遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「言ってあげようか」という意味。
「ゆったらあ」だと「言ってやる」となる。
「言う」に限らず、例えば「やる」でも「やったらかあ」・「持つ」だと「もったらかあ」という使い方をする。
これと同じ使い方では「ゆっちゃるにい」。関西風だと「ゆうちゃるでえ」とかであろうか。
例文
「おんしゃ よを ゆいえん なら わしん ゆったらっかあ。」
(君が言いにくいのだったら私が言ってあげようか。)
「いや。いい。遠慮しとく。」
「なんでぇ。遠慮しんだっていいだにい。わしとんじゃかないにい。ゆったらあ。」
(どうして?遠慮しなくたって私は気にしないよ。言ってあげる。)
「だでじゃん。無頓着にゆわれたじゃ余計こんがらがるわあ。」
(だからだろ。無神経に言われたんじゃあ余計にこんがらがるだろ。)
「随分なことゆうやあ。それじゃわしまるで無神経みたいじゃん。」
(ひどい事いうなあ。それじゃあまるでオレが無神経みたいじゃないか。)
「違うだ?」
(そうじゃないのか?)
例文音声はこちら
昨日の晩とかゆうべのこと。夕べの「う」が「ん」訛って変化したと考えられる。特に使い方に方言独特というものはない。
例文
「ゆんべなにやってたよう。随分と遅くに帰ったっつう風に聞いたにい。」
(夕べはどうしたんだ?帰りが随分と遅かったって聞いたけど。)
「接待で飲むの断れんくてさあ。酔いさまいてから帰っただよ。」
「駄目だって。さまいたばかじゃあ。検問でとんまさったらただじゃ済まんくなるにい。」
(駄目だよ醒ましたくらいじゃあ。検問で捕まったらただじゃ済まなくなるよ。)
「しょんないじゃん。車通勤だもんで車置いてけれんだもんで。」
「それにあんた、酒飲むと気が大きくなる上にすぐキレるだもんであおり運転とかしかねんだで。」
「ちびっと口つけたくらいでそんな飲んじゃいんかったもん。酔っちゃいんかったもん。」
「じゃ、どうやって帰っただか覚えてるだ?」
「うっすらとは。」
「十分酔ってたじゃん。はあ。あんた、いつかとんまさるにい。」
例文音声はこちら
「ゆるせくない」
自分は使わないので
参考参照レベル
「ゆるせくない」とは色んなサイトによると「忙しない」・「落ち着かない」と説明されてる。自分は使わない言葉なので会話の中でこれが出たら「は?」と聞き返す事になるだろうな。定かではない(勘違いかもしれない)が使われている地域は袋井・掛川以東が主のように思える。駿河弁が掛川辺りまで浸透してるのか掛川辺りが元祖なのかは定かではないが遠州に於いてはメッカは袋井・掛川辺りと言えそう。と勝手に想像している。違ってたらごめんなんしょ。
自分らのとこでは「忙しない」なら「ばたばたしてる」・「気忙しない」、「落ち着かない」だったら「落ち着かん」・ちょっとニュアンス違うが「いづようない」とかを使う。
「ゆるせくない」を分解するとどういうパーツで出来ているんだろう。「ゆるせく」+「ない」、「ゆる」+「せく」+「ない」、「ゆるせ」+「く」+「ない」などなど勘繰ると
「ゆるせくはない」としたら「「ゆるせく」+「ない」と考えるのが無難かなと思える。意味的に考えてくと「緩くは無い」と勘繰れそう。なんで「せ」が入るのかは見当もつかないし「緩くない」から「落ち着かない」という意味になる理由が説明できないが・・・。まあとにかく「ゆるせかない」という言い方が存在するのなら多分そういうことなのだろうけど。
「~っぽい」という意味の「しい」(例「嫌味ったらしい)が合わさった「ゆるせかしい」とかいう言い方とかもあるのかな?
ま、私にとっては想像の域を出ない分からない言葉でありますな「ゆるせくない」というのは。遠州といっても広いわな。
例文は使いどころが分からないので略します。
「ゆうこん」。訳さば「言う事」。「言ってる事」だと「ゆってるこん」。
「あんなやつのゆうこん信じちゃかんにい。」
「言う」を「ゆう」・「事」を「こん」という合わせ技であり
単純だがやはり「こん」を使うと遠州弁らしく聞こえる。
例文
A「なんかさああの人んゆってるこんおかしかない?」
B「つうかよく分からんやあ。」
C「あ~いいだよただの独り言だでいちいちゆうこん気にしんで。いつものこんだで。」
A「だってこっち向いてゆってくるだにい。」
C「目え悪いもんで めえてるようで見えちゃいんだで。」
B「にしちゃあ返事求めてるみたいに聞こえるやあ。」
C「自問自答してるだらあ。」
A「ホントにけえ、めんどくさい人だやあ。」
C「仕事はでける人だで我慢してやって。」
B「こっちんペースが狂うわっ。」
例文音声はこちら
方言とかではなく古い日本語の部類に属すると思えるが。
古い日本語が残ってるのが遠州弁の特徴のひとつであろうか。
「ゆわく」漢字にすると「結わく」。
辞書に、他動詞五段活用 (方言) ゆわえる。 と説明されている。
(ネット辞書には方言という記載は無いので最近方言枠から外れた共通語と言えるかもしれない)
標準語的には「ゆわえつける」(結わえつける)・「ゆわえる」(結わえる)と言うのが一般的な共通語となるらしい。といっても「ゆわく」も十分共通語であるが。
意味としては「ゆわく」は「結ぶ」(むすぶ)というものであるが
紐などで物とか髪を結ぶ際に使われるもので(紐に限定されるものではない)
縁とか契(ちぎり)とかいった目に見えないものを結ぶ際には用いられない。
以前記事にした「ゆわう」との違いや使い分けとかは・・・いまいち定かでない。
「ゆわえる」を「ゆわいる」となることは無い。
実用的には「ゆがく」(湯掻く)と混同しやすい紛らわしさがあったりもする。
なので調理場とかで「それゆわいといて。」と言われたのを勘違いして、なんでこんなのをと変だなと想いながら、でも言われたからと「ゆがいて」しまって後で「なにやってるだあ。」とどんじかられる洒落にならない作り話しもあながち嘘くさくは無い。
例文(「ゆわう」での例文とほぼ同じ)
「がっちがちにゆわいてあるもんでほどけやせん。」
(きつく縛ってあるから解けない。)
「かしてみい。・・・・・って、ほんとや、どんがたいやあ。」
(どれ、・・・・・って。ホントだ、凄いかたく結んである。)
「だらあ?」
(だろう?)
「誰よを、こんなゆわい方したのぉ。」
(誰がやったんだよ、こんな結び方したのは。)
「しらんだあ。」
(さあ。)
「ひょんきんだやあ。どんだけ馬鹿力だいね。」
(有り得ないよなあ普通。どれだけ馬鹿力なんだよ。)
例文音声はこちら
注、「ゆわい方」は「ゆわき方」としても可。