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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

そんかわし

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そんかわし

「その代わりに」が変化したもの。標準語ではないがどこでも使ってる方言(?)。遠州でも使っているということで。説明は短いけど、そんかわし例文長めで。

けっして「損をかわしてる」とかいう意味ではない。

例文 とある幼い姉妹のおやつ時の会話

「あっちゃんにさあこれあげる。そんかわしそれちょうらい。ええら?」

  (あっちゃんにこれあげる。そのかわりにそれ頂戴。いいでしょ?)

「なにそれ?これ欲しかったんなら、最初っからそおいやあいいじゃん。」

  (なんで?これが欲しかったんなら、選ぶ時にそう言いなさいよ。)

「だってえ、どっちにしょうか悩んどったら、あっちゃんあっちゅう間に決めちゃうだもん。しょんないら。」

  (だってどっちにしようか悩んでたら、あっちゃんがあっという間に決めちゃったんだもの。しょうがないでしょ。)

「なに言ってるよをはあ遅いしい。口つけちゃっただもーん。替えれんよを。」

  (えーもう遅いよ。口つけちゃったよーだ。もう替えられないよ。)

泣き出す妹。泣き声を聞いてとんでくる母親。(とんでくるというのは駆けつけるという意味)

「もうほんとにい。あっちゃんなにやったよを。あんたお姉ちゃんだら?もを、ちゃんと妹の面倒見んとかんだにい。」

  (ほらあ、あっちゃんなにしたの。お姉ちゃんでしょ?ちゃんと妹の面倒見ないと駄目でしょうに。)

「だってえ、この子しょろしょろしとってどっちにするだか選べれんだもん。だもんで先にとったらやっぱそっちの方がいいだなんてゆうだもん。」

  (だってのろのろとどっちにするのかずっと悩んでるんだもん。待ってられないから先に選んだら、やっぱりそっちの方が良かったって言うんだもの。)

「替えてやりゃあええじゃん。そんくらい。お姉ちゃんだでしにゃかんだにぃ。」

  (替えてあげればいいでしょう。お姉ちゃんなんだからそれくらいしてあげなさいよ。)

「だってえ・・・・・」

例文音声はこちら

その後、当然お姉ちゃんも泣き出すという光景になる。あっちゃんにしてみれば妹が生まれてからずっと続いてる矛盾だらけの悔し涙である。妹は泣けばなんとかなると思ってる計算された涙で、お母さんはもうどうせえっちゅう(どうすりゃいいのよ)育児ストレスで泣きそうという、涙涙の感動も終わりも無い永遠に続くドラマ。

だからといって避けてしまったら子供は我慢にも理不尽にも堪えられないとんでもない我儘な大人に育ってしまう。そんかわしきっちし兄弟姉妹の荒波を乗り切った人間は一人っ子よりも強く逞しく育つもんであろうや。 

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