遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
略さず言えば「なんしょかんしょ」でこれを訳さば「なんにせよかにせよ」ということになるのだが
「なんしょかんしょ」をニュアンスで訳すと「とにもかくにも」が相応しいかと感じられる。(ちなみに「とにもかくにも」は「とにかく」の強調形と辞書にある)
今はどちらかというと死語に近いもので、普段は大抵「なんしょ」と言うのが普通であろうか。
「なんしょ」で「とにかく」となるわけで
「なんしょこのまま真っ直ぐいきゃいいだ」
(とにかくこのまま真っ直ぐ行けばいいんだ)
となる。「とにかく」を「なんにせよ」とか「いずれにしても」とかに替えても意味としては変わらない。
しかし、使い方によっては
「なんしょ」→「なにせ」
となることもある。
「なんしょ素人だもんでねえ、勘弁してやってやあ」
この文を訳すと「なにせ素人なんだからさ、大目に見てやってくれよ」となる。
「なにせ」は「なにしろ」の方言性のある言い方と辞書に説明されてる。
「とにかく」と「なにしろ」は共通語では別物であるが
遠州弁での「なんしょ」は「とにかく」でもあり「なにしろ」でもあるというものである。
例文
「なんしょちゃっと仕上げにゃ間に合わんくなるだで、ちゃっちゃとやれやあ。」
(とにかく直ぐ仕上げないと間に合わなくなるんだから、早く仕上げてくれ。)
「遅れるのしょうがありもしん。なんしょ作業員馴れてんだもんで。」
(遅れはしょうがないでしょう、なにせ作業員が不慣れなんですから。)