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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

あれ

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あれ

遠州弁あ行

「あれ」

抑揚は「あ」を強く言うもの。

あれ・これ・それ・どれの「あれ」ではない。

共通語に直すとしたら

「あら」・「おや」

とかいったものになろうか。

「あれ、風邪引いただ?」

  (おや風邪を引いたのかい)

「あれはああんなとこにいるや」

  (おやもうあんなとこにいるよ)

などといった使い方。

単純に「ら」が「れ」になったものと勘繰れなくもない。

「見られる」が「見れれる」とかいったもののように

遠州弁は「ら」を「れ」に変えて発する傾向が見られるといえなくもない。

別の考え方として
「あれ松虫が鳴いている」の「あれ」。

これの実用編。

「あれ」は遠州弁というものではなく、古い日本語が遠州ではまだ息づいているというものとしたら。

でも他の地域で使わなくなって限られたとこでしか言われなくなって結果「方言」と呼ばれるようになっているものと推測するものである。

といっても古語辞典に記載は無く辞書にあるものだから「旧い」という程のものではないだろうが。

ちなみに辞書には

「あれ」感動詞。{代名詞「あれ」の変化}意外な事に気づいたり感動したり、女性が助けを求める時などに思わず出す声。{長呼して「あれえ」とも言う}

というのと

「あれ」(彼れ)代名詞。①あの・時(所・物・事・状態)。②少し目下の第三者。③はっきり口にしたくないこと、ちょっと忘れたこと、うまく言えないことなどを仮に指す時に使う言葉。

というのがあった。

ここで述べてる「あれ」は感動詞の方であろうかなイントネーションは異なるけど。代名詞の方は①②③いずれも当てはまらない。

感動詞であっても違うところもあって、遠州弁では女性に限ったものではないし感動したりとかいう辺りは異なっていて、遠州弁では意外だという驚きの意という使い方が殆どである点が辞書とは違うところ。

例1

「あれ、なにゆってるよを」

イントネーションは「あ」を強く発するものである。

訳すと「いやそうじゃないだろう」・「え~?なに言ってんだ違うだろ」みたいな感じである。

「おや?」には置き換えれない。「え~?」は近いかもしれないがそこまで驚いてるものではない。

例2

「あれ、持ちいったじゃなかっただけ?」

訳さば「え?なんで居るの?取りに行ったんじゃなかったのか?」

とまあ、このような使い方が主なので、厳密に(誇張して)いえば「あれ松虫が鳴いている」は遠州弁的解釈だと「なんで松虫が鳴いているんだ?」と訝しく思ってるといった勢いとなり歌詞本来の「おや、松虫が鳴いていて風流だなあ」とかいった感動と感じている勢いとは少し離れているのであるが。

それと、風流・情緒といったものではないというのも違う点であろう。

もちろん「あれけっこいやあ」(まあ綺麗なこと!)といった感嘆の使い方もしたりはするのであるから基本は同じ言葉なのであろうが、しかし繰り返しになるが、感動を表わすというよりも意外というのを表わす意として多く用いられるのが遠州弁の「あれ」の特徴であろう。

例文1

「あれあんたこんなとこいていいだ?」

  (おや?君はこんなとこにいていいのか?)

「なによをいちゃかんだけ?」

  (いてはいけないのかよ。)

「だってきんのう電話で必ず伺いますっつってんかったけ。山田さんとこにい。」

  (昨日山田さんのところに電話で必ず伺いますって言ってただろう。)

「やっべっ。そうだった忘れかあってた。」

  (やばいそうだった忘れかえってた。)

例文2

「このくっさぶいになんでいっつもそうめんなんだ?」

  (どうしてこんな寒い日なのにいつもそうめんなんだ?)

「あれこないだこれでいいっつってたじゃん。」

  (え~?この間これでいいって言ってたじゃないの。)

「だれんそんなことゆったよを。いっちゃいんにい。」

  (誰がそんなこといったんだ。言ってないよ。)

「覚えちゃいんだ?ゆったじゃん食欲ないで暫くそうめんばっかにしてって。」

  (覚えてないの?言ったでしょうが。食欲ないから暫くはずうっとそうめんにしてくれって。)

「いつの話ししてるだあ夏のこんじゃんかあそれ。」

  (いつの話ししてるんだよ。夏のことじゃないかそれは。)

音声はこちら

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