遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
直訳すると「あなたきちんと時間通りに来ないといけないんだよ」であるがニュアンス的には「遅れるんじゃないよ分かってるの?」と言っている。
この言い回しの味噌は「時間にこんと」という言い方と「だにい」のアクセント。
まず「時間にこんと」。意味するところは「時間通りに」・「その時間に」ということである。
他にも「時間にならんと」(その時間にならないと)・「時間みて配分考えない」(時間を見計らって配分を考えなさい)などがある。
つまり「その」だの「計る」だの「通りに」(正しく)だのをはしょって「時間」とだけいうところが遠州弁の特徴か。
次の「だにい」のアクセント。
音通りに表記すると「だにい?」というのが近く、疑問符がついたような語尾を上げる。しかしながらその意味するところは念を押すといったものであるので疑問符を付すと意味としておかしくなるのだが実際そう発音するのでそかく記載した。こうする効能は「忠告」・「念を押す」といったニュアンスを醸し出すところにある。
これが普通の「にい」のアクセントで発するとそのニュアンスは「世間とはそういうものなんだから」とかいう一般常識として来るのが当然という「押し付け」という感じになる。
もっとも「~しんとかんだにい?分かってる?」という言い方をはしょったから疑問符がつくんだという解釈も考えられるところではあるが。
例文
「今日は午後から打ち合わせだでねえ。あんたちゃんと時間にこんとかんだにい?」
(今日は午後から打ち合わせがあるんだからね。くれぐれも遅れるんじゃねえそ分かったか?)
「な にい。わし遅れたこん一度もありもしん。」
(なんだよ随分だなあ、俺遅れた事なんか一度もないじゃないか。)
「そりゃそうだ、来るか来んかだでねえ。」
(そりゃあ確かに来てるか全く来ないかのどっちかだから遅刻はないけど。)
「だらあ?」
(だろう?)
「だらあじゃねえよ。やばいもんで言い訳こいて来ん方がもっと悪いじゃねえか。」
(だろうじゃないよ。まずい!怒られるって事で言い訳作ってこない方が遅刻するよりもっと悪質じゃないか。)