遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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滅茶をめっちゃ→めっさと読んで無茶をむっちゃ→むっさとでも読むようになったということなのであろうか。
発祥の地や何でどうやって広まったのかは知らないが、色々なブログを徘徊してて若い衆の中にこれは遠州弁ですよ~とか謳っていて批判する訳じゃあないんですが、個人的な意見として「そりゃ違うらあ」と思わず突っ込みをいれたついでに記事としました。
滅茶苦茶・無茶苦茶とか物凄くとかやたらととか言う意味なんだろな多分。若い衆は使っているらしいが大人衆は使わない。これは今のところ遠州弁ではなく流行の若者言葉であろう。
これが遠州弁になるには「づら・づらに」が衰退して「だら・だに」に変わったように世代交代が不可欠であろう。その為には他の地域が死語として使わなくなり、じじばばから子供まであらゆる世代が遠州だけで使い続けることが必要であろう。今の若い衆がじじばばになるためにはあと50年くらいはかかるだろうから現在では流行の言葉でしかないであろうて。
比較的広い地域に広まっている表現らしいが私ではニュアンスを含め使いどころが分からない。
例えば「物凄い」というのを遠州弁では「どすごい」・「ばかすごい」・「がんこすごい」・「もんのすごい」とか表現してる訳であるが個人差はあれど凄さの度合いがそれぞれ異なるので凄さの程度に応じて使い分けしている。では「めっさすごい」・「むっさすごい」というのはどのくらいすごいのかというのが分からないということである。
「一日3杯までだで4杯も飲んだじゃかんて。」
(一日3杯までなんだから4杯も飲んではだめだって。)
訳せば「~ではいけない」ということになる「~だじゃかん」。
「だじゃ」+「かん」ではなく「「だ」(で)+「じゃ」(は)+「かん」(いけない)。
もちろん「てはいけない」で「たじゃかん」という言い方もある。
普通だったら「飲んじゃ駄目」というのであろうが、「だ」が入るのが遠州弁らしい表現であろうか。「のんじゃかん」も普通に使われる表現だがこれだと命令度が強い感じになるので訳すと「のむんじゃないよ」とかになる。
例文
「あんた勝手にそれ飲んだじゃよかあないらあ。」
(ちょっと。勝手にそれ飲むのはどうかと思うけど。)
「勝手にって誰に断りゃいいっつうよを。」
(勝手にって、誰に断ればいいっていうの。)
「誰んのとかそういう意味じゃなくて。検査するで飲み食いしたじゃかんっつわれてんかった?」
(誰のものをとかいう意味じゃなくて、検査するから飲み食いはしないようにって言われてなかった?)
「やいやいそうゆやあそうだった。わすれかあってたやあ。」
(あ、しまったそういやあそうだった。忘れてたよ。)
「知らんにい。どんじかられても。」
(怒られても知らないよ。)
例文音声はこちら
「せせこましい」(度量が狭くて余裕がない・狭苦しい)は共通語である。遠州ではどちらかというと狭いという意味で使われることが多い。
心持ちが「余裕がない」という使い方に関しては「きぜわしない」(落ち着きがない・急かされてうっとおしい)という表現が遠州では使われている。共通語では「せわしない」にあたる言葉であろうか。
従って「せせこましい」と「きぜわしない」は似たり寄ったりの言葉ではあるが同一では当然ない。
似たような言葉といえば全国的に使われてる方言「せせくる」(遠州では触る・弄るという意)があるが当然意味からして異なる全くの別物である。
まとめると遠州弁からみたニュアンスだと「せせこましい」は了見などが狭いという部分がメインな感じで、「きぜわしない」はあたふた・ちょこまか感がメインという感じで使い分けている。
例文
「どうよこの部屋。」
(どうだいこの部屋は。)
「なんかせせこましいなあやあ。家賃いくらしたよを。」
(なんか狭苦しい感じがするなあ。家賃いくらなの?)
「月○○万。」
「ん~高いだか安いだかなんとも言えんの。」
(う~ん高いのか安いのか微妙だね。)
「なにがあ。」
(どうしてだよ。)
「だってやあこれで荷物入れりゃあもっとせせこましくなるし、窓開けりゃ直ぐ横居酒屋じゃん。きぜわしくて落ち着かんらあ。」
(だってさあ。これで荷物搬入すればもっと狭くなるだろうし、窓開けると隣は居酒屋だろ。騒音ありそうで落ち着かないだろ。)
「荷物なんか元からありもしん。それんなんしょ寝えれりゃええだで窓閉めときゃ聞こえやへんでとんじゃかないわ。」
(元から荷物なんてないし、それにとにかく寝れればいいんだから窓閉めとけば聞こえないんだから気にしないよ。)
「まあ本人いいっちゅうならあれだけど。わしだったら躊躇するかもな。」
(まあ本人納得してるんなら言うとこはないけど俺だったら考えるな。)
まあ何度も書いている「だらだにだもんでほいほれやあ」
遠州弁の特徴を現したものであるといわれている。大雑把に訳すと以下となるがこれが全てではないのでただ闇雲に発言の最後に「だら・だに」をつければ遠州弁になるというものではない。
誤った使い方を例に挙げれれば分かりよいのであろうが慣れ親しみすぎて思いつかないものである。
だら=だろ
「よどんだらだらだら」(よだれがだらだらだろ)
だに=だよ
「そりゃ蚊ぁじゃななくてだにだに」(それは蚊じゃなくてダニだよ)
だもんで=だから・したがって
「だもんでさっきいからゆってるらあ」(だからさっきからそういってるでしょ)
ほい=ちょっと・ちょい
「ほいほいほいほかいちゃかんにい」(ちょっとほいほい捨てちゃ駄目だよ)
ほれ=ほら・それ
「ほれみっせえ」(ほらみたことか)
やあ=おい・ねえ
「やあ勘弁しとくりょを」(おい勘弁してよ)
「づら」は駆逐されて遠州では死語となっているが、「だら」と「だに」の両方の使い方をしていてとても汎用な言葉であった。強引ではあるが最後に「づら」をつければそれらしく聞こえたのであるが、今は細分化しているのでやたらくしゃ「だら」・「だに」を使ってもらしくは聞こえない。
ただし正しくは「づら」=「だら」・「づらに」=「だに」であろうが。まあ「づら」でもなんとかね。
「り」を「し」にしたがるのが遠州弁か?んなわきゃないか。でもまあ多いということは地域性かもということで記載。
「がっちり」であろうが「がっくり」であろうが「がっかり」であろうが「どっきり」であろうが「まったり」であろうがすべて「り」が「し」に変わっても違和感を感じない。なんてことはさすがになく「まったり」は「まったし」とは言わないなあ。「もっさり」も「もっさし」にはならないし。
ケースバイケースなのだがなんか規則性でもあるんだろうか。
タイトルに載せた「ぴったし」は男女共用、「きっちし」はほぼ男言葉(女性はきっちりということが多い)、「やっぱし」は基本男女共用だが女性は「やっぱ」という言い方をする人が多い・・・かも。
例文
「ぴったしんなんないと気が済まんだいね。」
(ぴったりにならないと気が済まないんだよね。)
「そんなきっちしやらんくても誰も文句ゆやへんて。」
(そんなきっちりやらなくても誰も文句言わないって。)
「そうゆう問題じゃないだよ。やっぱし性分かのっ。」
(そういう問題じゃあないんだ。やっぱり性分なんだろうな。)