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遠州弁の箱

遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります

ひつこい

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ひつこい

「しつこい」の「し」が「ひ」に訛った表現。個人差があるので遠州人が皆そう言ってる訳ではない。

共通語だけれど「こい・こく」とつながると遠州弁っぽくなる表現である。

個人的な解釈であるが、この表現の便利なところは「執拗に」(しつように)の「執こい」が「ひつように」(必要に)の「必こい」とも誤って聞こえるので若干波風が穏やかになる効能があるのではないかと。

余談だが「必要に迫られる」はあるが「必要に迫る」という日本語は存在しない。「執拗に迫る」と勘違いしたものであろう。

「し」が「ひ」に変わるのと似たようなものでは「思い出して」を遠州弁だと「おもいだいて」となるのであるが、この表現だと「思い抱いて」(おもいだいて)とも解釈できなくも無い掛詞っぽくなる曖昧さがでてくる。

根拠がある訳ではないがどちらかというと遠州弁は「し」を嫌がる傾向にあるのであろうか。言ってる本人は意識していない場合が多いが「しっちゃかめっちゃか」を「ひっちゃかめっちゃか」という人もいる。さすがに「しんぶんし」を「ひんぶんひ」という人はいないが。「ヤル気出して」は「ヤル気出いて」とか言う風に「し」は「い」や「ひ」とかに変わる傾向になるのは確かであろう。「お金貸して」を「お金貸いて」とは言わないが「返して」は「かやいて」と言う。

脱線したが、「し」と「ひ」の入れ替えは江戸の言葉とは逆ともいえる。東を「しがし」とか人を「しと」とかいう言い方は遠州ではまずしない。そういう意味では関西系の表現になるのであろうか。

「ひつこい」を「ひっこい」という人は流石にいない。

例文

「馬鹿ひつこい。」

  (も~ホントしつこいんだからあ。)

「なにがあ。」

  (どうしたの?)

「聞いてやあ。あそこんさあに座ってる客。さっきいから馬鹿何回もまだでけんだかって言ってくるだにい。」

  (聞いてよ。あそこに座ってるお客。さっきから何度もまだ出来ないのかって言ってくるの。)

「注文わあ。」

  (何頼んだの?)

「○○の修理。小1時間くらい掛かりますよっつってええよっつうもんで待っててもらってるだけどやあ。5分おきくらいにまだかまだかってひつこく聞くだよ。」

  (○○の修理。小1時間程掛かりますけどって言って了承して待っててもらってるんだけど。5分おきくらいにまだかまだかってしつこく聞いてくるの。)

「やっちゃおれんの。」

  (やってられないね。)

「だらあ?おこらんだけましだけど。なんしょひつこいだよ。」

     (だろう?怒り出さないだけましなんだけど。とにかくしつこい。)

例文音声はこちら

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