遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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これだけだとなんのこっちゃいという話しであるが
「そんなこんしんしん」となればご理解いただけるかと。
しないしない・してないしてないと言う意味。
心身とか深々とかいったものではない。
せんせんは関西方面から影響された表現と思われる。意味使いは同じ。
「いやいや」と「嫌」の連呼で誇張を表すのと同じ効能であろうか。
例文
「あんたまだしちゃあいんらねえ。」
(あなたまだしてるんじゃないでしょうねえ。)
「なにがあ。」
(何をだ?)
「会社帰りにパチンコ。」
「そんなんしんしん。小遣いありもしんにい。」
(してないしてない。やるような小遣いないだろ。)
これを
「そんなんせんせん。」
とすると「しないしない」という感じとなる。
例文音声はこちら
なんとなくそこはかとなくじめじめ・じとじというような湿り気を感じるという意味。物が湿り気味という際にも使われる。
遠州独特という訳ではないが「ぼったい」の使い方の頻度が高いのが遠州の特徴か。
「陰気な話し」とかを「しめぼったい話し」といった使い方をしたりもする。
「くらぼったい」(薄暗い)・「やぼったい」(野暮臭い)・「いやったい」(なんか厭)などと同様の言葉。
不快感が籠もるので感覚を表すのには都合のいい表現であろうか。
昔は熱帯魚専門に扱ってる店に入るや否や眼鏡が一気に曇った記憶があるが、イチゴ狩りで温室ハウスに入った時もなったっけ。今は冷房ガンガンに効いてる店出るとそうなるかな。
まあこういう極端なのは「どかんとする」で「しめぼったい」は使わないけれど。
脱線したが「しめぼったい」の使いどころとしては
雨が降る前触れでちょっと湿気た感じがする時とか
洗濯物が微妙に乾いていなくてまだちょっと濡れてる感じがする時とか
例文
「なんかしめぼったいやあ。」
「しょんないらあ梅雨だで。」
「廊下の方なんて湿気てるとかいうレベルじゃあないらあ。どっか雨漏りとかしちゃいん?」
「いくらふるくてぼっこい家でもそこまでやごかないにい。」
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やりようがない・やる手立てが無いとかいうニュアンスの言葉。
「せずようない」という表現もほぼ同じ意味。「ず」か「づ」かは不明。「ん」が省略されて「しづようない」という言い方もある。
仮想ではあるが「するべきことがない」の古い言い回しが「せす用がない」とすると、「せるようんない」から「せずようんない」に替わり言いやすくより変化して「しずようんない」になったのではと勘繰れなくも無い。
似た言葉としては「いづようない」(いづらい・肩身が狭い)とかがある。
例文
「はあもうやれるこたあ大概やっただでもうしずようんないわ。」
(もうやれそうな事は殆どやってそれでも駄目なんだから。打つ手がもうない。)
「なんでえ。見捨てるだか?」
(なんだよー。見捨てるのか?)
「しょんないじゃんか。なんかあるだ?他にい。」
(仕方がないだろう。他の手立てとかあるってのかい?)
「ねえの。」
(ないな。)
「だらあ?」
(だろ?)
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共通語だと信じることが出来ない(信用できない)であるが、遠州弁では信じられない(そうあってはならない・ありえない)と言う意味になる使い方をする。
どこが違うんだという突っ込みもあろうが。「嘘でしょ」というニュアンスも含む悪い意味での驚愕を表現する言い回し。
まあたまに「ホントかよ」といった良い意味で使われることもなくはないが。
「信じられん」ではニュアンスが違うのである。
例文
いきなり大声を出す母親
「うっそだあ!もおぉ信じれん。あんたなんちゅうことするよお。」
(嘘でしょう!もうありえない。あなたはなんてことしてるの。)
声を聞きつけてすっ飛んできた父親
「なにひゃあひゃあゆってるよお。」
(なに騒いでるんだ?)
「この子ごきぶり口に入れようとしてるだよぉ。」
(この子ごきぶりを口に入れようとしてるの。)
「そりゃかんなあ。腹こわいたらおえんて。」
(そりゃいかんなあ。腹壊したら大変だよ。)
「だらあ。だでちゃっと止め入っただよお。もう何度いっても聞きゃあせんで嫌。」
(でしょう。だから急いで止めたの。何度も注意してるのに聞かないんだから。)
「そりゃ猫だで無理だらあ。」
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方言かどうかは定かではないが、「上手く」(うまく)と書いて「じょうずく」と言う。
「じょうずい」だと上手いと言う他にも得意という意味でも使われる場合がある。
例文
「じょうずくやらんとかんにい。」
(上手くやらないと駄目だよ。)
「わかってるって。まかしょう。」
(わかってるって。まかせろ。)
「って、ほい!ばかっつらあ。ゆってるそばからへぼこいてるじゃんかあなにやってるよお。」
(ってなんだよ。言ってる最中に失敗してるじゃないか。なにやってんだよもう。)
「わるいやあ。わしじゃあできんかったわあ。」
(ごめんね。俺じゃあ無理だった。)
「じろさこういうのじょうずいでぇじろさ呼んでくりゃよかっただかいやあ。」
(じろうさんこういうの得意だから、じろうさんを呼んでくればよかったのかなあ。)
「今いんにい。」
(今いないよ。)
「じゃ結局しょんなかっただか。」
(それじゃあ結局こうなる運命だったのか。)
「そういうこんにしてやあ。」
(そういうことにしてよ。)
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