遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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言っておくが「死んだ?」と問うている訳ではない。
「しないのか?」と聞いているのである。
ちなみに遠州弁で「死んだのか?」と聞きたい場合は「しんだだ?」となる。
「しないのか?」の別の言い方では「しないだ?」・「せえへんだ?」とかがある。
例文
「普通せるらあ。しんだ?」
(普通はするだろう。しないのか?)
「しいらんやあ。初めて聞いたにいそんなこん。」
(知らないなあ初めて聞いたぞそんなことするってのは。)
「なによを。こかあしんだけえ。」
(なんで?ここはしないの?)
「しやへんよを。どこだとそんなこんするよを。」
(しないよ。どこがそんなことするの。)
「うちらの在所じゃ普通にやってるにい。」
(私の実家の方じゃ当たり前にやってるよ。)
「変なとこだねえ。」
「ほうけえ。」
(そうかい。)
「だよを。」
(そうだよお。)
何をするしないかはいいとこまんじゅう。
例文音声はこちら
「そんなこともしらんとやってただか。」
(そんな事も知らないでやっていたのか。)
「しらんと」を直訳すると「知らないと」であるが訳す際には「知らないで」・「知らずに」とかいう意味とした方がスムーズな場合が多い。
「しらんで」という言い回しもあるがこっちの方がより広範囲で使われる言い回しであろう。ニュアンス的な違いは多分ないと思われる。
「しらないと」の「ない」が「ん」に化けた訳であろうが、共通語では「しらないと」だと「知らないと損する」とか「知らないと恥」とかいう使い方で用法が遠州弁とは異なっている。
遠州弁での「しらんと」には呆れたニュアンスが含まれることが多い。
この表現の味噌は「~んと」。知るにだけ使われる表現ではない。
「言わないと」だと「言わんと」(ゆわんと)となる。
「そうゆうこたあちゃっとゆわんとを。」
(そう言う事は早めに言わないと。)
漢文調な「言わんと欲す」みたいだが流石にそれとは違うであろうなやっぱ。
例文
「なによをおんしゃあそんなこともしらんとずうっとやってきただか。」
(なんだよおめえ、そんな事も知らずに今までやってきたのかよ。)
「別に不自由したこたねえに。しらんとかんだか。」
(別に不自由に思った事はないけど。知ってないと駄目なの?)
「そりゃそうだらあ。じゃ、今まで積み違えした時どうしてたでえ。」
(そりゃあそうだろう。それじゃあ今まで積み違いをした時どうしてたんだ?)
「一旦降ろいてやり直いとった。」
(一度降ろしてやり直してた。)
「まるさらけえ。ばかじゃん。・・・こうすりゃあまるさら降ろさんでも途中からやり直しでけるじゃん。」
(全部?要領悪いなあ。・・・こうすれば全部降ろさなくても途中からやり直せるじゃないか。)
「そうゆやあそうだの。勉強になったわ。」
(そういえばそうだね。勉強になったよ。)
「頼むにい、おい。」
(おいおいそんな呑気で大丈夫なのか?)
「まあそをゆわすとを。面倒みてやあ。」
(そんな事言わないで見捨てないでくれよ。)
例文音声はこちら
「しょうがないだろう諦めろ」という意味。言い訳の場合には「こういうことだからしょうがないだろう納得してよ」という意味で使われる。この言葉の前に理由もしくは言い訳が述べられていることが多い。同意を求めているニュアンスを含むのでこういわれたら返答を返さなければならない事が多い。
「しょんないじゃん」の場合には単純に「仕方ないだろ」という意味で同意を求めるニュアンスではない。むしろ強制的に納得させようという強引さがあることが多い。
「しょんないにい」だと「予め行っておくけどしょうがないよ」という予告しょうがないみたいな感じ。
「しょんないだあ」だと「しょうがないんだよ」というお手上げ状態で自分ではどうしようもないと諦めている状態を述べている。
「しょんない」は共通語だと「ドンマイ」と同じ励まし的な使い方や因果を含める感じがとか多い。ただし「まあしょんない」はこういう使い方だが「ホントしょんない」だと使えない奴という意味になって必ずしも「ドンマイ」的意味ばかりではないのだが。
例文
「これ発送期限今日の午前までじゃなかったっけか。」
「さっきい気いついただよ。でもはあ間に合わんでえ。だで今更届けえ行ってもしょんないだあ」
(さっき気づいたんだ。だけどもうどうせ間に合わないから今更届けに行っても仕方ないんだ。)
「馬鹿こいちゃかんて。行って置いてこんでどうするよを。頭下げるくらいしんと次無いにい。」
(何言ってるんだ。行って置いてこないでどうするって言うのさ。謝るくらいのことはしないと次は無くなるよ。)
「ゆうとっけど納期のこんじゃないだあ。どっちゃみっちゃうちんとこのははあ使わんって言われとっただで、持ってっても結局返品になっただで。ホント、はあなにしてもしょんないにい。」
(言っておくけど納期の事じゃないんだ。どのみちうちの商品はもう使わないって言われてたんだから。持って行っても結局は返品になるんだ。本当にもうなにしようがどうしようもないよ。)
「お得意さんなくいたっつってそれまるさら課長にゆえりゃあわし別に構わんけどな。」
(お得意さんをなくしたってことをそのまま課長に報告できるんならまあ別に俺は構わないけどね。)
「課長諦め悪くてホントしょんないでな。ぐちぐちゆわれかねんでそんなこたあゆわんけど。」
(課長諦め悪くてしつこいからなあ。ねちねち言われかねないからそうは言わないけど。)
「じゃどうゆうよを。」
(それならどう言い訳するんだ?)
「しょんないらあ?だですっとぼけまいか。」
(どうしようもないだろ。だからさ、すっ呆けとこうよ。)
「やなこったい。しょんねえやっちゃなあ。わし知らんでねえ。」
(御免こうむる。どうしようもない奴だなあ。俺はどうなっても知らないからね。)
例文音声はこちら
色んな遠州弁を紹介するHPとかにお伺いして拝見すると所々に記載されている
「しゃりしゃりする」
意味は「エラそう・図々しい・落ち着きが無い・しゃらくさい」とかだそうだが感覚として「しゃしゃり出る」みたいなものと捉えればいいのだろうか。
しかしながら私んとこ(うちだけかもしれないが)ではそういう使い方は全くしてなく
「砂入ったもんで口ん中しゃりしゃりする。」
みたいな使い方しかしなかった。まあほぼ共通語的な使い方であろうて。
「林檎を食べるとしゃりしゃりと音がする」みたいな。
どこの集落の言葉なんでせうかね、かく遠州弁での使い方というのをする地域というのは。もちろんこういう遠州弁もあるということを否定する訳ではありません。できれば使われているエリアを知りたいところです。ただし旧市内にお住まいの方から昔使った懐かしい言葉だなあというお話しを聞きましたのでもしかしたら使った記憶がないという私の方が珍しい部類に属するのかもしれません。
ニュアンスについてもむっとしてるのか呆れてるのかとかいう感情的なのもよく分からない次第です。
「こんきい」(疲れた)は三河と隣接してる地域の言葉らしいとか「おんしゃ」(貴様)という言葉は浜北の言葉ではないかとかおぼろげに想像できるのと同じようにこの「しゃりしゃり」するのもどこの言葉か知っておきたいということです。
例文に関しましては私は使わないため使い場所が分かりませんので略とします。
追記
ほぼ私のルーツと同地区のお方からコメントをいただきまして、そのお方は遠州弁的意味の「しゃりしゃりする」を使っていたそうなので、集落ということではなくただ単に私の近所は使わなかっただけに訂正させていただきます。
したがってエリアとしては旧市内でも使われていたと思われます。
ツナ缶の代名詞で全国的な言い回し。まあ遠州弁じゃないけど。
はごろもフーズはしぞーかの清水にあり、そういう地元近隣という状況によって浜松ではマグロの油漬け・ツナ缶といったらなんでもかんでも「シーチキン」と呼んでるといっても過言ではない。
全国的に「シーチキン」で通用するので方言ではないがその徹底振りは他県の比ではないであろう。ネットで調べるとシェアは全国では5割程とあったので他県では「ツナ缶」とか「マグロフレーク」とかいうこともあろうが、極論だが浜松ではたとえはごろもフーズのものでなくともなんでもかんでも「シーチキン」と呼ぶ。
したがって「シーチキン取って」と言われて他のメーカーのツナ缶をほいと渡しても「違うじゃん」と言われたりする事はない。逆に言えば「ツナ缶取って」と言われても一瞬なんのことかピンとこないということである。
例文
「あのさあ。いくらあせって作ったっつったってレタスにマヨネーズかけてサラダっつうのは芸がないらあ。」
「じゃなによを醤油でもかけるだ?」
「せめてさあシーチキン入れるくらいはして欲しいやあ。」
「醤油はかけんだ?」
「いや、かけるけどさあ。」
例文音声はこちら