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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

がんこ

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がんこ

凄いとか大層とかかなりとかとんでもないとかいった意味で使われる。

「や、がんこ人いるじゃん。」

  (うわあ凄く人が沢山居るじゃないか。)

「ほんとだ、がんこだやあ。」

  (本当だ凄いなあ。)

「がんこ」はおそらく「頑固」と書くのだろうな。

しかし辞書にある頑固は

「がんこ」他人がどういう事を言おうと、自分が一度正しいと思ったことを変えない様子。
とある。遠州弁で使われる「凄い」という意味は全くなさそうで共通語の頑固とは別物のように思えてしまう。

ネットの辞書では上記の意味の他に、病気などがなかなか治らない事・様。とある。

共通語で「頑固な咳」と言うと「なかなか治らない咳」ということになるのであろうか。遠州弁的解釈だと「この人大丈夫かなと心配に思っちゃう程の咳」ということになる。大層違うものだ。

「すごい」という意味使いでは他に「ばか」・「ど」・「えらい」が遠州弁ではよく使われるがそれぞれニュアンスが違うので置き換えると意図が誤って伝わることとなりやすい。

例文を他の表現に置き換えてみる。

「がんこ」を使った場合は驚きとか呆れるといった勢いとなるものだが

「ばか」の場合。嫌になるほどという勢いとなる。

「や、ばか人いるじゃん。」

  (うわあ嫌になるほど人が居るなあ。)

「ほんとだ、ばかだやあ」という言い方は存在しない。こういう場合は「ほんとだ、ばかいるやあ。」とかになる。

「ど」の場合。

「や、ど人いるじゃん。」まずこうは言わない。こういう場合は「や、どがんこ人いるじゃん。」となるのが普通。「や、なんでえ人どいる」というのも普通はしない表現。

「ほんとだ。どだやあ。」これは完全に無い。「ホントだどがんこいるじゃん」と反復して返すのが普通であろう。
「ど」はこの場合単に凄いを強調するものとなる。

「えらい」の場合。滅入るとか参ったなあみたいな勢いとなる。

「や、えらい人いるじゃん。」

  (うわあ凄い数の人が居るじゃないか。)


「ほんとだ、えらいだやあ。」この言い方も存在しない。「ほんとだ、えらい人だやあ。」と普通はなる。

元に戻って「とんでもない」という意味使いでの例文

「あいつがんこだにい。」

  (あいつはとんでもない奴だよ。)

「なにがあ。」

  (どうして?何があった?)

「こないださあ。一回こっきりつかみ取りっつうの一緒にやり行っただけどやあ。根がごうつくだか知らんが気い済むまで何度もやり直すもんだで後ろだあだあに並んじゃって店の人にど渋い顔されて往生こいただよを。一緒にいていづようなかったわあ。」

  (この間ね。チャンスは一度きりというつかみ取りのイベントに一緒に行ったんだけどさあ。性根が強欲らしくて自分が納得いくまで何回も握り直ししてたものだから後ろの列が物凄く並んじゃって。店の人に苦虫噛み潰したような顔されて身の置き場がなかったよ。)

「周り見れんだけだらあ。後ろの迷惑なんざとんじゃかねえだらなあ。」

  (そこしか眼中にないんだろうな。後ろの迷惑なんて考えてもいないんだろうな。)

「に、したってやあ。はあええらあっつう風にさりげなくゆっただに聞く耳もたんだもん。勘弁してくれだよ。」

  (それにしてもそれくらいでもういいだろって感じでさりげなく注意したのに聞く耳持たなくてさ。本当に参ったよ。)

「でどうしたよを。」

  (それでどうしたの?)

「はあついてけんでうっちゃってきた。」

  (もう付き合ってられないんで見捨てて先に帰った。)

音声はこちら

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