遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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共通語だと「とろとろ・もさもさ・ぐずぐず」辺りが近いニュアンスになる。うろちょろというニュアンスもある。「ちょろちょろ」もニュアンスありかもしれないが「ちょこちょこ・ちょこまか」はなし。
ちなみに遠州人は方言だとは露ほどにも思っていない。私もそう思っているこれは全国共通だと。「しょろしょろしとるとぶっさぐるにい」とかになればこれは遠州弁丸出しだというのは自覚してるが。
例文
A「やあ、しょろしょろしとらんでちったあ手え動かせやあ。」
(おい!うろちょろしてないで手を動かせよ。)
B「なにやってええだかわからんだらあ。」
(なにしていいのか分からないんじゃないの?)
A「見てりゃなにせりゃいいかぐらい分かるらあ。甘やかいちゃかん。」
(見てればなにすればいいのかくらい分かるだろう。甘やかしちゃいかん。)
C「いやあわし客だけど一応。」
(あのう自分一応客なんですけど。)
A「だでなんでえ、ふんぞりかあってちゃかん。てめえのもんてめえでなぶらんで愛着湧くだか?」
(だからなに?ふんぞり返ってちゃ駄目だよ。自分の物を自分でいじらないで愛着なんか湧くのかい?)
B「わりいね。うちこおゆう店だで。」
(悪いね、うちはこういう店だから。)
例文音声はこちら
多少誇張はあるが、実際に昔のバイク屋さんでこういう雰囲気のお店に客として世話になったことがある。一理あるが怖かった。でも勉強には確かになった。さすがに「しょろしょろしとるとぶっさぐるぞ。」(とろとろやってたらぶん殴るぞ。)とか言われるようなことはなかったがやっぱびびりはあった。でもやっぱ勉強にはなった。今思うと自分の無知ゆえに周りのレベルについていけなくて自分自身がこの輪の中にいていいのかとびびっていたのかもしれないと思えてくる。
「舌べろ」こう言うのは遠州弁だそうな。あったりまえに使っているので方言なぞとは露知らず。
普通は「舌」か「べろ」のどっちかだそうで両方一辺に使うのが方言なんだそうな。
だけどお医者さん行って「しただして。」と言われたら間違ってズボン下ろしたりしてしまう勘違いなんか起きないんだろうか。(冗句です)
「したべろ」と言う以外にも「したべら」と言う所もある。
例文
「カキ氷かっこんだら頭キーンとしてきた。」
(カキ氷一気に食べたら頭がキーンとなった。)
「舌べろだいてみい。色んついてるにい。」
(舌だしてみなよ。舌に色ついてるから。)
「シロップのけえ。」
(シロップの色が?)
「あはっ したべろきいなくなってるわあ。」
例文音声はこちら
してやがると言う意味。勝手にやりゃあがってとかいうニュアンスになることが多い。「くさる」という表現が味噌。
「する」の他には「やる」で「やりくさる」・「持つ」で「もちくさる」とかがある。
「しいくさる」と「い」をつける言い方もあるが意味的には変わらない。筈。
「し」(する)の代わりに「やる」だと「やりくさる」となる。
「する」を「せる」と訛る遠州弁ではあるが「せくさる」という表現はしない。
「けつかる」という似た表現もあるがいずれも遠州独特の表現ということではなさそうだ。分布については良く分からないがネットでは不敬語・侮辱語とかいうジャンルで関西方面の表現として載ってることが多く見られる。
遠州では知己でない他人に使えば度が過ぎた不敬言葉であるが。仲のよい人とかに直接浴びせれば強度の親愛の情表現として使われるが本人の居ないところで発した場合は強烈な陰口の表現になる。
「なにをしやがる」を遠州弁にすると「なにしくさる」となるのだが、「けつかる」を使う場合は「なにしてけつかる」(なにをやっているんだ)という風になる。けっして「なにけつかる」という表現にはならない。
「買う」の場合だと「かいくさる」(買やあがんの)・「かってけつかる」(買っちまいやがんの)という風になる。
「くさる」も「けつかる」どちらも汚い表現であることに変わりは無いのだが、「なにしてやがる」と「なにやってんだ」という違いの比較から考えると多少「けつかる」のほうが柔らかいということになるのだろうか。どちらもいちゃもんつけてる(ちょっかい出してる)ことには変わりはない。
では、合体して「なにしくさってけつかる」という表現が存在するかというと、頭で考えると在りうるのだが、実際そう言ってるかと思い起すとそこまでご丁寧に罵倒表現するのは余程のことでない限り出てこない表現ではあろう。「しくさって」が簡略されて「して」になって「してけつかる」になったという下衆の勘繰りも出来そうである。
ということは「なにしくさってけつかる」は「なにしてやがっていやがるんだ」と訳すことになるのであろうか。
例文
「やあ。なにしてけつかるだあ。」
(ねえ、なにしてんの?)
「見りゃ分かるらあ。今忙しいだでちゃちゃ入れるなやあ。」
(見ればわかるだろ。今忙しいんだから静かにして。)
「まあた訳わからんこんしくさってえ。見て分からんもんで聞いてるじゃんかあ。」
(なんか理解不能なことしてるじゃないか。見ても分からないから聞いてるの。)
「もお邪魔せるじゃないっつうのっ!もこお行ってろって。」
(もう。邪魔しないでくれよ。頼むから向こう行ってて。)
「あ~わしはぶせにせるだ?随分じゃん。ならいいよもう帰るで。」
(あー。仲間はずれにするんだ。じゃいいよもう帰るから。)
「やあ馬鹿っつらあ。ひゃあひゃあ言うもんで間違えたじゃんかあ。」
(も~!!ごちゃごちゃぬかすから間違えちゃったじゃないかあ。)
「ごめんなんしょ。で、なに?」
(ごめんよ。それでなにしてたの?)
「ちょっとこっちきい。ぶっさぐってええ?」
(ちょっとこっち来な。殴っていいか?)
例文音声はこちら
知らなかったと言う意味。気づかなかったというニュアンスで使う場合もある。
まあ共通語の範疇であろうが以下のごとく変形すると方言らしくなる言葉と思い記載。
共通語では老人語的な印象であろうが遠州では世代関係なく使われている点が特徴か。
「知らなかったのか」は「知らなんだだ?」と表現する。
「しらんだ?」だと「知らないのか」という意味になる。
どちらも「しらなんだだけえ」・「しらんだけえ?」もしくは「しらなんだだあ」・「しらんだあ」を略した形と想像される。ただし「だあ」よりは弱めのニュアンスにはなるので「だあ」の略という考えは説得力に乏しい。どちらもあくまで想像であり根拠は無いのであしからず。
普通の使い方は「ああしらなんだ」(ああ気が付かなかった)という使い方や「あんたしらなんだじゃ済まんだにい」(あのねえ知らなかったじゃ済まされないんだよ)とかいった使い方をする。
例文
「さっきいうちんとこのがきんちょこっち歩いてこんかった?」
(さっきうちの子供こっちに歩いてこなかったかい。)
「いやあ。見なんだ。来ただ?」
(いや見なかったなあ。来たの?)
「来た筈だけえがいやせんだよ。どこん逃げくさっただかいやあ。」
(来た筈なんだけどね。どこへ逃げやがったのかなあ。)
「なんか悪さしたあ。」
(なんか悪いことしたのかい。)
「いんやあ使い頼ますかと思ってえ。」
(いやそうじゃなくてお使い頼もうかと思ってたんだけど。)
「察してとんずらこいただか。頭いいじゃん。」
(察知して逃亡したのか。なかなか賢いじゃないか。)
「こすいだけでえ。誰に似ただか。」
(ずるがしこいだけだよ。誰に似たやら。)
「おめえにだら。」
(君にだろ。)
「失礼しちゃうやあ。」
(随分じゃないか。)
「あれ知らなんだだ?みんなよう似とるっつってるにい。」
(おや知らないの?皆よく似てるって言ってるよ。)
例文音声はこちら
名古屋的な物言いという感じもするが遠州でも使うよという事で。
「しようよ」とか「してよ」という意味と、「しなかろう」という意味とふたとおりある。もちろん言い方が同じなだけで言葉そのものは異なるものである。
A「頼むでそうしよまい」(頼むからからそうしようよ)
これは「やらまいか」でお馴染みの「まい」の使い方。普通よく使う「そうせまい」・「そうしまい」(そうするか)とかよりも「そうしよまい」(そうしようよ)の方が柔らかい懇願風の表現になる。
B「そうしようがしよまいが関係ありもしんに」(そうしようがしなかろうが関係ないだろう)
これは「二度とやるまいと誓った」と言った風な共通語の使い方と同じ。ただ使い場所が共通語では使わないところで使う又は「よ」が入るということであろうか。
この聞き分け使い分けの聞き取り方は、話の流れで判断してるとしかいいようがない。イントネーションはAの方が「まい」が強めになりBは「しよ」がやや強めになることが多い。
「しよ」(する)だとこうしてこんがらがってくるのだが、「買う」となるとAの表現は「買わまい」・「買いまい」、Bは「買わまい」・「買うまい」と異なる場合もある。「やる」だとAは「やらまい」・「やりまい」Bは「やらまい」・「やるまい」という言い方になる。
例文
「おめえちゃんとゆっただか?」
(お前ちゃんと言った?)
「集合8時にしよまいっつったにい一応。で、分かったつってたにい。」
(8時に集合しようよって言ったよ一応。で、分かったって言ってたよ。)
「じゃなんでこんだあ。」
(じゃあ何で来ないんだ?)
「しらんよおそんなこんいわれたってえ。」
(知らないよそんな事いわれても。)
「まああいつんこようがこよまいがとんじゃかねえけどな。」
(まあ、あいつが来ようが来なかろうが構わないけどね。)
「じゃ、おいてっか。」
(じゃあおいていこうか。)
「そうだのくるなら後でも直に行くらあ。」
(そうだね来る気があるなら遅れても直接行くよな。)
「じゃあ行っちゃいい。」
(じゃあ行っちゃおうか。)
例文音声はこちら