遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「おせえたらん」
「教えてやらん」と言っている。
「なににやにやしてるよう。」(モロ遠州弁だと「あんたなににしゃにしゃしてるよう。」)と訊かれて
「いいじゃん別に。」と発すると「余計なお世話。」と言ってるようなもので冷たい空気がよぎる。
普通は「まあね」とかで茶を濁すものであるが。
「おせえたらん。」と発せば「けち。」とか「いいじゃんおしえてやあ。」とか言い返されたりするが空気は悪くならない。
「おせえたらん」は直訳すると「教えてやらん」となるがニュアンス的には「内緒」といった柔らかい勢いのものである。ただし「あんたなんかに」を前につけると読んで字の如しで「教えてやらん」という勢いになる。
ちなみに一番空気が悪くなる言い回しは
「関係ないじゃん」であるが他には「なんで教えにゃかんよを。」。「なんで」の次に「あんたなんかに」を付け加えると怒ってる(むかついてる)意識が付加される。
教えたくない・答えるのがめんどくさいということでは「いいとこまんじゅう」という表現もあるが、これは対子供用のものであって大人相手に発すればこちらの意図に関わらずむっとされる。
「おしえたらん」となると「断る」もしくは「嫌だね」と言ってる勢いになり「おせえたらん」のようなやわかい言い回しには聞こえないことが多い。
例文
「はああいつだけは頭来たでなんか聞いてきてもおせえたらん。」
「なに鼻息荒くしてるよう。」
「なにって・・・ゆうと怒れてくるでゆやせんよ。」
「またどうせなんかしょーもないちょっかいかけられただらあ。」
「ちょっかいじゃないわあ、ありゃ嫌がらせだにい。」
「仲いい証拠だらあ。」
「どこがあ。」
音声はこちら
「まあちっとおんない。」
訳すと「もう少しいなさいな。」。
「おんない」は「おりなさい」の変化したものと推察するところ。軽い命令とも受け取れるが命令口調というほどのものではない。親切心からとか忠告(アドバイス)といった印象を与えるものである。
「ない」を「なよ」として「おんなよ」とした方が分かりがいいのかも。ただし現実的には「おんなよ」の方が指示に近い印象を与えるので遠州弁内に於いては「おんない」=「おんなよ」というものではない。あくまで共通語としての「おんなよ」が「おんない」に近いということである。
肝は「ない」。「おん」については「居り」(おり)の変だろうと勘繰れる。
先にも説明した通り「なさい」の変化したものという想像が成り立つもので「ない」=「なさい」
「い」だけを使うと命令調が強くなる。
例えば「買いい」。これと「買いない」との違いは「買いい」=「買えよ」と「買いない」=「買ったら?」といった違いとなる。
「おんない」に話し戻して、「ない」ではなく「い」を使う場合は「おんい」と言うのかと云うとそれは無く「おりい」となる。
逆に「な」だけで「おんな」となると、こちらも強要口調な感じになる。「おりい」よりもきつい感じに聞こえる言い回しではある。
「り」が「ん」になる理由は「降りなさい」の場合にも「おりない」と言い、それと紛らわしいので「降りなさい」は「おんない」とは言わず「おりない」のみで「居なさい」においては「おんない」を使う(別に「居なさい」に「おりない」を使っても屁理屈的に問題はないのだが)という区別をしようという意識によるものではなかろうかと推察する次第。
基本歳を重ねた世代の言い方であり、壮年以下は「いりゃいいじゃん」・「いない」(居ない)とかを使う事が多いか。
例文
「あ、もうこんな時間だあ。ちゃっと帰らんと。」
「そうゆわすと、まあちっとおんない。」
「遅くなるとおっかさばか怖いもんで悪いだけどご無礼さしてもらうわあ。」
「それじゃしょんねえかあ。ま、奥さんによろしくね。」
「はあ悪い仲間と思われてるでいわんどくで口裏合わせてよ。」
(もう悪い仲間と思われてるから言わないでおくから口裏は合わせてよ。)
「はいね。」
(あいよ。)
音声はこちら
おっかさという言葉のニュアンス。
沖縄の「おばあ」と遠州弁の「おっかさ」はよく似ている。「嫁さん」・「お母さん」という意味以外にも共通語でいうところの「ママさん」とか「おふくろさん」という親しみを込めた愛称といった意味で使われるものである。
なので年齢に関わらずという趣がある。無論「お姉さん」と呼べる年代になら「ねえさ」とか「あねさ」などと呼称するものだしよりご高齢であらせられれば「おばあさ」と呼称するといった年齢に関わらずといえども加減はある。
言うにしても常連さん・馴染みが発するものであって、一見やひやかしなどが発すると(あくまで言い方によるが)「ばばあ」と呼んでるに等しい馬鹿にしたものとなるところは「おばあ」とは違う点であろうか。