遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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大雑把に訳すとなると「ほいでもねえ」→「ほんでもねえ」→「そんでもねえ」→「それでもねえ」という流れになるだろうか。遠州弁独特という訳でもなかろうが日常よく使われる言い回しであることは確かであろう。
しかしながら「ほいでもねえ」と「ほんでもねえ」とではそのニュアンスが異なる。必ずしもこうなるというものではないが一例としてのニュアンスの違いを挙げると
「ほいでもねえあんた」(そうだけどねえあなた)もしくは(そうはいってもねえ)
取り方は二通りあって、まずはやんわりと(訊いてるふり)ではあるが実のところは訊く耳持たない風な突き放し。きつくな場合は「しいらんやあ」とかが使われる。
もうひとつには歯に物が挟まったような納得してない感が漂う。悟らせるというか自分で気づかせようとあえて明確に言わないという場合にも用いられる。
どちらも一度発言を飲み込んでから発するような印象は与える。
「ほんでもねえあんた」(そうはいうけどねえあなた)
否定・打消しという勢いではないがきっぱりと反論はしている勢いとなる。人の話しを聞きなさいよというニュアンスも多分に加味されている。より強力にしたいなら「なにゆってるよを」。
こちらも話しは一応聞いているが場合によっては発言を飲み込むことなく発する場合がある。
相手の話しの腰を折って発する場合には「ほんでも」という事が多く「ほいでも」の場合は相手の発言は最後まで聞いてからという事が多い。
なお、うちの集落では基本「ほい」は女性言葉である。他の言い方は
「ほいだってねえ」・「ほんだってねえ」。「だ」を「た」とする場合もある。
男表現にしたい場合には
「そんでもやあ」・「そんでもなあ」・「つったってやあ」・「ほんだってなあ」
とかになろうか。どれも色々バリエーションがあるのであくまで一部であってこれだけではない。
ちなみに「そいでもねえ」という言い方は聞いたことがないので存在しないと思われる。
例文
「じゃあわしんこれとこれ持つであんたそっちの方頼むにい。」
(じゃあ私がこれとこれを持つからあなたはそっちの方をお願いね。)
「ほんでもねえ。わしじゃこれまるさら持ちおせんよを。」
(頼むって言われても私これを全部なんて持ちきれないよ。)
「なにも一辺でなくても分けて持ちゃあいいじゃん。」
(なにも一度に全部でなくても分けて持つようにすればいいじゃないの。)
「え~めんどくさい。一度で済ませたいやあ。」
「ほいだって持ってかにゃしょんないだでやるしかありもしん。なんだったら替えるけ?」
(そんなこと言っても持っていかなきゃしょうがないんだからやるしかないでしょう。なんだったら持つのを交換してみる?)
「いやそれは勘弁。」
「だらあ?だでぶ~たれてんでちゃっちゃとやるかあ。」
(でしょう?だから文句言ってないでさっさとやろうよ。)