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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

こく

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こく

「なにょうこく」→「何を言う」

「調子こく」→「調子に乗る」

「往生こく」→「難儀する」

「ええ歳こいて」→「いい歳して」

「やっきりこく」→「頭にくる」

「屁えこく」→「屁を放つ」(ネットの辞書だと「放く」と書く「こく」がこれにあたるそうな)

他にも色々ありますがキリがないのでこの辺でという「こく」。

辞書によると、俗語・やたらにすべきことでないことを、はばかりも無く人前でする。とある。ひらがな表記で漢字は当てられていない。相当に遠州弁の使い方とは違うものである。

それがネットの辞書では「放く」(こく)と漢字が当てられていて、言う・する・出す・たれる・ひるなどを卑しめて言う表現だそうな。多少なりとも昭和の辞書よりかは近いものであるが、遠州弁での「こく」の使い方の全てが辞書の「放く」の説明の枠に収まっているのかというとそうでもなさそうである。

確かにぞんざいな物言いではあるが決して横柄な意図はなく、どちらかといえば人同士が接していく上で頭(理屈)によるものでない素(人間臭さ)な動作に対して使う言葉であるような気がする。遠州弁の「こく」はそういう使い方をしているのではないか。遠州では男女共用で使われる。

「こく」・「こいた」という言い方自体は全国的に広がるものであるがその使い方に関しては地域性があって、それは遠州人の感覚とは大分異なるもののようであり外に出た時には封印した方がよさそうな事は確かであるが、逆に他所の人が遠州に来た際には「お下品」とか「卑しめ」のニュアンスはさらさら無い事を理解しておかないと誤解を招くことであろう。

例文

「あんたええ歳こいてなに調子こいてるよを。」

「なにょうこくだあ。まだ若いわあ。その言い方やっきりこくなあやあ。」

「気持ちだけ若いつもりでいても体は正直だにい。張り切り過ぎて腰おやいたりして後で往生こいても知らんにい。」

例文2

「こないだあ、街歩ってたらさあ、馬鹿久し振りにAに出っくわしちゃってビックリしたわ。」

  (この間、街を歩いていたら凄く久し振りにAにばったり会って驚いたよ。)

「こないだって、いつん話しだ。」

  (この間って、いつごろの話?)

「先週かな?」

「冗談こいてちゃかんて、空似だら。」

  (冗談を言わないでよ。他人の空似でしょう。)

「ふんだだこたあないって!あれ絶対Aだったって。」

  (そんなことはないよ。あれは絶対にAだったよ。)

「嘘こけ、じゃ声卦けてみただか?」

  (嘘をつくなよ、それじゃあ声を掛けてみたのか)

「おお、声掛けたよお。ほいたら、なんだこいつって顔していっちまい

やがったけどやあ。でも間違いないって。」

 うん、声掛けたよ。そうしたらなんだこいつって顔していってしまった

けど、でも間違いないって。)

「そんな筈ぁあるわけないって、見間違いだって。」

「なにょうこくだ。見間違うわけないじゃん。」

  (なにをいうか、見間違える訳がないって。)

「だって、はあ去年死んどるだにい事故でえ。知らんだか?」

  (だって、もう去年事故で亡くなってるんだよ。知らないのか?)

例文音声はこちら

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