遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
だまくら(騙して)かいちゃ(いるんじゃあ)いんらなあ(ないだろうな)と言う意味。
「だまくらかす」騙す・はぐらかすと言う意味合い。もっともこれが遠州弁ということではなくて「いんらなあ」が遠州弁の表現。多分「いんだらなあ」・「いんづらなあ」の「だ・づ」抜きに変化した省略形の言葉と想定される。
例文 突然とあるものをくれる人とあげると言われた人の会話
「やあなんか話しん上手過ぎやせんかあ?だまくらかいちゃいんらなあ。」
(ん~なんとなく話しが上手過ぎるような気が。なんか裏がありそう。)
「んなこんあらすけえ。いつも助けてもらってるだでこんくらいはしんとかんなと思ってさあ。」
(そんなことないって。いつもお世話になっているからそのお礼にと思ってさ。)
「なんかどがんこ嘘くっさ~く聞こえるだけど。目え泳いどるし。」
(なんか白々しいんだけど。目が泳いでるし。)
「まあまあそういわすとお、持ってってくんない。」
(そんなこといわないで、持ってってよ。)
「やっぱやめとくわ。ただより高いもんはないっつうでな。」
(やっぱりやめとくわ。ただより高いものは無いって言うからね。)
「わあったよ、しょんねえなあ、まじなこんゆうわ。きんのうおっかさ買ってきたの知らんくてやあ、わしも買っちまったもんで二つもいらんだよ。だでうっちゃる訳にもいきゃへんもんで貰ってくれりゃあゴミんならんで済むもんでさあ。」
(わかったよ、しょうがないなあ。ホントのこと言うよ。昨日女房も買ってきたの知らなくてね、自分も買っちゃったけど二つもいらなくてさあ。だからと言って捨ててゴミにする訳にもいかないから誰か貰ってくれないかなあと思って。)
「そんで恩もついでに売っとけってか?んな世の中都合よーまわらんて。じつぁの、おめえんとこのおっかさといっしょにうちんのも行ってただよ。ほんでうちもきんのうおんなしもん買ってきただよ。だでいらんだあ。」
(なるほどね、ついでに恩も売っとこうってことか。そんな都合よく世の中回らないって。実は、君の奥さんと一緒に家の女房も買い物行ってたんだ。それで家も昨日同じもの買ってきたからくれるといわれてもいらないんだ。)
「なんだよおそれえ。先い言えよぉふんだだこんわあ。知っててそういうこと言うう。」
(なんだよそれ。そういうことは先に言えよ。とぼけて聞いてやがって。)
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