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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

ずる

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ずる

漢字にすれば「摺る」となるのであろうか

「引き摺る」(ひきずる)を略して言っていると思われる。

辞書を引くと「摺る」にはこういう意味は無いようなので方言もしくは俗語ということになるのであろうか。遠州独特かどうかは定かではない。

言い方は「ずり」・「ずる」・「ずれ」・「ずって」・「ずった」

「ずり」の使い方例は「その石左にずりない。」(その石を左にずらしなよ。)

「ずる」は「この石ずるでねえ。」(この石をずらすからね。)

「ずれ」は「その石ずれば済むこんじゃん。」(その石を引き摺って動かせば済む事だろうに。)「ずりゃあ」も同じ。

もうひとつは「やあそこんさあの石ずれやあ。」(なあ、そこの石を動かせよな。)

「ずった」は「誰んずったよを。」(誰が動かしたんだよ一体。)

「引き摺る」という行為そのものを指す以外にも引き摺って「移動させた」・「動かす」という意味で使われることも多々ある。「ずらす」とごちゃまぜになっているという考え方もできようか。

「引いて」摺るだけでなく「押して」摺る事も指す。

重い等で持ち上げられなくて引き摺るというだけでなく、面倒がって持ち上げずに引き摺って手元に寄せるズボラな行為にも使われる。逆に手元から遠ざける際に「ずる」を使うというのは聞かないので無いと思われる。

それ以外には、例えば車の腹が地面とかに擦った場合、軽度なものは「地面すった」で重度なものは「地面ずった」と言ったりすることもある。まあこれは「こする」の意の「擦る」という方であって「摺る」の「ずる」とは別物であろうが。

つまり遠州弁での「ずる」は

「ひきずる」・「ずらす」・「こする」が混在した言葉といったところであろうか。

例文
「おい、そこんさあの取って。」

   (ねえ、そこにあるの取って。)

「めんどっちいなあやあ、自分でとりゃいいじゃん。」

   (めんどくさいなあ。自分で取ればいいだろうが。)

「あんたんすぐそばにあるじゃん。」

   (あんたのすぐそばにあるでしょうが。)

「しょんねえなあ。・・・・・ほれ。」

   (めんどくさいなあ。・・・・。ほら。)

「横着してずっちゃかん。傷むじゃんかあ。」

   (横着してずり寄せちゃダメ。傷むでしょうに。)

「とんじゃかねえら。文句ゆうなら自分でやれっつうの。」

   (かまやしないわ。文句言うんなら自分でやれってえの。)

例文音声はこちら

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