遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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威張る(いばる)の訛ったもの。
広範囲において使われる訛りなのでもはや共通語といえるかもしれないが遠州でも使うよということで一応記載。
例文1
「おんしゃあなにょうえらそうこいてるだあ。」
(お前なんでそんなえらそうな口利くんだ?)
「どこがよを。別にえばるこんなんか言ってもへんにい。」
(どこがだい?別に威張るようなこと言ってないよ。)
「それっぱかやってやったくらいでそんなえばるこんゆうのいやらしいっつてんの。」
(ほんのちょっと手を貸してやったくらいで威張る事言うのがえげつないと言ってるの。)
例文2
「あいつん物言いなんかむかつくだいね。」
(あいつの言い方何故だかむかつくんだよね。)
「いいじゃんかあ今日くらい思いきっさえばらかしとっても。」
(いいじゃないの今日くらいは心行くまで威張らせといても。)
「なんでえ。誕生日かなんかけえ。」
(どうして?誕生日かなにかなの?)
「明日んなりゃ酔いも醒めるらあ。」
(明日になれば酔いも醒めるんじゃないの?)
「なにや?あいつ呑んどるだけえ。」
(なんだよあいつ酔ってるの?)
「いんやあそこまで言葉ん酔ってりゃ次の日んなりゃ後悔せるって普通なら。」
(いいや、あそこまで自分の言葉に酔いしれてりゃ次の日になれば普通は後悔するって。)
「普通かあ?あいつ。」
(普通じゃないだろあいつは。)
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いじる→いぜる→えぜると変化したもの。
「いぜる」との意味的な違いはほとんどなく地域性年齢的な要素による違いなのであろうか。
「いじくる」は「えぜくる」となる訳だがとても粗野な感じが増す勢いである。
例文
「えぜっちゃかんってっ。まだ乾いちゃいんだと。」
(さわっちゃ駄目だって。まだ乾いて無いからだって。)
「どんくらいで乾くだ?」
(どれくらいで乾くの?)
「知らすけえ。なんしょええっつわれるまでだらあ。」
(知らないよ。とにかくいいっていわれるまでだろ。)
「えぜっちゃかんつわれるとえぜりたくなるなあやあ。」
(触るなって言われると触りたくなっちゃうよなあ。)
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「馬鹿えらそうにしてたもんで医者連れてった。」
(物凄くつらそうにしてたから医者に連れて行った。)
偉ぶるとかいう意の「えらそうに」というのももちろん使うが、遠州弁では体調がすぐれない状態に見えることを指す場合も多い。
「えらそう」を「偉そう」と上記例文を解釈すると
「大変偉い方のような振る舞いしてたので医者に連れて行った。」
これでは頭がいかれてるから医者(精神科)に連れてったということになる。
もしくは「えらい」を「大変に」と解釈すると
「物凄く大変にしていたから医者に連れて行った。」
これだと救急車呼んだほうがよさそうな勢いになってしまう。ちなみに救急車呼ぶくらいの緊急性があるような場合は「えらい・えらそう」は使わず「しんどい・しんどそう」を使う事が多い。
「えらそう」を「生意気」と解釈すると
「物凄く生意気にしていたから医者に連れて行った。」
性格を直してくれる医者はいないだろうから行くとこが違うだろとなる。
「えらい」を「しんどい」ととるかどうかで上記の例文の解釈が大きく変わるところであろうが、一応辞書にも「階段の上り下りがえらい」という文例を載せているので「えらい」=「しんどい」が遠州だけという訳ではないのであるが使いどころが独特のような気がする。
(ただし遠州弁では「えらい」と「しんどい」では辛い度合いが異なって聞こえる。)
例文
「○○の奴なんかえらそうにしてたなあ。」
「なにやっ!きんのうあんだけ説教しただにしょんねえなあやあ。連れて来いやあ。」
「んじゃなくて体がえらそうっつうの。」
「あっそ。ちっと説教し過ぎただかいやあ。」
「きんのう酒がんこおそまで呑んどったらしくてさあ。」
「懲りちゃいんじゃんかあ。やっぱ説教だ。」
「やめない。説教喰らって落ち込んだのの気分転換かもしれんじゃん。」
「ちゃうだあ。二日酔いこいて仕事すんじゃねえっつって説教こいたの。」
という風に現地人でも聞き間違えはある。これを防ぐため「しんどそう」の「えらそう」は「にしてる。にしてた」を使い「生意気」の「えらそう」には「してる・してた」又は「こく・こいてる」とかを使って分けてる人が多い。もちろんこの使い分けでもどっちにでも取れるややこしさが完全に解消される訳ではないのだが。
音声はこちら
「いい加減」・「不真面目」・「口先だけ」などという意味。
遠州に限らない広い地域で使われている言葉であろうが遠州でも使うよということで記載。
でもほぼ死語に近い感じで昔は大人がよく使ってたけど最近は殆ど聞かないなあという気はする。
「かんからかん」(空き缶)という言い方と近く遠州弁っぽい感じがする。他には「すっからかん」とかがあろうか(ってこれは共通語)。
「いいからかん」という言い方をする地方もあり。ネットで調べると甲州(山梨県)・東京都西多摩郡瑞穂町・秩父・群馬・長野などなど関東甲信地域で広く使われる方言として検索でヒットする。
遠州では「いい」が「ええ」に変化して使われているということであろう。余談だが駿河でも同じような言い方をするらしい、意味も殆ど同じみたいだし。
他には「ええからべえ」という言い方も遠州にはある。「べえ」はおそらく名前の「兵衛」からきたものと想像される。こちらは「いい加減な事を言う人」といった人を指す時に使われることが多い。
「いい加減」・「ずぼら」などということであれば他には「ええころかげん」という言い方もある。
「からかん」の語源はさっぱり分からない。
例文
「明日の天気どうだかいやあ。」
「どがんこピーカンだって。」
「またええからかんなことぬかいてえ。」
「テレビでゆってたで嘘じゃないって。信じん人だやあ。」
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例えば「入れえいく」だと「入れに行く」と言う意味になる。「に」が「え」に変化しているということ。「へ」が「え」に変わったとも考えられなくも無いか。
替えるを例にすると「替ええいく」(替えに行く)。食べるだと「食べえ帰る」(食べに帰る)となる。
「に」の変化としては他に「い」があるが前の母音が「え」だと「え」になり「い」だと「い」になる事が多いがあくまで傾向であって必ずという訳ではない。
「なにしに」だと「なにしい」とも言うし「なにせい」・「なにせえ」となったりもする。「壊しい」(壊しに)・「こわせえ」。「こわせい」といった風に。
例文
「あれえ、いやへんじゃん。ねえ、あんちゃあどこ行ったか知らん?」
(あれ?お兄さんいないけどどこ行ったのか知らない?)
「ガソリンいれえいくっつって出てったにい。」
(ガソリン入れに行くって言って出てったよ。)
「ホントけえ?そこんさあにある財布あんちゃあんじゃないだけえ。」
(ほんとなの?そこにある財布ってお兄さんのじゃないの?)
「あ、そうだ。」
「金どうせるだかいねえ。」
(財布がなくても支払いできるのかなあ。)
「忘れたっつって携帯かけてよこすじゃない?」
(携帯で忘れたって連絡してくるんじゃないの?)
「携帯も横にあるじゃん。」
「ホントだ。あわっくいでホントしょんないなあやあ。」
(ホントだあ。しょうがないなあ慌て者で。)
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