遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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時代劇でのお決まりの言葉
「うい奴よのう」
この「うい」ってなんぞやというお話し。
「愛い」と書くそうな。で、意味は
感心だ・殊勝である・可愛い。とある。
目下に対して発する言葉だそうでどうりで身分制度のない現代からしてみれば不遜な空気が漂う。褒め言葉らしいのだが時代劇の悪党が発するフレーズという刷り込みが効いているのでこんなこと言えば石が飛んできそうではある。
「初」で「うい」と読んで「初陣」・「初産」といった
「初めて」という意味で使う「うい」という言葉もあるが
「うい奴よのう」の「うい」には当てはまらないようである。
同じく「初」(もしくは初心)と書いて「うぶ」と読むという事も出来るので
「うい奴」=「うぶな奴」でてっきりそっちの「すれていない」という「おぼこ」系な意味だとばかり思ってた節もある自分。
でも「愛い奴」というのが正しいらしい。
当たり前だが遠州弁においても「愛い」を使うことはない。誤解してた「初」の方であっても。最近「かわいい」は「可愛い」と「カワイイ」の二種類が使い分けられていて至極めんどくさい事この上ないところであるが「愛い」はこのどちらの現代語の「かわいい」にも当てはまらない気がする。そもそも何に対して「うい」という感情が起こるのかがいまいち分からん。
そういうことなんで遠州弁でなんというのが近いのだろうというと、はたと困るな。俗語的には「やるじゃん」とか「キャワイイ」とかだろうけど遠州弁としては多分ないなこりゃ。
例文
愛い奴と 浮いた言葉に うつむきて
歯が浮くわなと 舌打てど
初々初心にて みこよくしとこで
ウイウイセボンと 返したり
注、「初々初心」は「ういういうぶ」と読んでつかあされ。
訳
可愛いねえと言われてうつむいて
歯が浮くような事言うんじゃねえよと舌を打ちつつも
それでも初々し気に愛想良くしてはおこうかと
歯の浮くセリフで返答す