遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「ええころかげん」いい加減・あやふやという意味で使われる。
勿論、「ええ加減」という使い方もあるが、「ええ加減にせろ!」(いい加減にしなさい!)を「ええころ加減にせろ!」というような表現はしないので、微妙に異なる。
「ええ加減」だと(どうでもいい・気持ちが入っていない)という意味を含むが、「ええころ加減」の場合はさじ加減や判断が甘い的な意味合いの方が強い。
「ええ加減」の強調形は「どいい加減・馬鹿ええ加減」となるが、「ええころ加減」の強調形は記憶にございません。しいて挙げれば「馬鹿かおんしゃあ」(馬鹿かお前は)でありましょうや。
例文
勝手に早合点して、あることないこと言いふらそうとしてる者と、それを信じない者との会話。
「まあた ええころ加減なこんぬかしてえ、ほんと よをゆうわ。」
(またあ、いい加減なこと言って、良くそんな事言うよね。感心しちゃうよ。)
「うそじゃあらすかあ ほんと この目で見て来ただで うそじゃないって。」
(違うって。実際この目で見てきたんだから、嘘じゃないって。)
「ほを、ほいじゃなによを、しげさあんとこの兄さがあれか?浮気しとるってか?」
(ふーん、それじゃあなに?しげさんの兄貴が浮気してると言いたい訳?)
「そこまじゃあゆっちゃいんけど、知らん娘と歩ってたのは確かに見ただよ。えらくなかよをめえたにい。」
(そこまでは言ってないけど、知らない女の子と歩いてたのは確かに見た。とても親しげな感じに見えてたよ。)
「そりゃ おめえが知らんだけだらあ。あそこの嫁さんとこ確か姉妹ががんこおるっちゅう話しどこぞで耳にしたにい。」
(そりゃあお前が知らないだけだろう。あそこの奥さん確か姉妹がたくさんいるってどこかで聞いたぞ。)
「え?そうなの?」
「そうだよを。あんまししょおもないこんでひゃあひゃあ言ってそこらじゅうふいてまわったら迷惑んなるだもんで、ええころかげんなこん言って回っちゃかんだでえ。」
(だからあ、根も葉もない話しでそこらじゅうに言いふらしたら迷惑掛かるんだから注意しなよ。)
音声はこちら
いいのかよと言う意味。
「ええだかいやあ」(いいのかな)とは微妙に異なる。「ええだかいやあ」は幾分自問自答的なニュアンスになるが、「ええだかやあ」は相手に対していいのか?と問うているニュアンスが強くなる。
「ええだかや」は否定的で
「ええだかいやあ」は疑問を投げかけてる
という違いが出る。
例文
「ええだかやあ、勝手に入って。」
(いいのかよ、勝手に入ったりして。)
「構わすけえ。とんじゃかないわ。」
(構うもんかどうってことないよ。)
「じゃ入るけど知らんにい怒られても。」
(それじゃあ入るけど怒られてもしらないよ。)
「そんときゃわしだけ逃げるでええよ。」
(そうなったら自分だけ逃げるから気にしないで。)
「やあ馬鹿っつら。ざあけんじゃねえよ。」
(なんだよそれ!ふざけんな。)
音声はこちら
「えごえごしてる」で真っ直ぐでない・曲がりくねっているという意味合いになる。
似た意味合いの言葉で「えがむ」があり、歪む(ゆがむ)・曲がるという意味なので、これの親戚か変形と考えても罰は当たらんと思う。なので、「歪む」が訛って「えがむ」になり「えがむ」が擬音化して「えがえが」はしっくりこないので「えごえご」になったんじゃないかと勝手に想像している。
普通使われるのは、「線引き使って線引いただにえごえごになっちゃった。」(定規をあてて書いたのに何故か線がゆがんじゃった。)「あいつん家道んがんこえごえごしとるもんでなんしょ車だと行きづらいだわ。」(あいつの家に行く道、曲がりくねっててとにかく車だと入りづらいんだよ。)
音声はこちら
それ以外の使い方として
意味としては「軋む」(きしむ)。例えば本来堅いはずの床が歩いたりしたら沈むような時「床んえごえごしとる。」という風に使う。釘が外れてたり板が腐っていたりしてきっちり留まってない不安定な状態を指す。「床んえごえごしとるで、えがんでるだらあ。」となれば板が歪んでる出るんじゃないか。「床んえごえごしとるで、やごいだらあ。」となれば材質が適正でないと言っていることになる。
なお、「やごい」の部分を短縮形で「えごい」と使う人もいるが少数派であろうおそらく。普通なら「やごい」を使う。
他には下敷きを波打つようにふにゃふにゃさせて扇いで遊んでる人に向かって「なにょう下敷きえごえごさせてるだ?」(下敷きくゆらせて一体何してるんだ?)と言う風に不安定な状態だけでなく、ゆらめかせる時にも使われる場合がある。
映画のこと。発音が違うと言うことで記載。二種類の発音を使い分けてるが、ひとつはほぼ平坦なアクセントであるが強いてあげれば最後の「が」がやや強めになる。もうひとつは頭の「え」が強めになる共通語に近いアクセント。
使い分けには明確な決まりがある訳ではないし個人差があるので一概には言えないが、話しの頭に来る時は「え」が強め、話しの中とかに来る時は「が」が強めになることが多い感覚がある。
映写機とかも「ええしゃき」(アクセントは共通語と同じ)と言うし映像も「ええぞお」(これも共通語と同じ)と言う。
共通語のアクセントで「えいが」と言うと「栄華」の方をイメージする遠州人は多い。
例文
「ええがみいいかまい。」
(映画観に行こうよ。)
「なにみいいく?」
(何観に行く?)
「行って決めまい。」
(映画館行って決めようよ。)
「そんなこんゆったら混んでいんのになっちゃわへん?」
(そんなこと言ったら混んでないのにならないかい。)
「じゃどーゆうええが観たいよお。」
(ならどういう映画をを観たいの?)
「特にゃ無い。」
「じゃいいじゃんなんしょいかまい。」
(ならいいじゃんとにかく行こうよ。)
音声はこちら
辞書にもあるので共通語であろうがよく使われるので一応記載。
要は「へらへら」なのだが浮かれてる度合いの違いによって使い分けられていると説明しても撥はあたるまいて。
「へらへら」は相手から見れば許しがたい状況での緊張感のなさに対する怒りを覚えているが。
「えへらえへら」は納得いかないが多少は許せんでもない気の抜けた状態。
「へらへらしてんじゃねえよ」だと「気を緩めてるんじゃねえよ。」とか言う風になり「えへらえへらしてんじゃねえよ」だと「お楽しみはそこまでにしてそろそろ・・・」とかいったニュアンスの意味になることがある。
検索してみると「えへらえへら」おかしくもないことに締まりなく笑う様と辞書で載っていたので共通語ではあろうが遠州弁のニュアンスだと「へらへら」と「にしゃにしゃ」の中間的な使われ方をするかなということで記載。
でもあれか、「にしゃにしゃ」は喜んでる際の表現であり満面の笑みといった勢いがあり使いどころは「へらへら」・「えへらえへら」とは異なるか。
例文
「相変わらずうれしそうだのえ。」
「んなことあらすかあ。いつだって平常心だにい わし。」
「いんやあ、きんのうにしゃにしゃしとったけど今日はえへらえへらしてるわあ。やあ、何いいこんあったでえ。」
「なんもねえよ。」
「うそこけえ。」
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