遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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気色悪いと言う意味。
遠州の方言ではなく最近の造語若しくは他の地域からの流入ではあろうが、遠州弁の「ぶしょい」(ぶしょったい)と並びで語呂が合うので遠州では流行としてでなく残りそうな言葉かもと思って記載。
気色悪いを調べると「不快」ということであるらしいが、私が受ける言葉の印象は、服とか行動などが似合わないとか不自然だとかわざとらしいとか云う風に受ける。貴方が意図しているほどの効果が窺い知れずむしろ作為的に受け取れてなんだかなあという感じである。ま、下心(魂胆)見え見えということである。
例文
「どうでえこの服。」
「なんかきしょい。」
「どこがよー。」
「鼻の下伸びてるの直ぐ分かる。」
「なにがよー。」
「誰ん見たってなにしい行くだか直ぐ分かる。」
例文音声はこちら
最初に言っときますが私見ですのであしからず。
どちらも共通語であろうが、ニュアンスというか使い方が異なるかもと思えたので記載。ちなみにネットや辞書で調べると「きちきち」はあったが「きつきつ」を説明するところだと全く違う用途だった。
辞書・ネット辞書では
きちきち→すきまがないほどに詰まっている様子
きつきつ→吃吃・笑い声を表わす語 屹屹・山の高くそびえる様、また様子態度が厳しい様。屹然 桔桔・一心につとめるさま
とあった。
あくまで遠州弁の中での一例であり方言としてこうであるという決めつけではないので誤解の無き様に。(というか遠州弁といえるかどうかも・・・)
「きつきつ」
「ぱんぱん」と同様サイズの合わない小さい服とかを着た時の印象・感想を表現する場合に使う言葉。着るだけではなく箱に詰めるとか言う場合でも使われて、入れ物・器と詰める着る被せる等のものが適度ではないような場合に使われる。入りきらないのではなくなんとか隙間無く入る状態。
「きちきち」
使い方が曖昧で「きつきつ」と同じような使い方をする場合もあるが、どちらかというと中身が器より多いとか成長してとか膨らんだりして外の器に入りきらなくなるような状態を示すというニュアンスを多く含む感じになる。
「きつきつ」は中身の側からの言葉であり、「「きちきち」は器の側からの言葉という風にもまとめられるかもしれない。体とズボンの関係で言うと体からすれば「きつきつ」ズボンに言わせれば「きちきち」といった関係か。
繰り返すが私見であってこれが正しいと胸を張れる根拠は無い。
例文
「はあこのズボンきつきつだよを。」
(もうこのズボンだとパンパンだよ。)
「はあちんちくりんだかいねえ。きちきちにめえるもんね。」
(もうサイズ合わなくなったのかねえ。ぎゅうぎゅうに見えるものね。)
「だで新しいの買うかあ。」
(だから新しいの買おうよ。)
「今はダイエットっつう手もあるだにい。買わんで済むし、あんた痩せない。そうすりゃいいじゃん。」
(今はダイエットっていう手段もあるんだから。そうすれば買わないで済むから痩せなさいよ。それがいいよ。)
「無理ゆうなやあ。」
(無理云うなよ。)
例文音声はこちら
広範囲で使われる表現で特に遠州弁ということではないのだろうが。
一般的には「ぎゃあつくぎゃあつく」と繰り返す言い方で使われる地域が多いらしく、遠州は「ぎゃあつく」と繰り返さないことが多いのが特徴といえるのかもしれない。ただ単に略したのが定着したということも考えられるが。
意味的には「わめく」ということであろう。以前記事で「ひゃあひゃあ・ぎゃあつく」を書いたが、遠州ではランクというか強弱で言い方を変えて「わめく」の表現をしているということであろうか。
「ぎゃあつく」だと「ほざく」がつくことが多く。「ひゃあひゃあ」だと「言う・こく」がつくというように、「ぎゃあつく」の方がわめき度が高い印象がある。
大雑把に訳すと「口答えする・批判非難する」というニュアンスであろうか。
「ひゃあひゃあ」だと「嫌がる・不満文句言う」といったニュアンスとなろうか。
例文
「も~。ぎゃあつくほざくな。うっとおしい。」
(も~きゃんきゃん喚くなうっとおしい。)
「こんだけゆったってきかんならわし帰るでねえ。」
(これだけ言っても聞かないなら帰るからね。)
とまあ強硬な言い合いになる。ちなみに「ひゃあひゃあ」にすると
「も~。ひゃあひゃあ言わんで。うざったい。」
(も~いちいち言うな気が散る。)
「こんだけゆわにゃあんたわかりもしんに。」
(口酸っぱくして言わないと分からないでしょあなたは。)
ってな感じできつさ(対決姿勢)は薄れる。(あくまで傾向と言い方による)
例文音声はこちら
黄色という意味。まあ、普通「黄色」は「きい」と言うので「きいな」で使うことはまずないが。
「黄色い」だと「きいない」・「黄色く」だと「きいなく」という風になる。
「黄色の」は「きいないの」・「黄色で」は「きいなで」と言う。
「黄」=「きい」・「黄色」=「きいない」ということも考えられる。
まあこの屁理屈だと「黄色く」は「きいないく」で「黄色い」は「きいないい」でないといけないのだが
それを言いやすいように略された表現であろうと言い訳がたつものである。
「きい」は「黄」だと分かるが「な」って何?という説明は分らないので出来ない。ちなみに「な」が付く色の表現は「黄色」しかない。
ちなみに「黄な粉」を遠州では「きいなこ」と言ってることはなく「黄な粉」は「きなこ」である。
「黄色い色してる車」を「黄色な色してる車」という風に共通語では使うことがあるのだろうか。遠州ではある。
「きいなな色してる車」といったように。
例文1
「手ぇみかん喰い過ぎできいなくなっちゃたよ。」
「ばかばか喰うもんでえ。なくなりゃせんだで焦って喰わんだっていいじゃん。」
「ついついなあテレビとか見てると口ん寂しいもんでえの。」
「だからっつって煙草吸わせやせんでねえ。」
例文2
「信号きいなかったけど急いでたもんでとんじゃかなく入ったらやあ。パトカーにとんまさった。」
(信号黄色になってたけど急いでたから構わず進入したら、パトカーに捕まった。)
「いくらしたよを。」
(反則金いくらしたの?)
「がんこ。懲りちゃうやあ。」
(そりゃもうたっぷり。参っちゃうよ。)
注、「懲りちゃう」と言っているがついていないと思ってるだけで特に反省してるわけではない。
例文音声はこちら
閉まる・閉まらんという意味。
閉めるだと「きせる」。
全てのものの閉じるに使う言葉ではなく、ふた(蓋)とかごく限られたものにしか使わない言葉。蓋以外にどういうのがあるかというと・・・実は思いつかない。
ふさぐ(塞ぐ)という意味もあるなら「穴んきさらん」(穴が塞がらない)という使い方もありえるのだが正直自信なし。とりあえず蓋には間違いなく使うので「閉める」の意味は間違いない。
どういういわれでこういう表現に至ったのか不明。
「服を着せる」ように「器に蓋を着せる」から変形して「着さる」という形になったと勘繰れなくも無いがその根拠はない。
蓋はかぶせるものであり、「かぶせる」・「かぶさる」の「かぶす」が異常変異して「き」に化けて「きさる」になったという勘繰りもあり得る。もちろんこれも根拠はない。
例文
「さっきいからなにうんしょうんしょしてるよを。」
(さっきから力(りき)入ってなにごそごそやってるの?)
「それがやあ。ふたんきさらんだよを。」
(それがさあ。蓋が閉まらないんだよ。)
「違う奴無理していれすとしてるだらあ。」
(違う蓋無理して入れようとしてるんじゃないの?)
「んなことあらすけえ。これでいいだ。」
(そんなことないよ。これで合ってる。)
「でもきさらんだらあ?きさるだ?」
(でも閉まらないんでしょ?閉まりそう?)
「おっかしいなあ。」
(変だなあ。)
「貸してみい。・・・ってこれさあ。ふたん回すのじゃなくて上からぶっさぐる奴じゃん。」
(貸してみなよ。・・・ってこれ、蓋を回すのじゃなくて上からポンって押し込むタイプじゃないか。)
「うわあなんでえそれ。やいやい馬鹿こいた。」
(うわあなんだよそれ。あ~あ失敗した~。)
「よく見んもんでえ。あわっくいがあ。」
(よく見ないからだよ。あわてもんがぁ。)
例文音声はこちら