遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
遠州弁関連
「在所」(ざいしょ)
遠州弁と言われたりすることがあるが
昔から有る共通語で、それが今じゃ全国的には廃れてきているものが
遠州ではまだ現役というものであろう。まあ、結果的にその地域しか使ってない言葉が方言と呼ばれるということなら限りなく方言に近い言葉といえるかもしれないが。
とある映画を観ていたら
「生まれ在所はどこ」
といったセリフがあった。
遠州弁における「在所」は「実家」を指すものである。
なんであえて「生まれ」ということばをつけるんだろうとふと疑問に思った。
辞書引くと
ざいしょ」(在所)もと、すみかの意。①(その人の出身地である)いなか。②在所する 事務所・研究所などに(勤めて)いること。
とある。
そうかあ、共通語的には「在所」は「故郷」という類いで「生まれ育った所」というのが「生まれ在所」ということになるのかあ。
たしかに、浜松から上京したとかな故郷は遠きに有りて想うものといった身なら①の意味使いとなろう。
でも、生まれてこの方ずうっと遠州に住んでる身でだとしたら「出身地」というか「郷土」をいう枠では広すぎて(大雑把すぎて)、この解釈だと例えば浜松から浜松に嫁入りしたら実家も嫁入り先も「在所」ということになってしまう風に読めて意味をなさないわけで。そういう人(地元から出ない人)が殆どだからより厳密にというか細かく「実家」という使い方になってるんだろうかな。
共通語と遠州弁との「在所」の解釈の違いを知った。
遠州弁関連
遠州といっても広うござんすで
遠州弁として(遠州でも使われている言葉として)「ささらほうさ」を挙げているところがあったりもする。
うちらんとこでは日常で使っている人を見かけたことが無い。
「ささらほうさ」をネットで調べると
甲州弁・伊那地方・駿河
とかが方言として使っていると出る。
遠州ではというと
「ささほうさ」
と言うのなら身近ではないが聞いた事のある言葉で、「ささらほうさ」というのは聞いた事無いなあというのが私の記憶。
ちなみに「ささほうさ」はネット辞書にも記載があるが、古語辞典で
「ささほうさ」形容動詞ナリ活用、めちゃめちゃ。だいなし。さんざん。=ちゃちゃほうさ。
とある。
「ささほうさ」は古い日本語の生き残りといえそうだが、「ささらほうさ」はこれの変じたものなんだろうか。意味の説明を見るとほぼ「ささほうさ」と同じ意味使いのように思える。
駿河でも使う(らしい)とこから勘繰るに、駿河に近い遠州の地域では影響を受けて「ささらほうさ」と言ってるのかもしれないところ。
なお、うちらんとこ(浜松)では「ささほうさ」もあまり日常語とは言えないものである。
遠州弁関連
遠州弁といっても古いものもあれば新しいものもある。
遠州弁を紹介するに於いて
日常使っているか否かはそこそこ大切ではあろうかな。
もちろん地域によって現役・死語と異なるということもあるが。
「かっぱしゃぐ」
意味は「乾燥する」とか「カラカラに乾く」とかいう干上がったような様を指す。
遠州固有かというと東海域で使われてる言葉であるらしいので遠州固有といったものではないようだ。
根拠のない勘繰りを繰り広げるなら
「かっぱ」+「しゃぐ」
というよりも
「かっ」+「ぱしゃぐ」
といったものであろうかなと邪推するものである。
「かっ飛ぶ」とか「かっ喰らう」と同系の。
で、「かっ」で「カラカラ」を表わし「ぱしゃぐ」で「乾く」といった具合。
「おっぴろげる」のように「ひろげる」が「ぴろげる」となってるのと同じなら「ぱしゃぐ」は「はしゃぐ」なのかもしれないところ。
といってもどのみち「ぱしゃぐ」でも「ぱしゃぐ」でも「乾く」という意であるという理屈は探し出せなかったので、単なる邪推にしか過ぎないが。
ところで、この「かっぱしゃぐ」普段使っているかというとうちらんとこではまずお耳に掛かる事は無い。使い方・使いどころがよく分からない。なので使用例とかは捻り出せない。ウィキペディアでは「動詞」に分類されている。
覚えたところで使いどころが無いといえようか。
ちなみにうちらんとこではなんと言ってるかというと、若干ニュアンスは異なることになるが
「かあばる」(強張る)でその強調形だと「ばかかあばる」
とかとなろうか。
ネット徘徊してたらとある遠州人さんが
「くつ箱」のイントネーションがおかしいと言われたとな。
自分は確か「つ」を強く言うよなあ。
それがおかしい(共通語的じゃない)のかな。
「半袖」が独特というのは聞いたことあるけど
まだそういうの沢山あるんだろうか。
テレビ視てたら
おしっこ漏れそうとかいう時に
「つんもりそう」
と言うそうな。
エリアはしぞ~か県中西部とな。
知らないなあ。初めて聞いた。
広いよねえ世の中は。知らない言葉一杯。