遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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遠州弁的言い回し
助けるだと救助の方にもなるので応援という意味での援けるをタイトルとした。
「援けて」と頼むにしても色々と言い方はあるもの。
レベル 日常茶飯事レベル
別に「やる」でも「手伝う」でもなんにでも置き換えられるものであるが、ここでは「たすけて」を例とする。「お~い」とかの呼びかけを入れたのは省くと切羽詰まった感じになるので。ちなみに「お~い」は遠くにいる人に呼び掛けてる訳では無く「ちょっとぉ」・「ねえ」といった意味合い。
ここで述べてるのはあくまで援けて欲しい人が発する場合である。(第三者が発すると若干意味合いが異なるものもある)
「お~い、たすけて」
援けを頼んでいる。これが普通というか基準として以下を述べる。
「お~い、てえかして」
手を貸して。これがよく使われる言い方であろうか。「たすけて」より頼む要件は簡単だからと暗に伝えてる勢いを有するところが使い勝手がいいんであろうか。
「お~い、たすけてやあ」
援けを乞うている。依頼という勢い。
「お~い、頼むでたすけて」
援けを乞うている。懇願という勢い。
「お~い、たすけてくれんかねえ」
援けてくださいとお願いしてる。下手に出てる。これより下手度が低いのは「たすけてくりょう」とかがある。
「お~い、たすけてくれるとうれしいだけどやあ」
援けてくれたら有り難いんだけど。伺いを立てているという勢い。言い方の割には断りづらいものでありそれでもなお断ると非道と罵られかねない結構な強要力がある。
「おい、たすけようと思わん?」
この状況を見て援けようとは思わないかい?と言っている。良心に問いかけてるというか伺いよりも強く依頼よりも弱い協力要請といった感じか。
「お~い、普通たすけるらあ」
援けるのが当然だと言っている。随分横柄に聞こえるがそういう意図はなくニュアンスで訳すと「見てないで援けてくれよ」という要請である。使いどころは親密度の深い間柄に限られる。浅い関係でもしこう発すればまんまで横柄ということになる。
「やあ、たすけようと思わん?」
女性の場合は「やあ」が「ほい」に替わる。「援けようと思わない?思うだろ普通は」という言い方の略された言い方。道理を説いてるというか説得してる勢いが強い。
「おい、たすけよを」
援けなさいと命令・指示してる。上から目線であるので長老クラスが言うが相応しい言い方。
「やあ、たすけよやあ」
ぼけっと見てないで援けろよなと言っている。こちらも命令・指示であるが上から目線に限った言い方ではないので年齢関係なく広く使われる。
まだ他にもあろうがこの辺で。
遠州弁的言い回し
例えば今日の内に片づけなければならない仕事の多さを指す場合の言い方の違いによるそれぞれのニュアンス。
レベル 日常茶飯事レベル やや男表現よりな男女共用。
有る事があって嬉しいものかそうでないものかによってもニュアンスが変わるのであるが、ここでは嬉しくもないし嫌でもないといったやらなければならないものが有るというのを指す。例えばこなさなければならない仕事の量。
「けっこうあるにい」
思ってる以上にあるよと言っている。
「がんこあるにい」
非常にたくさんあるよと言っている。それについての感情は表わされていない。ある意味客観的ともいえる。
「ばかあるにい」
とてもあると言っている。嫌になるくらいあるともいえる。感情的には怒りに近いものが窺われ、明らかに閉口している。
「どあるにい」
凄くあると言っている。どうだ凄いだろうくらいの聞いて欲しくて仕方ないくらいの勢いがある。もしくは「たくさんあってびっくりだよ」という意識。
「えらいあるにい」
一杯あると言っている。「えらい」は「しんどい」にも通じるもので骨が折れると愚痴や泣きが入ってる勢いとなる。
「くそあるだあ」
むかつくくらい沢山あると言っている。やってられないよくらいの憤怒の勢いが漢書られる。
「こらしょとあるにい」
てんこ盛りにあると言っている。つまり食傷気味になるくらい。
「だあだあにあるにい」
垂れ流し状態のような幾らでもあると言っている。気分的には全部終えれるとは思っていない方に傾いている。
「すくなかねえの」
少なくはないねとぼかしている。こういう時はどれ?と確認すると確かに多いなと納得する場合が多く多少は気が休まる?効能が期待できなくもない。
「そんなないよ」
すっとぼけてるとも勘繰られるくらい曖昧にしている。嘘も方便みたいなやる気を失くさせないために一杯あってもあえて少ないという使い方もある。
「ちっとあるよ」
余裕が持てる程度の量だと言っている。
「屁でもない」
気にする程のものではないと言っている。楽勝とも言ってる。本当なのかやせ我慢なのか己を知らぬなのかは終わってみないと分からない。
「うじょうじょあるにい」
滅多に使われるものではないが、湧いて出てくるみたいな、きりが無い感じにあると言っている。
まだ他にもあろうがきりが無いのでこの辺で。
遠州弁的言い回し
前の記事ではするべきことが沢山あるという場合に於いてのニュアンスであったが、今回はやりたくないことが沢山あるという場合での
「ばかある」・「どある」・「がんこある」。さてどう違う?
レベル 日常茶飯事レベル
幾ら書いてもきりが無いこれらの言い回しの違い。
その一端をば、
「有る」で違いを述べるとどうなるか。尚、状況によってそのニュアンスは異なる事大なので今回の設定は課題・宿題とかみたいな有り難くない(やりたくない)ものが「有る」という場合におけるニュアンスの違いとする。合体表現(「ばか」と「ど」を合わせての「どばか」)とかいうのは今回挙げない。
「どある」
泣けてくる・嫌になるほどあるなどと言っている。つまり悲観的な言い方。
「ばかある」
むかついてくるほどあると言っている。つまり憤慨的な言い方。
「おこれるほどある」
ばかあるのバージョンアップした言い方。
「がんこある」
どうだ見たかとかほら見てくれといった訴えたい言い方。見せびらかしたい(自慢したい)とかいう要素は薄い(開き直れば別だが)。気分的には辟易してるという感じであろうか。
「えらいある」
許容量や予想を超えてるといった思ってる以上にという驚きを伝えたい言い方。ただし多分に感覚的なもので実際どれくらいあるのか判断つきかねる一番曖昧な言い方である。「けっこうある」という言い方もこれに近い言い回しである。俯瞰的で気分的なものは抑えた冷静な印象を受ける。共通語での「たくさんある」というニュアンスに一番近い言い回しであろうか。
「くさるけにある」
ここでの設定である課題・宿題とかの場合では「有難迷惑」というものになる。「迷惑千万」・「不要」などというものではない。気分的には逃避したいという嫌気がさしてる勢いを感じる。
普通の使いどころは、豊富にあるということだが直訳すれば使うことなく腐らせてしまうほどにあると言っていて、不自由してないというか食傷気味というか。注意点としては自分のものを指す場合要らないものを指している訳ではなく謙遜という場合が多くけなす自虐的な表現ではない。
他人のものを指す場合、「あの家お金くさるけにあるだでちっとばか町内費高くてもとんじゃかないだ。」(あの家はお金持ちだから町内費が少しくらい高くても気にもしてないんだ。)といった使い方をするところでありこの場合には「やっかみ」(羨ましい)というニュアンスが込められていることになる。
「ばかすかある」
滅多に使わない言い回しであるが、次から次へと押し寄せるような勢いとなる。わんこそば状態というか。まあ共通語の範疇の表現であろうかな。
「だあだあにある」
「ばかすか」の遠州弁バージョンといった感じか。「だあだあ」は「きりがない」という意味合いでありひとつ片づけるのに難易度高くがなかなか終わらなずに溜まってくというのではなくそれほど難易度は高くないのだがひとつ終わってもまた次がといった塵も積もって山という状態を指す。気分的には閉口しているものである。
「いらんけにある」
この状況設定では使うことは稀である。
訳すと「いらないくらいにある」。多少見栄もあるところだがあげても惜しくは無いほどにあるという言い方。おすそわけの際とかで無理してないから持っていっていいよとかいう使い方をするようにであって、沢山あるものが価値の無いものだと言ってる訳では無い。「くさるけにある」はこのバージョンアップ版と言えるかもしれない。
課題宿題とかいったホントに有り難くないものに対して使った場合には「迷惑」なものを指すという感じになるのでこういうものに対して使う事は普通はない。宿題が好きという人であれば使ってもおかしくはない。が普通は違うだろうからやっぱ普通は使わない。
ちなみにホントに嫌悪感を抱いてるくらいの「迷惑」・「不要」を意味するものであれば「け」=「気味」・「程」を抜いてということになろうが、じゃあ単純に「いらんにある」という言い方があるかというとそれはない。そういう場合は「いらん」と言い切る言い方となる。
「泣けてくるほどある」
「泣けてくるけにある」という言い方もあるが、普通こういう場合には「け」は使われない。「どある」の強調した言い方。
「嗤っちゃうほどある」
「ばかある」の強調変形した言い方であろうか。笑いの種類はもちろん愉快ではなく怒り・不幸を通り越した諦めの境地の嗤いである。
遠州弁的言い回し
別にどうということもないけれどもそれでも共通語的ではないだろうということで
「じゃいいじゃん」
の説明。
レベル 日常茶飯事レベル
A「じゃいいじゃん鈴木さんにおせえてもらやあ。」
「それなら鈴木さんに教えて貰えばいいじゃない。」と言っている。
全うな共通語と較べるとやはり違う。並び順を共通語の方に揃えるならば
B「じゃ鈴木さんにおせえてもらやあいいじゃん。」
ということになるのだが、これだとニュアンスが変わってくる。
実際言われる側として受ける印象は
「じゃいいじゃん鈴木さんにおせえてもらやあ。」だと、「そうしなよ」と言われてるみたいな随分気楽に言ってくれるじゃないか・簡単に言ってくれるよなといった軽さがある。つまりアドバイスといった勢い。
「じゃ鈴木さんにおせえもらやあいいじゃん。」だと、「そうしなさいよ」といった指示されてるみたいな印象を受けるものである。こちらはアドバイスというよりも提案に近いものである。
Aの「じゃいいじゃん」というのは「こういういい考えが浮かんだんだけど」という思い付いたんだけどといったニュアンスであり、同意できなくて「なにゆってるよを」とか「馬鹿こいちゃかんて」とか言って反論しても角の立ち方は少なくて済む。
Bの場合は「それなら~が良いじゃないか」という意味であって同じものではないのである。こちらだと同意できなくて反論するにしても言葉を選んで言わないと「せっかくゆってやっただにい」とかでムッとされる可能性が高くなる。
したがって、最初に戻って「じゃいいじゃん鈴木さんにおせえてもらやあ。」をニュアンスで訳すと「じゃあ鈴木さんに教えてもらうってのはどうよ。」といった感じにするのが近いものになる。
例文
「あ~あ、とてもじゃないが今日中にやりおせん。」
「じゃいいじゃん明日に持ち越しゃあ。」
「ばかゆっちゃかん。今日中に仕上げんとかんだよ。」
「なんでえ。今日でなきゃかん理由でもあるだけえ。」
「きっちり終わった方が家帰ってからのビールが旨いじゃんかあ。」
尚、こういう使い方以外での
「じゃいいじゃんわしまだ持ってんもん」
(ならいいじゃない自分まだ持ってないもの)
という意味合いの使い方もある。
遠州弁的言い回し
「じゃいいじゃん」と「じゃあいいじゃん」は違うものである。
それはどう違うのか。
レベル 日常茶飯事レベル
前に説明した「じゃいいじゃん」。
「じゃあいいじゃん」と似ているようで違う。
「じゃいいじゃん」は「ならこうしようよ」という提案するものであるが、「じゃあいいじゃん」は「ならばそれでいいじゃないか」とういう肯定するものである。
「じゃあいいじゃんそうしまいか」で「ならそれでいいからそうしようよ」といったどちらかというとどうでもいい(気乗りしていない)みたいな印象を与えるものである。
親身になっていないというものであり言葉がというよりも態度がぞんざいと思われる傾向にある言い回しである。
したがってよく「冷たいじゃん」とか「他人事だと思ってえ」とか言い返されることも多い。
発した当人にとってはそれで決まりと思ってすでに他の事に気が行っているのであるか、指摘の通りホントにどうでもいいと思ってるかのどちらかである事が多い。たまによく分かっていなくて単に相槌打って誤魔化してる(何も考えていない)という事もある。
どうでもいいと思ってる背景にムッとしてる時とかもある。つまり勝手にしなと思ってるという事。いくらこうした方がいいよとか提案しても聞き入れてくれないとかで見捨てたという場合もあるということ。
ちなみにムッとした度合いを強める際には「じゃあ好きにすりゃいいじゃん」となり、怒ってるを表わすなら「はあわし知らんでえ」を付け加えることとなる。
あまり言われて気持ちのいいものではないことはいづれにも言えそうである。
例文
「やいやい、工場に書類届けんとかんだん席離れんくて困ったやあ。」
(あ~あ、場に書類届けないといけないんだけど席離れる訳にもいかなくて困っちゃったなあ。)
「誰か行かんだけえ。」
(誰か行かないのか?)
「○○が行くみたいなことゆってただけえが。」
(○○が行くとか言ってたような気がするけど。)
「じゃいいじゃん○○行くみたいなら、ついでにって頼んどきゃあ。」
(だったら○○に訊いて行くならついでにって頼めばいいじゃないか。)
「やだよを。後で恩着せられちゃかなわんもん。」
(それはちょっとな。後で恩着せられちゃあかなわん。)
「じゃあさあ、がんこ急ぐでなきゃ郵便かなんかで送るじゃかんだけ?」
(それなら特に急ぎでないのなら郵便で送るとかすればいいんじゃないの?)
「う~んそれもなあ。」
「じゃどうするよう。」
「ん~、どうしっかなあ。しょんねえなあ、まあ明日自分行きゃあいいかあ。」
(う~んどうしようかな。まあしょうがない明日自分が行けば済む事かあ。)
「なんだよ、じゃあいいじゃんそれでえ。」
「なにい。冷たいじゃん。」
「そんな今日中でなくてもいいならいちいち相談しんなや。」
(どうしても今日中にじゃないのならいちいち相談してくるなよ。)
「だって行くにめんどくさいだもん。」