遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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共通語の犬ころとかあんころ餅とかの意味使いの「ころ」もあるが、「ころ」だけで言った場合一般的にはキャスターの回転部分とか台車とかの車輪などタイヤとは呼ばない物を指す。それと遠州ではそれ以外に自転車の補助輪のことを特に指す場合がある。
「ころつき」となれば三輪車の次に乗る補助輪付自転車のことを指す。
「ころ」はころころ転がるの「ころ」。ころころという擬音から「ころ」になったのか転がるから「ころ」になったのかは定かではない。
古い辞書によると「ころ」、重いものを移動させる際の下に入れて転がすための棒。となっている。したがって遠州で言う「ころ」と共通語の「ころ」は異なるということが言える。
例文1
「この椅子どうもギスギス音するだよ。」
「油差しときゃ音んけえるらあ。」
「こないだ差いたけど変わりゃあせんくて音んでるだよ。」
「どれ、みしてみっせえ。ああこりゃころんとこのベアリング無くなってるだあ。」
「ベアリングってちっこい玉の奴う?」
「そうそれ。だもんでころん向き変わらんくてギーコギーコゆうだあれ。」
例文2
「おとうちゃん。自転車のころはずいて。」
「なんでえはあ無くても乗れるようになっただ?」
「いんやあ。」
「じゃなんで取るよお。」
「はあ大人んならにゃかんもんで。」
例文音声はこちら
捏ねる(こねる)・捏ねまわすの俗語的表現ということで方言ではないのだが、古い表現なので全国的にはもうあまり使われていないであろうが、遠州では普通に現役として生きている表現である。
なので、「こねる」と「こねくる」にあまり違いはないように思える。
似たような表現に「いじくる・いじくりまわす」というものがあるが、どっちにせよ上品とはいいがたい表現であろうな。
例文
「この知恵の輪難しいわあ。解けやせん。」
「そんなもんこねくりまわしゃあとれるらあ。」
「そうゆうの知恵とは言わんだにい。」
「はずれんくてやっきりこいたまんまよりかはずっかええらあ。」
(はずれなくてイラついたままよりはずっといいんじゃないの?)
例文音声はこちら
「やわこく・やわこい」(柔らかく・柔らかい)
「けっこく・けっこい」(綺麗に・綺麗)
「ひゃっこく・ひゃっこい」(冷たく・冷たい)
「ぼっこい・ぼっこく」(ぼろい・ぼろく)
共通語のひつこい・ひつこくと同じような使い方なのだが遠州弁ではこの使いどころが共通語よりも頻繁であるということ。
例文1
「魚ちゃんと煮てぇ、やわこくしんと喰えたもんじゃないにい。」
「どんくらいよを。けっこうにしんとかんだけ?」
「だからっつって煮過ぎて焦がいたり身い溶かいたら話しんならんけど加減っつうもんあんた知らんの。」
例文2
「じきんお客さん来るで、部屋とかけっこくしてみばよくしときなよ。」
「今で十分けっこいって。」
「お茶は、今日暑いで麦茶にせまい。ひゃっこくしといてよ。」
「はあ大分前に冷蔵庫で冷やかいてあるでひゃっこいよ。ただなあ。」
「ただなによ。」
「椅子んぼっこいでお客さん座ったらぎしぎし音んするだけど。」
「そりゃしょんないの。」
例文音声はこちら
ご馳走と言う意味。特に遠州弁だとは思わないが一応記載。
ごっつぉさん・ごっつぉになると言った風に使う。
感覚的には「ぉ」ではなく「を」の小文字のほうが発音としては近いのだが字がないのでこれを使用した。
余談だが「ごつい」と言う言葉を「ごっつう」とかでは遠州では言わない。こういう表現をしたらこの人関西の人?と判断される。遠州では「ごつい」は「いかつい」とか「ごつごつした」とかいうニュアンスで解釈されるが関西的な意味の「ごっつう」は遠州弁だと「がんこ」が近いニュアンスとなる。
例文
「はよ終わらまいやあ。」
(早く終わろうよ。)
「なにょせいてるだあ。」
(なにそんな急いでるんだ?)
「ちゃっと帰らんとごっつぉにありつけんで。」
(直ぐ帰らないとご馳走がなくなっちゃうから。)
「どうせいつもうまいもん食ってるだらあ?別に今日が特別っちゅう訳じゃないらあ。」
(いつも美味しい物食べてるんだろ?特に今日が特別って訳でもないだろうが。)
「今日姉さんらん来くさるもんでやあ。寿司ん取るっちゅうこんなってるだあ。で、ほんと遅れると食うもんないだよ。がきんちょたんと連れて来すもんで。」
(今日は姉達が来やがるものだから寿司を取ることになってるんだ。それで姉の家族子供が多いものだから遅れようなものなら本当になにも残ってないんだ。)
例文音声はこちら
「こんな少し」・「この程度」・「これしき」などということになろうか。
「これっぱか貰ったって嬉しかない」
(こんな少し貰ったって嬉しくない)
「ちっとばか」は「こんな少し」・「これくらい」・「些細な」などというもので「これっぱか」と似ているが
「ちっとばか貰ったって嬉しかない」
(少し貰ったくらいじゃ嬉しくない)
といったようにニュアンスが変わるし、使いどころも異なる。
どちらにも共通しているのは、十分ではないという意識というところであろうか。
例文
「やあ、さっきいすっころんでひざ擦りむいたとこどいてえやあ。」
(あ~もう、さっき転んでひざ擦りむいたところが凄く痛むよう。)
「なにい見せてみい。ってこれっぱかどうってことないじゃん。」
(どれ見せてみなよ。って大した傷じゃないじゃないか。)
「なにゆってるよを、痛いもんは痛いのっ。」
(そんなことない、痛いものは痛いのっ。)
「あんたねえ、ちっとばかのこんでひゃあひゃあゆっちゃかんて。」
(あのねえ、ちょっとのことを大袈裟に言うんじゃないよ。)
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