遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
言いやしない・言わないとか云う意味。「ゆやあせん」と「あ」が入る言い方もある。
「ゆわん」だと「言わない・言わぬ」となり「ゆやせん」とは受ける印象が異なる。
決してお風呂屋さんの風呂の栓「湯屋栓」とか風呂付の船「湯屋船」とかではない。
ニュアンス的には「あ」が入ると言う勇気が無いとか根性が無いというニュアンスが追加される感じになる。したがって「ゆやせん」と「ゆやあせん」は受け取るニュアンスが異なってくる。
「せん」の代わりに「へん」を使うこともあるが印象として「変」(不思議)と被るので「ゆやへん・ゆやあへん」となると「なんで言わないのか不思議」というニュアンスが強くなる感じがする。
他にも「しん」(ゆやしん・ゆやあしん)を使う人もいるがこちらはあまり対して「せん」と違いは感じられないがより遠州弁っぽくはなる。
例文
「あいつええようにパシリでこき使われてるだに先生とかにゆやせんもんで相手んつけあがってしょんないだよ。今に壊れるにい。」
(あいつ良い様にこき使われてるのに先生とかに言わないもんだから相手がつけあがっちゃって始末に負えなくなってる。今に壊れちゃうよ。)
「なんでゆやあせんよを。なんかあるだけ?」
(どうして言おうとしないんだ?なんかあるのかい。)
「知らんだあ。溜めてからどっかんせるつもりだかいねえ。」
(分からない。堪えて溜めて爆発するつもりかもしれないけど。)
「知いらんぞそうなったら。なんしょ小さい頃から武道やってるだら?段持ちで。」
(そうなったらやばくねえ?なにしろ小さい頃から武道やってて段持ちだろ?)
「ほんたあがんこ怒らすと怖いって知らんみたいだね。」
(ほんとは滅茶苦茶怒らせると怖い奴ってこと知らないみたいだね。)
「ふんとそう。相手も馬鹿だなあやあ。」
(本当にそうだよ。相手も馬鹿だよなあ。)
「ゆったげた方がええだかいねえ。」
(忠告してあげた方がいいのかなあ。)
「誰にい。」
(誰に?)
「相手え。」
(相手に。)
「知り合いけえ。」
(知り合いなの。)
「ちったあの。」
(少しね。)
「やめときない。自業自得じゃん。」
(やめときなよ自業自得なんだから。)