遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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その1
「に」(格助詞)を訛らすと「ん」に遠州ではなる。場合がある。やたらくしゃ(なんでもかんでも)ということではない。どういう場合が「ん」に変わるかという法則を知ってればいいのだろうがアホがばれるのでそういう屁理屈は追わないのが私の主旨。
「やけに重い」は「やけん重い」
「がんこに重い」は「がんこんおんもい」
「京都に行こう」は「京都ん行かまい」
「そこにある金槌とって」は「そこんさあん金槌くりょ」
「に」だけでなく「は」(副助詞)も「ん」になることもある。
「今日は晴れるだろう」は「今日ん晴れるらあ」
「聞くは一時の恥」は「聞くん一時ばかん恥」
「の」(格助詞)も「ん」になる時がある。
「あの子の家に行く」は「あの子ん家ん行く」
「が」(格助詞)も「ん」になる時がある。
「台風がもうすぐやってくる」は「台風んはあちっとしたら来るに」
「今日が締め切り」は「今日ん締め切り」
まあ挙げたらキリがないのでこのへんで。因みに発音的にいうと「ん」というよりも「ぅん」と言うほうが近い。こんだけ色んな格助詞を「ん」にしてしまうので聞き取りは素人には難しいものがあるやもしれぬ。
その2
「ん」。「ない」の代わりに使用する。その1で「に」として使うと説明したがそれとは違う使い方を補足追加。
出来なくする→できんくする
しないで帰る→しんで帰る
脱線するが、「せずに帰る」という「ず」の場合には「なし」を使い「せなし帰る」という風になる。
「買わないで帰る」なら「買わんで帰る」
「買わずに帰る」なら「買いなし帰る」
と変えるのがスムーズである。
では、「に」と「ない」が「ん」になるというのなら
「買わないに越したことはない」を
「買わんん越したこたない」と言うかというとそれはない。
例文(遠州弁では「ん」の連発が小気味良いという感覚がある。)
「うちんゆうこんとんちんかんかもしれんだん なんしょあんたんとこんのだけはホントちゃんとしんとかんて。」
(私の言う事がとんちんかんかもしれないけどとにかくあなたのところのだけはちゃんとしないといけないんだよ。)
「なんでうちんのだけちゃんとしんとかんよを。」
(どうしてうちのだけちゃんとしないといけないの?)
「なんでって他んの見りゃ分かるじゃん。しょんないのばっかだら?」
(どうしてって他のを見れば分かるでしょ。使い物にならないのばかりでしょうに。)
その3
「ん」は「ない」の変形としても使われると言い表してきた。
「ない」→「無い」→「無」→「む」→「ん」みたいな?・・・冗談です。例としては
「来れない」→「来れん」・「やらない」→「やらん」・「そうしないと」→「そうしんと」
といった具合に。まあ遠州弁に限ったことではなくごく普通か。でも徹底してる度合いが強いというのが特徴ではあろう。
例文音声はこちら
では「な」という形もあるか?
「おいでなさる」→「おいでんさる」・「やりなさい」→「やりんさい」・「そうしなきゃだめ」→「そうしんきゃかん」・「そうしなさい」→「そうしんさい」
遠州弁としてはあまりピンとこない言い回しである。でも確証はないが名古屋辺りとか関西方面なら言いそうな気はする。遠州ではまったく言わないと断言はしないが頻度は少ない感じがする。ちなみに遠州弁だと
「おいでなさる」→「こらっしゃる」・「やりなさい」→「やりい」・「そうしなきゃだめ」→「そうしんとかん」・「そうしなさい」→「そうせよを」
とかになることが多い。
つまり遠州弁では「ん」は「な」としての意味使いはしないということなのか。