遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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一杯・沢山・たんと・しこたまといった意味合い。これでもかという勢い。
共通語の「どっこらしょ」とどう関係があるのかは定かではないが、意味は全く違うので他言葉の空似の可能性が高いが、「よいしょこらしょ」を「よいしょ、これでもか(動け)」と訳すと共通性が見いだせなくもないか。
以下は勝手な推測であてずっぽうで根拠はないが、動かす・片付ける等とにかく移動させる・全部使い切るなどする際にはどっこらしょと掛け声というか勢いをつけないと減らないくらい沢山ということで「どっこらしょ」が「こらしょ」に何故か変形して使われるようになったのかもしんない。
こらしょとある。
この上をいく表現としては
「くさるけにある」(腐るほどある)・「いらんけにある」(いらないくらいにある)
と言うものがある。これに比べれば「こらしょ」は捨てるほど余分なわけではなくてただ沢山あるという表現であることが分かる・・・ような気がする。
例文
「おお風邪はあ治っただか?ま、無理しんとと言いたいとこだけど休んだ分仕事貯まってこらしょとあるでの。まあ頑張ってくれやあ。」
「ちったあ手伝ってくれるだらあ?」
「馬鹿こいちゃかん。見てみいわしの机。向こう見えんらあ。わしだっていらんけにあるだで、どこに助ける余裕なんかあるだ。」
「うう熱ん出てきた。帰っていい?」
「あまいのっ。いい訳ないらあ。なにょう寝言こいてるだあ。」
「コンサートのチケットあるだけど風邪で行けんだいね。ああ残念。」
「ほお、大丈夫けえ、無理せんでいいに。ゆってくれりゃあてんだうで。」
例文音声はこちら
今度はと言う意味。いまひとつは「(~という)ことだ」という意味。もちろん読みが同じなだけで言葉はまったくの別物。
例文1
「こないだの一発芸笑わかしてくれたじゃん。ふんでこんだなにやるでえ。」
(この間の一発芸笑っちゃったよ。それで今度はなにやるの。)
「こんだあれでえって言ったら詰まらんらあ。」
(今度はねえって言っちゃったらつまらないでしょうに。)
「ま、そりゃそうだ。」
例文2(あくまで強引な作り話です)
「やあどうゆうこんだあ。説明しとくりょお。」
(おいどういうことなんだ。説明してくれ。)
「だでさっきからゆってるじゃんかあなんべんいわしゃあ気い済むだあ。」
(だからさっきから言ってるでしょうに。何度言えば分かるんだよ。)
「なにや?こんだ逆切れか?」
(なんだ今度は逆切れかあ?)
「だもんでえ。うちは確かにぃ○○でここは上島。だけどぉおたくが言ってるは◎◎でえ浜北のほうの上島。」
「そういうこんか。」
「そういうこんだ。」
「でも同じ商売屋だら?やってくれたっていいじゃんか。」
「だからあ。うちでやると金とるにい。そんでもええのっつってるじゃん。」
「なんでだあ、まだ保障期間中だぞお。」
「はあもう何度言わしゃあ気い済むよお。店屋ん違うっつってるじゃん。」
「なんでだ、おんなしもん売ってるだら?元んおなしなら一緒だら?」
「ほいじゃなにかあんた。服ん穴あいてたっつって近くの別の店で文句ゆうだか?」
「服じゃありもしんに。」
「製造元おなしの売ってるからっつって一緒じゃないの。服と一緒。」
「どうせメーカーに修理だすだらあ。ここからやったっていいじゃんかあ。」
「電化製品じゃないだでこういうのは自分とこで普通直すの。保障してるのは◎◎っちゅう店。だもんでえそっち行ってってゆってるじゃんさっきからあ。」
「たらいまわしする気か。めんどうな客にはよお。」
「たらいまわしって、おなし店じゃないっつってるじゃんさっきから。ホント何度ゆやあ分かるよお。」
「いいでやれやあ。」
「なにがいいで。うちで直すと金とるにい。それでええなら預かるけど。」
「なんでだあ、まだ保障期間中だぞお。」
「だからあ!・・・・・・」
かくして半日潰れる作業が延々と続くのであった。
例文音声はこちら
例文の作り手としては妥協することなく追い返して欲しいと願うものである。たとえ捨て台詞を吐かれようとも。でもサービス業の発達してるとこだと明日に繋がる潜在的客として利便を図ることを善しとするんだろうなあ多分。
ことだ・ことでが訛ったもの。「と」が「ん」に変わっただけのことである。
ただし「こんだ」には「今度は」という使い方もあり、「こんで」には「来ないので」という使い方とかがあるので混同しないように注意が必要である。
ご苦労なこんで・奇特なこんで・迷惑なこんだ・余計なこんだ
関東とかでは「こって」という表現になるのだろうか。
広範囲に広がる言葉なので遠州弁ということでは特にないのだが、他の地域よりも頻繁に使われる表現であると思われる。
例文1
「それっぱかなこんでいちいち大声だして呼ぶなやー。」
(それくらいのことでいちいち大声出して呼ぶんじゃない。)
「~なことだよな」と言う場合には「~でえの・~なこんだの」とかが使われる。
例文2
A「・・・・・・・だっただよー。」
(・・・・ということだったんだよ。)
B「そりゃまた大変なこんでえの。」
(それはまた大変なことだよね。)
C「こんだなによおなにしたよお。」
(今度は一体なにやらかしたの。)
例文3
「大切なこんだでよお聞きなよ。」
(大切な事だからようく聞きなよ。)
「なによお大切なこんて。」
(大切な事って?)
「明日は雨だで傘忘れんよーにね。」
「それんどこん大切よお。迎えんきてくれりゃあ済むこんじゃんか。」
(それの何処が大切なの?迎えに来てくれれば済む事じゃないの。)
「迎ええ行くのがめんどいのっ。だで幾ら待っても誰もこんで。ね。」
(迎えに行くのが面倒なのっ。だから幾ら待っても誰も来ないからね。)
「ああそおけえ。」
(ああそうかい。)
例文音声はこちら
バイクの50cc原付のことをこう呼ぶ場合がある。
50を「ごじゅう」と呼ぶべきものが「ごんじゅう」と呼んでいるというお話しである。スクーターであろうがバイクであろうが「ごんじゅう」と呼びたい人は車種に関係なくそう呼ぶ。
例文
「どっから通ってるよお。」
(どこから通勤しているんだい?)
「○○から。」
「ほいじゃ通勤時間がんこだらあ。」
(それじゃあ通勤時間が結構かかるんだろうに。)
「そんなこたあないよぉ。がんこ遠くありもしんに。」
(それほどでもないですよそんな遠い距離じゃあないでしょうが。)
「でもいつも馬鹿混みじゃんあそこ。」
(距離はなくてもあそこは道路がいつも渋滞してるじゃないか。)
「ごんじゅうで通ってるもんですり抜けしてこれるもんでとんじゃかないだわ。」
(50ccで通ってますのですり抜け出来るのでたいしたことないですよ。)
「おんめえそれって正しい交通ルールっつえるだ?」
(君ねえそれって正しい交通ルールと言える?)
「ほいじゃ裏道ぶんぶんで来れるもんでっつうこんで。」
(それなら裏道すいすいで通って来れるからということで。)
「うそくさいやあ。」
(説得力ないなあ。)
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こしらえると言う意味。こさえるはこしらえるの俗語でこしらえるとは作るとかいう意味。作るをなんでもかんでも「こさう」と言うわけではないが結構使う表現ではある。
例文1
「あそこんさあ頭おもいっきしぶつけるとどうなるだ?」
(あそこに頭を思い切りぶつけたらどうなると思う?)
「たんこぶこさうだ?」
(たんこぶが出来るんじゃないの?)
「目ん玉から火がでるだあれ。」
(目から火が出るのさ。)
「だでなによお。」
(だからなに?)
「いや、注意せよっちゅうこん言いたいだよお。」
(いやね、注意した方がいいよと言いたかっただけ。)
例文2
「あそこの畑でなにこさえてるよお。」
(あそこの畑でなに栽培してるの?)
「うちで食うもんをねちょびちょびっつ。」
(家で食べるものを少しづつね。)
「じゃねぎとかもこさうう。」
(じゃあねぎとかも作ってるんだあ。)
「まあの。商売もんじゃないだで見た目美味かぁめえんけどやあ。」
(まあね。商売用じゃないから見た目は美味そうじゃないけどね。)
例文音声はこちら