遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「みんなで」・「よってたかって」・「一斉に・一緒に」とかいう意味。まあ特に方言という事もなかろうが使い場所に地域性があるかなと思って記載。
「みんなで」という意味合いで使う場合、「これみんなで食べて」というのを「これみんなして食べて」という風に使うのであるが
「一個しかないからこれみんなで使って」と共用・持ち回りとかを促すような場合には「これみんなして使って」というよりも「これ仲間して使って」ということの方が多い。
つまり分配できないようなものに対しては使われないということであろうか。
「よってたかって」という意味合いでの使い方の場合はこの限りではない。
「あれみんなしてどこいくよを。」
(おや皆さん揃ってどこへ行かれるんですか。)
例文
「みんなしてやりゃすぐ済むらあ。」
(皆でやれば直ぐ済むんじゃないの?)
「それがそうもいかんだよ。」
「なんでえ。」
(どうしてだよ。)
「だってえ、みんな自分がやりよいようにやるもんではあくっちゃんくっちゃんでえ。」
(だってねえ。皆自分勝手にやるからもう収拾がつかないんだ。)
「あたまはいんだけえ。」
(リーダーはいないのか。)
「体がえらい奴ぁこらしょといるだあ、えらいいさんはいんだいね。」
(体がえらい奴はごまんといるけどお偉いさんはいないんだよね。)
例文音声はこちら
「~のように」と言っている。三択とか言ってる訳ではない。
「みたいに」の変形というべきか。
「みたくに」という言い方もあるがほとんどは「みたく」を使うことの方が多い。ネットで調べるとなんかこう言う表現に虫唾が走るという人も居られるようであるが遠州弁としてはごく普通に存在する言い回しである。もちろんこれが遠州独特というものではなく遠州でも使ってるよという事で記載。他所にいったら使わないほうがいい言い回しということで遠州人は注意したほうがいいのかもしれない。
「そんなことばかりしてるとお父さんみたいになっちゃうよ。」
「そんだだこんばっかしてるとお父さんみたくなっちゃうにい。」
「~のようにして」だと「「みたくして」となる。
「いらっしゃい。今日はどういう風に頭やるだ?」
(いらっしゃい。今日はどのような髪形にする?)
「芸能人の○○みたくして。」
(芸能人の○○みたいにして。)
「顔が顔だで似ても似つかんにい。」
(顔が違いすぎるから似ても似つかないよ。)
「いらんこんじゃん。」
(余計なお世話。)
とかいう会話例を以前書いた。
「みたく」は共通語だろうと思っていたのだが何故か辞書に載っていない。必死こいて検索するとかろうじて茨城弁や津具の方言などと紹介されていたのを発見した。ってゆうか本当は紹介されていないだけで全国どこでも使ってるんじゃないのかという気がするのだけれど。気のせいだろうか。
よく使われる言い回しは「みたくして」。意味は「~のようにして」。
例文
「あんたねえ。いくら字い下手だっつったってねえ、まあちっとけっこく書きない。見本あるだらあ。」
「見本見て書いてるよを。でもなんか知らんが見本みたくしたくてもそうならんだもんでしょうがないじゃん。」
「ほんとちゃんと見てるだけえ?ヤル気ないもんでどっか向いて書いてるだらあ。」
「失礼しちゃうやあ。マジでちゃんと見てるよを。」
「だったらなんでこんな不真面目みたくな字になるよを。」
「知らんよをこうなるだもんでえ、しょんないじゃん。」
例文音声はこちら
私は使わないのでこれは駿河の言葉だろうと思っているのだが、それでも結構色んな遠州弁紹介サイトでは載っているので単に私が不勉強なだけで遠州弁なのかもしれない。
色々なサイトに行ってみると「みるい」という言葉には二通りの使い方があるようだ。
ひとつはやわらかいとかいう意味合い。
もうひとつは若い・未成熟とかいう意味合い。
駿河では「やわらかい」という意味合いで使われていて
遠州では「熟していない」という意味合いで使われているらしい。
どちらも共通していると思われるのは野菜類に対して使われる表現だということであろうか。なんでもかんでも柔らかい物を「みるい」という訳ではないらしい。
熟していないとまだ柔らかい状態という野菜なんてのがあるのかどうか知らないがそういうものがあれば駿河も遠州も元は同じ物を指す言葉だったと言えるのかもしれない。
知らないから平気で聞くけど
「半熟卵」を「みるい卵」と言うかどうか。
基本野菜類に対して使う言葉という縛りからすればこれは「無い」だろうけどどうなんでせうね。
勝手な想像だけどこの言葉って工場用語?の「ネジ山なめる」とかいうのとおんなじもので農業の専門用語(業界用語)なんじゃないのかとふと思えてくるんですけど。子供の頃のうちの近所には農家やってる人居なかったんでそれでというかだから私知らなかったのかなと。
「見よ」と言っている。詳しく言うと「見よやあ」で「見ろよ」。
ぞんざいな言い回しに聞こえるところであるが、明治の時分の歌で「天然の美」というのがありその歌詞の一節
「見よや人々この天然の~」
という「見よや」と同じであり決してぞんざいな物言いではなかった筈。そういう昔の言い方が遠州ではまだ残っているということなのであろう。と都合よく考えればこうなる。
今的に言うのであれば「いざご照覧あれ」って感じだろうか。まあ流石に遠州弁の「みおやあ」がそんな丁寧な言葉ではないが「刮目せよ」って感じなら近いか。実際の遠州弁は「しっかり見ろよ」というニュアンスであるので美化しすぎではあるが。
例文
「やっぱ無いわ。ここにゃ無いだら。」
(やはり無いよ。ここには無いんだろう。)
「ほんとにけえ。ちゃんとみおやあ。ある筈だで。」
(本当かよ。ちゃんと見ろよな。ある筈なんだから。)
「ふんだだこんこいたって無いもんは無いだわ。」
(そんな事言ったって無いものは無いのっ。)
「おめえじゃ信用ならんでわしこの目で探すわ。」
(あんたの探し方じゃあ疑わしいんで自分で探す事にする。)
「おお勝手にしとくりょ。」
(ああどうぞ存分に。)
「・・・てほれみい。やっぱあったじゃんかあ。」
(あ、ほらあ。やっぱりあったじゃないか。)
「ってなによを。ゆってたのと全然違うじゃん。」
(あったってなんだよ。言ってた特長と全然違うじゃないか。)
「ほんとしょんない。」
(使えない奴だなあ。)
「どっちがでえ。」
(どっちがだよ。)
例文音声はこちら
実は私この言葉は知らない。
色んなとこ調べる限りでは
「みがましい」。しっかりした・見苦しくない。もしくは子供に対してお利口さん・利発という意味合いで使われているそうな。
まあ要はこんなこと言われる手合いじゃなかったから縁のない言葉であったせいもあろうが。
辞書や古語辞典にもそれらしき言葉はみつからないので古い日本語の生き残りということでもなさそうだ。
言葉を知らない人間からしてみると「身構える」の変形のように聞こえてしまう訳だが身を構えるからしっかりして見えるとか見苦しくないという風に映るんだよなとも思えてくる。もちろん勝手な想像である。
ついでにいえば、「みがましい」の反対語はなんなんでしょうね。意味としてはしっかりしてない・見苦しい及びアホとかいうことになろうが。
想像を働かせるには「ぶしょったい」とかをイメージするところだけどどうなんでしょ。
分かる人がおられたら教えてつかあされ。
例文は使ったことないので思い浮かびません。