遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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厭味みたいなことを言うという意味。何かある度にぐちぐち不平不満を言う奴に向かって放つ言葉。遠州弁かどうかは定かではない。
「いやみったらしいこんぬかすじゃないにっ。」
(厭味っぽく言うんじゃないの。)
他の言い回しでは「いやみったらしいこんぬかすなや。」というのがあるがこれは野郎言葉。
「いやみったらしいこんこきゃあがるとぶっさぐるぞ。ぶつくさこかんではよやれやー。」」
(厭味みたいなこと言ったらぶっ飛ばすぞ。ごちゃごちゃぬかさんと早くやれよ。)
女性言葉だと「いやみったらしいこんいわんのっ。ぐちぐちゆわんでちゃっとやって。」
近い言葉で「いやったらしい」と言うのがある。意味はいやらしいと言う意味である。いやったいと同じ(記事いやったいを参照)。
厭味を言う奴を「いやみったれ」と呼ぶ。別に遠州弁ではないが一応記載。
「いやったらしい」という「たらしい」の言い方は「人たらし」の「たらし」と勘違いされかねないが当然違う。
「いやみなこん」(嫌味な事)より和らげた言い方が「いやみったらしい」で「嫌味っぽい」と訳すことが無理がないところであるがニュアンスとしては粘着性が「たらしい」とすると増すところである。
私のあずかり知らない事だからねと言う意味。色々使い道があり、多少強引ではあるが三通りの使い方が一般的。
A.なにかとんでもない事をしでかした時の言い訳として(開き直り)。
B.もう知らん後は勝手にやんなとか私は関係ないからねという怒りの捨て台詞。
C.知ったこっちゃないという強引に何か事を起こす時の宣言的発言。
Aの例
「ちょっとお、あんたなにしてるよお!まだ出来ちゃいんだに蓋開けたら駄目じゃんか。」
(ちょっと待ちなさいよ!未だ出来てないのに蓋開けちゃだめでしょ。)
「そんなこんひと言も教えてもらっちゃいんもん。前もってゆわん方が悪いだで。駄目んなったってわしん知ったこんじゃないでねえ。」
(そんなことひと言も教わってないもの。事前に言わない方が悪いんだから、駄目になっても私のせいじゃないからね。)
Bの例
「ちょっとお、あんたなにしてるよお!まだ出来ちゃいんだに蓋開けたら駄目じゃんか。」
「はあええと思ったもんで開けただよ。わしん判断いかんっつうなら後あんたやんなよ。はあどうなろうとわしん知ったこんじゃないでねえ。」
(もういいと思ったから開けたんじゃないの。私の判断にケチつけるっていうのなら、後はあなたが勝手にやりなさいよ。私はもう手をださないからね。)
近い言葉で「わし知らんでねえ」と言う表現がある。ニュアンス的には「知らんこんじゃない」と言う方がより強く突き放した言い方に聞こえる。
Cの例
「ちょっとお、あんたなにしてるよお!まだ出来ちゃいんだに蓋開けたら駄目じゃんか。」
「時間ありもへんにぃ。自分喰うわけじゃないだで不味くたってわしん知ったこんじゃないでねえ。不味いだけで喰ったって死にゃせんらあ。」
(時間がないでしょ。私が食べるわけじゃないんだから不味くても知ったこっちゃない。不味いだけで食べても死ぬわけじゃないでしょう。)
他の言い回しでは「知らすかあ」と言うのがある。
例文音声はこちら
以前書いた「おいでる」(いらっしゃる・おいでになられる)というのが丁寧な言葉で、この「いるかいねえ」は(いる?おる?)といった横並びの関係性を表わす。
奥さん同士は毎日顔合わせていても「おいでる」を使うのがひとつの礼儀となっているが、たまあに「いるかいねえ」を使う人がいてそう言う人は随分と馴れ馴れしい人と思われるらしい。
普通は親戚とか親しい友人とかに使う。隣近所とかの知人顔見知り程度の関係性の人にはあまり使い勝手がいい言葉使いではない。
野郎言葉だと「いるけえ」・「おるか」・「おるう」・「いるう」。「おいでる」に対応するのは「おらるるう」あたりであろうか。
例文1
「やあ。これ余ったんで誰か欲しい人いるかいねえ。」
「じゃわしもらわすかねえ。」
「悪いね。まあ荷物になるけど持ってってやあ。」
「おおまかしょ。」
「ほんとにぃ。そうしてくれると助かるやあ。」
例文2
「お母ちゃんいるかいねえ。」
「いんよ。」
「どこいっただかいねえ。知ってる?」
「おじちゃん家に届けもんせるっつってたにい。」
「あれ。ほいじゃ行き違いかあ。やいやい。」
例文音声はこちら
「おいでる」・「いるかいねえ」だといると思ってやって来た感じであるが、「おるだかいねえ」・「いるだかいねえ」はいないかもしれないと思ってる感じになる。
省略形で「おるだ?」・「いるだ?」という表現もある。
多分いないだろうけど・はっきりしないけどという様な場合は「おらんだか」・「いんだか」が使われる。
例文
「今日は猫おるだ?」
「あ、どうだかいねえ。いるとしたら縁側んとこだけど。見てこすか。」
「ええよ別に見いいかんでも。どうしても見たいってこんじゃないだで。」
注、「見てこすか」は(見てこようか)という訳になる。
例文音声はこちら
「ほかす」の記事で述べた意味の日常での実用編。結構頻繁に使う。
直訳すれば、放置しておけばいい。だがこの解釈だと微妙に違う。今やってること(やろうとしてること)はとりあえず後回しにして別のことをして欲しいときとかに使われる表現が「ほかいときゃええだ」である。「ほっときゃいいだ」もほぼ同様に使われる。が、手を出すな、つまりまだ手をつけていない状態でいう場合が多いので、多少の意味合いの違いはある。
変形というか似たような表現では「うっちゃっときゃいいだ」がある。こういう場合の「ほかす」には後回しにするニュアンスであり、「うっちゃる」だと文字通り捨てる・しないとかいうTHE END 的なニュアンスになる違いがある。
作業や仕事で使うような場合、「ほかいときゃええだ」は優先順位を下げろと言う意味で、「うっちゃっときゃいいだ」には誰か他の者がやるだろうからという意味合いで使われることが多い。
尚、「いいだ」と「ええだ」は使い道に差はなく言う人の好みの問題なので、どちらでも構わない。
共通語的に「後にしろ・後回しにしろ」という言い方だとストレート過ぎてきつい言い方と遠州人には判断される。
例文
「やあ、荷物きただで、搬入手伝えやあ。」
(おい。荷物到着したから搬入手伝え。)
「だってわしやりかけで手えはなせんよお。」
(いやしかし、私の仕事やりかけで手が離せないんですけど。)
「そんなのほかいときゃいいだ。先んいごかしとかんと他んの身動きとれんくなるだでえ。」
(そんなの後回しにしろ。先に移動させとかないと他の物が動かせなくなるんだから。)
例文音声はこちら
ちなみにこの例文で「ほかいときゃいいだ」ではなく「うっちゃっときゃいいだ」としてしまうと「どうでもいい仕事」とかに受け取られるので禍根を残すものとなってしまう。