遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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遠州弁で否定をする上でよく使われる表現。
直に訳せば「そんなことないよある訳ないだろ」ということになる。
想像話しだが、古い日本語の「~であろうかいやそうではなかろう」とかいった言い回しが変形して残っていると想像される。この理屈でいえば「そんなことあるだけえ?ある訳ないらあ」であるがあまりこういう言い方はしないので説得力はないが。
こう言われた側は「そうかあ?」と自分の意見を引っ込めるか「ふんだだことあらすけえ」と対決姿勢を示すかの選択を迫られることになる。黙っていると「なんか言え」と大抵言われる。この時点では自分の意見を引っ込めても何事もなく事が進むので自信がない場合には引き下がった方が身の為ではある。自説を曲げず「ふんだだことあらすけえ」を選択した場合言った後にもし自説が誤っていたら「ほれみっせえ」・「「ほれみい」と言われるので覚悟が必要である。逆に自説通りだったらこっちが「ほれみっせえ」と高らかに言えるのではあるが。
別の続きの言い方で「そんなことゆうけどやあ」と自分の立場を述べるという言い方もある。それでも否定されたら「冷たいじゃん」と言い逃れはできるがいい加減な奴というレッテルが付加される場合がある。
ちなみに「そんなことしんよを する訳ないじゃん」とかで「そんなことしんよを」だけだと言い切りが強調されて冷たい印象が強くなる。
例文1
「こかあおんめえ先んこっちだらあ。」
(ここはあんた。こっちが先だろうに。)
「んなこたあねえよ。これ先でええだって。」
(そんなことはないよ。これが先でいいの。)
「そんなことあらすけえ いい訳ないじゃん。」
(そりゃ違うだろ。おかしいって。)
「そんなことゆうけどやあ。こっちん方がこうるさいもんで先やらんとひゃあひゃあゆわれるだよ。」
(そうは言うけどねえ。こっちの方がなにかと五月蝿いから先にやらないときついこと言われるんだよ。)
「受け付け順っつうのが基本だらあ。順番飛ばされた方ん身いなってみい敵増やすだけじゃん。先やったってこうるさいならどっちみちうるさくゆわれるだで同じじゃん。」
(受け付け順が基本だろうに。順番飛ばされた方の身になってみなよ。敵を増やすだけじゃないか。先にやったところでどのみちなんか言われるなら先でも順番どおりでも一緒だろ。)
「冷たいじゃん。」
(そりゃ正論だけどさあ。)
「当然だらあ。」
(当たり前じゃないか。)
例文2
「こかあおんめえ先んこっちだらあ。」
(ここはあんた。こっちが先だろうに。)
「んなこたあねえよ。これ先でええだって。」
(そんなことはないよ。これが先でいいの。)
「そんなことあらすけえ いい訳ないじゃん。」
(そりゃ違うだろ。おかしいって。)
「ほをけえ。」
(そうなの?)
「そをだよを。ちいと頭働かしゃ分かるこんじゃん。」
(そうだよー。少し考えれば分かるだろうに。)
「だってえ、こっちんがんこうるさいもんで先済まいた方が角立たんで済むじゃん。」
(だってさあ、こっちの方はがんこにうるさいものだから先に済ませた方が波風立たずに済むじゃないか。)
「飛ばされた方の身にもなってみい。怒れるでえ。ちゃんとやってもひゃあひゃあゆわれるなら間違っちゃいんだでえらいさん呼んでくりゃいいだよ。」
(順番飛ばされた方の身にもなってみなよ。不愉快だから。決められた通りやってなんか言われるなら間違ったことはしてないんだから上司呼べばいいんだよ。)