遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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そのままの意味で「いいじゃないか別に」(問題は無いだろ)。
独特な意味使いというものではなく特に方言と言うことではない。
が、遠州では年齢性別問わず日常よく使われる言葉なので記載。
例文
「この道進んでええだかいやあ。」
(この道進んでいいのかなあ。)
「いいじゃんべつに。違やあ戻りゃええだで。」
(別にいいんじゃないの?違ってたら戻ればいいんだから。)
ほっといてくれよとか余計なお世話といった使い方もする。省略形で「いいじゃんか」と言うのもあるがこちらは多少軽めの拒絶感になる。強めの場合は「うっさいなあ」を使うことが多い。
例文
「あんたあ行儀悪い格好しちゃかん。ぶしょったい。」
(ほらあ、行儀の悪い格好しない!見苦しいんだから。)
「いいじゃんべつにぃ。誰も困りゃせんだで。」
(うるさいなあ。誰も困る訳じゃないんだからほっといてくれ。)
「いいじゃんべつにほっといてやあ」とフルで言えばより判り易い。ただし拒絶感は強めになる。
例文
「いいじゃんべつにぃ。ほっといてやあ。」
「あっそう。人がせっかく言ってやりゃあそういう口の利き方するだ?そんなこんゆうならワシはあどうなっても知らんでねえ。好きにすりゃあいいじゃん。」
「そんな言い方してもしんに。やりやすいようにさせてっていってるだけじゃんか。」
上の例文は、拒絶はしたものの思ってる以上に相手を怒らせてしまったので自分の態度を軟化させた様。
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共通語ではあるが頻度が高いので記載。
スケベという意味使いではなく
えげつないという意味で使われる。「やらしい」という言い方もあり意味使いは同じ。男女共用の表現。
えげつない以外にも下心見え見えとか露骨なとか自分の都合ばかりとか姑息とかいった意味で使う場合もある。
「いかにも買ってやったみたいでいやらしいにい」
はしたないと言う意味でつかわれることもある。
「落ちたもん拾い食いしていやらしいやあ」
「下世話な話しだが」というところを遠州では「いやらしい話しだけえが」とかいう風に使ったりもする。
訳せば色々な言い方になるのだが要は「社会性無視」ということであろうか。
例文
「あの人自分ばっかみこ良くしたいだか知らんが、しょっちゅうなんかあると○○さんに届けもんしてるだって。」
(あの人自分がよく思われたいのかどうか知らないけど。なんかあるごとに○○さんに付け届けしてるんだって。)
「いやらしいやあ。魂胆見え見えじゃん。」
(えげつないわねえ。魂胆見え見えじゃないの。)
「だらあ?いやらしいらあ?」
(そうでしょ!そうおもうでしょ?)
「なんでそんなことするだかいねえ。」
「さあ。なんかあるだら。」
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行きなし(行かずに・行かないで)といった意味使いの言葉もあるが、「いきなり」が訛るとこうなる場合がある。なので「いきなしいきなし」(いきなり行かないで)という表現も実在する。
悪ノリするならば「いきなしいきしなしいきなしいきれる」(いきなり息をせずに行かないで息苦しい)という言葉遊びが出来る。
「り」が「し」に変わるのは語呂が合うと云うか言葉のリズムを整えるためと想像される。意味・ニュアンスに変化があるわけではない。
例文1
「いきなしなにょこくだあ。」
(いきなり何を言うんだ。)
「いきなしたあなんでえ。きんのう言ったら?聞いてん方悪いらあ。」
(いきなりとはなんだ。昨日言っただろう。聞いてない方が悪いんだよ。)
例文2
「きんのうまで500円だっただに今日んなったらいきなし550円になっとった。随分だと思わん?」
(昨日まで500円だったのに今日になったらいきなり550円になってた。随分な話だと思わない?)
「周知やりなしいきなしだかいねえ。そんだったら随分な話しだの。」
(お知らせなしでいきなりしたのかねえ。それだったら確かに随分な話だね。)
「だらあ。貧乏人にはつらい話しだらあ?」
(でしょう?貧乏人には酷な話しでしょ。)
「だけどいきなしいきなし確認すりゃあよかったじゃんか。」
(だけどいきなり行かずに確認してからにすればよかったのに。)
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この道一筋とか頑固者とか自分流を通すなどの人の事を指して言う言葉。
ただこれが方言かと云うと「一刻」と漢字で書くれっきとした辞書にも載っている言葉で、しかも意味もほぼ同じなので方言ではないと云えるのではあるが。遠州ではまだ使われているが他の地域では廃れているかもしれないのでとりあえず記載。
「強情」とどう違うかと云うと「強情」を辞書引くと、一度こうだと決めた(考えた)事をどこまでも押し通そうとする様子。
他にも「一徹」とどう違うかというと、辞書などでは「意地っ張り」という訳が多い。
あくまで勝手な自分の感覚だが、強情は迷惑という意識があり、一徹と一刻は多少認めている意識が感じられる。
例文
「あいつぁだめでえ。いっこくだでゆったってきかんにい。」
(あいつに言っても無駄だよ。頑固者だから人の言うことなんか聞かないよ。)
「いつまでもど古いやり方やっとったじゃ駄目だらぁ。わしんゆったる。」
「言ってもしょんないでやめときない。」
(言うだけ無駄だから止めときなって。)
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どうってことない・大したことない・多少のことだとかいう意味。
「いくらでもない」・「いくらもない」どちらもまあ共通語ではあろうが遠州弁ではよく使われるので一応記載。
「いくらもない」となると「ちょっとしかない」とか「僅かなこと」という意味合いでの多少・大したことないという意味になる。
例文1
「これいくらしたよぉ。がんこしただけ?」
「いくらでもないよ。ほんの2ヶ月分の小遣い全部くらいでえ。」
「おおそりゃあがんこ気張ったのえ。そんで大丈夫けえ。」
「大丈夫じゃあらすかあ。だでちいと助けてよ。頼むにい。」
「おおまかしょと言いたいとこだけど状況によりけりね。」
大抵のことには使えるのだが病気とかで大丈夫と聞かれて「いくらでもないよ」(たいしたことないよ)とは普通言わないのである一定の条件は存在すると思われる。
例文2
「あとどんだけ歩くよお。」
「いくらもないよ。まあちっとで着くで気合入れてかまい。」
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