「ねえ、それ片付けて。」
「全部?。」
「そうだよ。」
「一遍に?。」
「当たり前だろう、分けたら使い物にならなくなるだろうが。」
「だって凄く重そうじゃないか。持ちたくないので私に押し付ける気でだろ。」
「何いってんだ、そんなに重くないんだから、早くしろよ。」
「はいはい。」
押し問答のあげくに了承する、まあ「渋々」という意思を含んだ了承という感じ。
神久呂の知人は、この「はいね」を元気良くゆうので、「イエッサー」とか「まかしょう」みたいに聞こえるもんで、集落によって違うのかもしんない。
因みに私のは、東小・八中の学区内で使われてたのが原語です。
他には
「ありがとう」と感謝・労をねぎらうなどの言葉を言われた際に「どういたしまして」だと照れくさい感じがして「どうってこたあねえよ」みたいなニュアンスで返す言葉。
例文
「ありがとねてんだいきてくれて。助かるやあ。ほんとありがとね。」
「はいね。」
「そんな照れんでもいいじゃん。」
注、「てんだい」(手伝い)
まあ、色々なニュアンス使いが出来る言葉であろうな。
例文音声はこちら
夕方という意味。日が暮れる前なのか後になっても言うのかは不明。つまり何時から何時までを指すのかは私は知らないということ。
何故か私は「ばんげした」と憶えてしまっている。で、字も「晩餉下」だと勝手に誤って思い込んでいた。晩の食事の前かと。
しかしどうも色々とネットとかで調べてみると「ばんげしま」であって字についてもこうであると明確に記載されてるところがない。
「夕餉の支度」(ゆうげのしたく)という表現はよく使われていたのでそれと混同してしまっているのかもしれない。蛇足だけれど朝餉夕餉があって昼餉がないのは昔は一日2食という習慣によるものであろうか。
ちなみに「餉」(け)の意味するところは「食事」という意味だそうである。
「ばんげ」で夕方という表現は古い日本語であるらしく各地方でもまだ生き残ってる言葉で遠州だけに残っている訳ではなさそうである。漢字で書くと「晩げ」となるらしい。ただそれに「しま」が何故くっつくのか「しま」ってどういう意味?とかいう疑問は残るが「ばんげしま」となると遠州や駿河独特の方言ということになるらしい。
接尾語で「しま」様子(さま)の意。というのがあったので「夕餉の様」という意味なのかしらん。
例文については夕方をばんげしまと言い換えるだけなので特に使い方の説明が必要とも思えないので省略いたします。つうかもう普段使ってないほぼ死語だし。
遠州独特とは思わないがここいらへんでも使われているということで記載。(昭和の言葉でほぼ死語であろうか)
全国的にどう使われているのかは知らないが遠州では扱いが微妙な表現ではある。おちゃらけにも聞こえるし中傷にも受け取れるし。当然だが知己でない人に使えば悪い結果にしかならない。
多分であるが、「ぱあ」と「ぷう」で構成されている言葉と推察される。
「ぱあ」とは、全てがパアになるという「ぱあ」(おじゃん)というより知能がパアといった「ぱあ」(抜け気味)という印象が強い。当然じゃんけんのぐう・ちょき・ぱあの「ぱあ」ではない。
「頭が悪い」という意味で使われるものであるから「ぱあ」単体で使うのはよした方がいいであろう。
「パア」の使い方は他には「ぱっぱらぱあ」とかくらいか?あまり遠州では「馬鹿」ほど頻繁に使わない。
「ぷう」に関してはよく分からない。なんかを膨らますといった印象を与える表現なので邪推だが「ぱあ」が膨らんでるといった感じであろうか。
言ってる側からすれば場を和ます「おちゃらけ」(冗句)のつもりであることが多いが言われる側はあまりいい気はしない。よっぽど「馬鹿かあおんしゃあ」といった「馬鹿」表現の方が言われた方は後引かずにすっきりするのが遠州人である。遠州弁の「ばか」は色んな使い道があり「ばかかあ」だけでも「何考えてるんだ」とか「ちょっと待てよ」とかいったニュアンスでも使われるので「パア」みたいな他に意味使いの無い言葉とは異なるものであろう。
傷つく度合いでいうと個人差はあろうが、やあぱあぷう>あほかあ>馬鹿かおんしゃ。
つまりなんだろうね。ホイミとかいった回復系(冗句)を唱えたつもりがゾンビ系には攻撃(中傷)呪文になってしまうみたいなものだろうか。
人はそれぞれコンプレックスを抱えて生きてる以上、他人からは想像できない意外なところで痛みを感じることがある。そういうところに「ぱあぷう」呪文を唱えてしまうといい結果にならない訳で。そんなこんなで使い道が難しくむしろパルプンテ系の呪文(表現)と言えなくもない。
とりあえず一回だけの失敗とかボケに対して使うというより恒久的にまたかって感じの時に使われることが多いような気がする。平和的な使い方で言うと同じギャグを何度も使う相手に対するうんざり気味なツッコミの表現として使われるのが平和的か。ただし有名人が言ってもしその影響力から流行ったりなんかしたら洒落にならないが。
例文については会話調だと中傷表現と解釈されても困るので遠州弁かるた案から手を加えて
おんしゃなあ ぱあぷうかあ なんで迷うだ この道で
ただまっつぐ進みゃあ 済むこんじゃんかあ
例文音声はこちら
これは共通語だと思っているのだが思い込みなんだろうか。
「馬鹿」を連呼しているのではない。「馬鹿馬鹿しい」の略したものでもない。
意味としては「ばかすか」という共通語に近いニュアンスの言葉である。
「ヒットをばかすか打つ」だと「ヒットばかばか打つ」と言った風になる。
では意味としては「連発する・次々と繰り出す」という意味だけかというとそうでもなく「やけに・いやに」とかいった風などちらかというと好ましくない歓迎してないのにというニュアンスを含むことが多い意味使いもある。
例文
友人「どうでえ調子わ。」
店長「もう最悪だよ。朝からばかばか客ん来て忙しくてしょんない。」
友人「商売繁盛してるだでええこんじゃん。」
店長「ばかゆっちゃかんて、昼飯すらまだとれちゃいんだにい。ひょんきんだらあ。」
友人「ダイエットんなるらあ。ええこんじゃんメタボにゃ効くらあ。」
店長「そうゆう問題じゃありもしんに。」
友人「交替の衆いんだか?」
店長「ど忙しいもんでみんな出てるだよ。堪らんて。」
友人「だいたいが、いつもど暇なのになんで今日に限ってこんな忙しいよを。」
店長「それがさあ。広告出したチラシで表示金額間違えてさあ。今更違ってましたって客に説明してれんもんで、まあしょんねえかっつって赤字覚悟で店開けただよ。ほいたらこうだもんな、いつもは反応ないくせして。ホント売るだけ損こくもんで堪らんだよ。」
友人「誰んぼけかましたよを。」
店長「わし。」
友人「じゃしょんねえの。いっそのことこのまま閉店セールに突入してまるさら売り切っちゃえばあとずうっと休めれるじゃん。」
店長「そりゃ随分じゃん。それじゃおめえ休むどころか夜逃げしにゃかんくなるわあ。」
例文音声はこちら