遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「頁」(ページ)の事。「じ」を「し」という事。遠州独特かどうかは定かではないが他所の人に言わせると遠州人は変わってるらしい。しかし確かにそう言っている。
何でと問われてもそうなんだから説明のしようがない。大抵どの数字の頁にでも「し」に変わるのであるが、私の場合「1頁」の場合「いっぺーし」ではなく「いっぺーじ」又は「いちぺーし」・「6頁」は「ろっぺーじ」又は「ろくぺーし」・「10頁」は「じっぺーし」にはならず「じっぺーじ」と「っ」が入る読みの数字には「し」にならないことがある。でも「じゅっぺーし」とはいう矛盾もあるいい加減なものであるが。
ちなみに遠州人全てがこう言うとは限らない。男女共用の表現。
例文
「あのやあ。6ペーシ目んとこさあ。意味分からんだけど何書いてあるだか分かるう?」
(あのさあ。6ページ目のところなんだけど。意味が分からないんだけど何が書いてあるのか判る?)
「おんめえはあ今10ページ目ん入ってるじゃんかあ。ついてこれてんだか?」
(あのなあもう10ページ目に入ってるんだぞ。ついてこれてないのか。)
「いんやあ。聞かすたあ思ってただけえがタイミング逃いてそれっきりんなっちゃってさあ。」
(いや~あの~聞こうとは思ってたんだけどついタイミング逃しちゃってそれっきりになってしまってね。)
「1ぺーし目から読み直しない。」
(1ページ目から読み直しなよ。)
「それんめいどいもんで訊いただけえが・・・。」
「あまいのっ。」
例文音声はこちら
追記
こないだテレビ見てたら岐阜の方でも使うらしいとな。
「ビリ」のこと。なんでこう訛るのか不思議ではあるがそう言う使い手は確かに存在する。全国的な言い回しなんだろうけど遠州でも使うよという事で記載。
私は使い手ではないのでどちらかというとおちゃらけというか照れ隠し的目的で使うものなのかという感じがしている。使い手当人はマジなのかどうかは定かではない。なにしろその真意を聞いたことがないので。
「どべ」とどう違うのかもよく分からないが大した違いはないのであろうか。多少「どべ」の方が自虐的な部分とどんくさい奴というニュアンスが強くなる勢いはあるが。「べり」の強調形であろう「どべり」が略されて「どべ」となったとも勘繰られなくもないところである。
ちなみに「びり」の言い方は思いつく限りでは、どんけつ・どべ・べり・最後・しまい・けつ・びりっけつ・どんじりとかが使われる。
例文
「やあまたべりやあ。参るやあ。」
(あ~あまた最下位だよ。滅入るなあ。)
「なにがあ。」
(どうしたの。)
「営業成績グラフ。」
「暇してる訳じゃないだら?いちんち中走し繰り周ってのこんならいつか芽え出るって。」
(サボってた訳じゃないんだろ?一日中奔りまわっての事ならいつか芽が出るって。)
「っつったって課長の説経がなあ。」
(とはいえ課長の説経がなあ。)
「席で言われる分にゃまだいいって。呑み連れてかれてぎゃあつくゆわれちゃいんだで。呼ばれてみいにホントありゃきついにい。」
(課長席で言われる分まだましだって。呑みに連れ出されてこっぴどく言われていないんだから。呼ばれてみなよあれはきついから。)
「らしいなあやあ。学校ん時みたくな体育館の裏に呼び出し喰らうのと一緒みたいなもんらしいじゃん。」
(そうらしいねえ。学生の頃の体育館の裏に呼び出されるみたいなのと同じ感じらしいじゃない。)
「確かに。似たようなもんだらなあ。っつうかねちねち度はそれ以上だら。」
(そうだよなあ。似たようなものだろうなあ。というかねちねち度はそれ以上だろう。)
「なんであんな追い詰めることするだかいねえ。仕事は楽しくしちゃいかんだかいやあ。」
(どうして人を追い詰める事をするんだろう。仕事は楽しくやろうというのを否定するのかなあ。)
「成果と結果を履き違えてるだかもしれんねえ。」
「不安からならまだいいけど脅迫観念で仕事するなあ嫌だなあ。」
「どこも一緒だら。そういう仕組みで世の中いごいてるだで。」
例文音声はこちら
最近の日常会話ではあまり使われなくなったような気がするこの使い分け。特に「へ馬鹿」はもうほとんど使われていない。そもそもこれが遠州弁かどうかもあやしいのではあるが。
なので記憶のイメージで書く事になるので、もし間違ってたら御免なんしょ。
「馬鹿にする」は特に説明なし。
「小馬鹿にする」は、見下すような。
「へ馬鹿にする」だと、笑いものにする。
逆で、自らの意思で道化みたいなことをして笑われる(笑わせるのではない)場合は、「お馬鹿」と言う。似た言葉の「ひょんきん」(ひょうきん)はとんでもない事をしでかしたり言ったりする場合に使うことが多いので共通語にすると(馬っ鹿じゃないの)というニュアンスに近くなる。
度を越えた馬鹿と言う表現は、「ど馬鹿」と言うが、この「ど」が度か弩(弩級)いずれが当てはまるのかは定かでない。因みに「バカ馬鹿」という表現も確かに遠州では存在する。発音は(baKA BAka)となる。
「へばか」単体で使われることは無く「へばかにする」・「へばかにされる」というように「する」が大抵付く。
例文
「お~お、また今日も遅れるってか。」
「またそうやってへ馬鹿にするう。いい加減にしてやあ。」
「怒らんだっていいじゃん。」
「挨拶にしちゃあ洒落んなってんだでねえ。」
例文音声はこちら
例えば「くちんべた」。
「口下手」と言ってる訳ではない。そういう使い方ももちろんあるが、それとは別のお話し。
「口の周り」又は「唇」と言っている。ちなみに「口下手」というのとはイントネーションが多少違うので聞き間違いすることはない。
「ほっぺた」・「尻っぺた」と同じ言い回しであろう。
他にも「くちぺた・くちっぺた・くちべた」とかいう言い方もある。まあ広い地域で使われてる表現であろうが遠州でも使うよということで。基本幼児向け言葉であろうが男女共用。
「あんたくちんべたんとこなんかついてるにい。おべんとつけてどこ行くよを。」
「べた」とか「ぺた」は土手べり・川べりとかいう縁(ふち)とほぼ同じような使い方をしたりもする。この説明若干「縁」と「周り」は違うぞというのが難ではあるが。それに
「なによをあんた足ぺた泥まるけじゃんかあ。もうそんなで家あがっちゃかんでねえ。」
(ちょっとを、足の裏が泥だらけじゃないの。そのままで家に上がったら駄目だからね。)
みたいに部位によっては「周り」を指さない場合もあるので「周り」という訳はあまり正確ではないのかもしれない。
辞書にて「べた」を調べると、該当するのは「一面に広がっていること」というところが近い意味であろうか。でもそれって「地べた」とか「べた足」であって「足べた」・「足ぺた」という意味じゃないよな。
まあとにかく辞書に載ってないんだから方言なんだろうという強引な理由で遠州弁として記載とした。