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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

きもるい

「気持ち悪い」を略した言い方で方言でもなんでもないのであるが、遠州ではいい歳した大人でもうちうちでは使うくらい定着している感がある。これは多分に言い易いからであろう。

他の地域ではどうなのかは知らないが、遠州では「気色悪い」という意味合いで使われることが多く、吐き気を伴うような体調的な「気持ち悪い」とは異なる使い方をしている。

別の省略した表現で「きもい」・「きしょい」というものがあるがさすがにここまでくると人それぞれに言葉から受ける印象が異なるので定着しているという感じにはなっていない。

下記の例文での「きもるい」は「ぶしょったい」という言い方でも成立するがぶしょったいの上を行く様相という風に解釈していただければありがたし。

例文

ガキ「ちょっとでかけてくるでねえ。」

  (ちょっといってくるからね。)

母「なにいその格好。どこいくにしたって馬鹿きもるいにい。やめない。」

  (何?その格好は。どこにいくにしても凄く気色悪い。やめなよ。)

父「いいじゃん本人気にいってるだでやらしときゃあ。」

  (いいじゃないか本人気に入ってるんだからやらせとけば。)

母「なにゆってるよを。この格好で外出るっつってるだにい。」

  (なに言ってるの。このなりで外行こうとしてるんだよ。)

父「いいじゃん別に恥ずかしい思いするの本人だもん。懲りればはあしんくなるらあ。」

  (いいじゃないの恥ずかしい思いするのは本人なんだから。これに懲りてもうしなくなるだろう。)

母「馬鹿こいちゃかん。あの家は親んなにしてるだあっつって馬鹿にされるだでねえ。身が細るわあ。」

  (冗談言わないでよ。あの家の親はどうかしてるぞって思われて肩身が狭くなるんだから。)

父「いいじゃん痩せる思いできすならダイエットんなるらあ。」

  (好都合だろ痩せる思いでるんならダイエットになるだろ。)

母「ぶっ殺す。」

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