遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
損したと言う意味。味付けで「失敗した」というニュアンスも含まれることが多い。
特に遠州独特というものでもなかろうがよく使われる言い方である。
似たような言い回しでは「馬鹿みた」というのもよく使われる。
「こいた」・「こく」は「言った」だけではなく「した」という意味でも使われると言うこと。ただし「損して得取れ」を「損こいて得取れ」とは言わない。
「得した」を「得こいた」とはいわないので「やってもうた」みたいな「あちゃー」なニュアンスが含まれるのであろうか。それか「損」を納得した上でのとか言う場合には使わないということか。
「損こいた」の反対(損しない)は「損しん」・「損せん」であろうか。
「損させた」は「損こかせた」が多く使われる。
例文
「最近さあ。新聞のチラシようけ入ってるじゃん日曜なんか特にい。」
(最近新聞のチラシ一杯入ってるよね。特に日曜なんか。)
「おおそうだのえ。」
(うんそうだね。)
「ふんで暇してるもんで見るじゃん。買うきゃあなくても。」
(それで暇なもんだから買う気とかなくても暇つぶしで見る訳だよ。)
「まあの。」
(そうだね。)
「ほいたらやあ こないだ買った電化製品。はあ馬鹿安く売ってんの。」
(そうしたらこの間買った電化製品。もう物凄く安く売ってるんだよ。)
「そりゃ損こいたの。怒れるらあ。」
(そりゃ残念だったね。不愉快だろ。)
「しかもあれだにい。おんなし店っつうんでやがんの。」
(しかもだよ。同じ店がってことなんだぜ。)
「最悪じゃん。」
(最悪だね。)
「ホントだよを。やっきりこいちゃう。」
(まったくだ。ほんとむかつく。)
「なんでまたそんな焦って買ったよを。まあちっと待ちゃよかったじゃん。」
(どうしてまたそんな焦って買ったんだ?もう少し様子見てからにすれば良かったんじゃないの?)
「だってしょんないじゃん。金ある内ん買わんとパチンコ貯金しちゃうもんで。それに無いと困るだよを。おっかさひゃあひゃあゆうもんだしやあ。」
(だって仕方ないだろ。お金のある内に買わないとパチンコ貯金しちゃうから。それに女房にもないと困るってしつこく言われたしね。)
「ん~微妙な理由だの。」
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