遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「申し訳ない」と言っている。共通語だと「お手数かけます」・「ご親切にどうも」とかになるであろうや。
遠州弁においての主な用途は謝意であるが感謝という意味合いで使う事もある。つまり「ありがとう」の代わりに使う事もあるという事。
遠慮するというような場合には「わるいらあ」・「わるいでえ」とかが使われる。あくまで遠慮であってお断りではない。
お断りの場合には「わるいで」・「わるいに」・「わるいって」などがあり。
拒否の場合は「いいって」・「いいに」・「いらん」など。
例文
「荷物一杯で大変だらあ。ちっと持ってやるでよこしゃあ。」
(荷物一杯で大変だろう。少し持ってあげるからよこしなよ。)
「わるいやあ。頼めるかいねえ。」
「いいよをそれくらいぃ。大したこんじゃないだで。」
「いやあホントあんたありがとね。助かるやあ。」
例文音声はこちら
「ありがとう」とは当然異なるのだが使いどころは同じであることが多い。
例えば物を落とす。拾うのを手伝ってくれた人に対して
「わるいやあ」というのと「ありがとね」というのとではそのニュアンスが異なる。
どちらが腰が低く受け取られるかというと「わるいやあ」の方であろう。
較べた場合「ありがとね」の方が腰が高く感じられる。
脱線するが、以前なんかで、コンビニの店員がお客に「ありがとう」と言われてキレたというのを読んだのであるが、その理由は腰高という印象を受けての「何様だ?」という感情が湧いたということなのであろうか。
「わるいね」とすれば「ありがとう」と同じように上から目線になりえるのでそういう感覚に陥りそうな相手に対しては注意が必要ではあろうか。
もっともコンビニのレジで「わるいやあ」なんて一万円出して恐縮する時以外に発することはないから「ありがとう」に置き換えて「わるいやあ」を使えば丸く収まる訳ではないが。そうなると返す言葉に適当なものが思い浮かばないな。「どうも」くらいか。無言が無難なのかな。
いずれにせよ、「謝意」と「感謝」の違いが「わるいやあ」と「ありがとう」の違いということであろうが今は「ありがとう」の分が悪い世の中のようだ。
なにかあると「土下座しろ」みたいな屈服に近い「謝意」を要求する社会において「感謝」では充足しない受け入れられない溜飲が下がらないというのはなんだかなあではある。
遠州弁では「ホントあんたありがとね」とかのように他の言葉をまぶしてそういった腰高感を和らげて使われている。共通語だと「ありがとうございます」とか言わなくちゃいけないのかな。不便だしそもそもなんでそんな丁寧にしなくちゃいけないんだという疑問が湧くわな。
まあそんな大それた事はこれくらいにして「わるいやあ」。基本若造世代は使わない社会人以上の部類の世代言葉に属する。
「わるいやあ」を連発すると「卑屈」とも受け取られかねないところで連呼は芳しくはないのだが「わるいのっ」とか「わるいね」だと本気で悪いと思ってないだろと思われたりもする儀礼的な印象を受ける場合もあり「わるいやあ」が使い勝手はいい。