忍者ブログ

遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

こりた

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コメント

ただいまコメントを受けつけておりません。

こりた

「こりた」。漢字にすれば「懲りた」。
共通語で遠州弁でもなんでもないのだが、ニュアンスがちょっと辞書にあるのと違うかなと思えて記載。

使い方は例えば「昨日はがんここりたやあ。」、

なんと言ってるかというと「昨日はとても参っちゃったよ。」と言っている。

言葉を置き換えるなら「こりた」=「参った」もしくは「嫌になっちゃう」となろうか。

この「こりた」、辞書によればその意は

こりる(懲りる)自動詞上一段活用、ひどい目に会ったために、二度と繰り返すまいという気持ちになる。とある。

共通語では反省・教訓の要素が含まれる感じであるが遠州弁で使われる「こりた」にはひどい目に会って閉口したという意識であって、二度と繰り返したくは「ない」であるが繰り返す「まい」という決意ではないという違いがある。

つまり今後も起きうるかも知れないといったどうしようもない、避けようもない偶発的な事に対しても「こりた」を使うというのが遠州弁である。

置き換えで「参った」を使ったが、ニュアンス的には「いやな事があった」・「疲れた」・「苦労した」とかに置き換えてもおかしくは無い。したがって前の日に「こりたやあ」と言っててまた今日も同じような理由で「まただよ、ホントこりちゃうやあ」とか言っても「おめえは懲りる(教訓とする)ということを知らないのか?」とたしなめられる事はない。「そりゃ大変だったの」と慰められるのが常であろう。

ちなみにこのニュアンスでの使い方は「こりた」・「こりちゃう」に限ってのもので、「こりる」・「こりて」とかいうのは共通語及び辞書にあるのと同様に「二度としない」というニュアンスで使われる。

無論「はあこりたでいいや」(もう懲りたから遠慮する)といった辞書の意の通りの使い方もするものである。

この変形といえるかどうかは定かではないが

「こりはてる」という言い方が存在する。

(定かでない理由は「困り果てる」の変形かもしれないので。)

この「こりはてる」。ニュアンスとしては嫌になる程参ったというもので置き換えれば「最低」・「最悪」ってところか。

似たような言い回しで「えらかった」というのがあるが、「こりた」との違いは「えらい」の方がより精神的か肉体的に堪えたという勢いが強く疲労の具合が増すものであり、まだそれを引きずっている気配もある。
「こりた」の方は発してる時点ではもうすでに復活してる(元に戻ってる)勢いでもう済んだことという切り替えができている感じが強いものである。

PR

コメント

プロフィール

HN:
はちまん
性別:
非公開

P R

フリーエリア

忍者カウンター