遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「靴下」のこと。「した」を「いた」と訛るだけの話しであるがこのように変化するのは「くつした」だけで特異な訛りであろう。
例えば「割り下」を「わりいた」とは言わないし「軒下」も「のきいた」とは言わない。
なぜ靴下だけが「くついた」になるのか不思議である。どれくらいの範囲でこういう言い方をするのかは不明だがとにかく幼児言葉っぽいが普通に使われるというのは遠州くらいなのであろうか。
遠州独特ではないであろうがどれくらいの地域がこの表現をするのかよく分からない。幼児言葉としては広く使われているようではあるが。
例文
「やあくついたどこやっただあ。」
(ねえ靴下出してくれない。)
「いつもんとこに入ってるらあ。」
(いつもの所に入ってるでしょ。)
「葬式行くに白はまずいらあ。黒のが欲しいだよ。」
(葬式に行くのに白はまずいだろうに。黒の靴下を探してるの。)
「だったら礼服といっしょくたあでタンスにつるくいてある筈だで見てみいにい。あっただら礼服は?」
(礼服はあったんでしょ?礼服とセットでタンスの中に吊るしてある筈だから見てみなよ。)
「いや先くついた履かすと思って礼服見ちゃいんだわあ。」
(いや、先に靴下履こうと思って礼服まだ探してないんだ。)
「んじゃあ見てみいある筈だで。」
(それなら見てみなよある筈だから。)
例文音声はこちら
「刺さる」という意味。全てが「刺さる」→「くすがる」となる訳ではない。
例えば「蚊に刺された」を「蚊にくすがれた」とかいう表現は無いということ。
「くすがる」(刺さる)・「くすがった」(刺さった)は有るが。
「くすがれる」(刺される)・「くすがす」(刺す)というのは無い。
「棘が刺さった」(とげんくすがった)・「針んくすがった」(針が刺さった)とかいう使い方である。必ずしも鋭利なものでなくとも激しくぶつかって変形した様に対しても使う場合がある。
「自転車金網にくすがってた」(自転車が金網に衝突してた)
この場合金網もしくは自転車が変形してしまったくらいの勢いで自転車がぶつかっていた事を指す。ちなみにこういう使い方の場合「刺さる」というのも良く使われるので使用頻度は「くすがる」・「刺さる」半々くらいか。しいて違いを探すとなると「刺さる」が鋭角的で「くすがる」が鈍角的か。そういう意味では「くすがる」=「めりこむ」という解釈も成り立つところではある。
「くすがる」という言い方はこの程度であろうが、これを「くすげる」という言い方にすると若干広がるところであろうか。「くすがる」は受動で「くすげる」は能動という違い。
ただし「蚊が刺した」を「蚊がくすげた」とは言わないので対象幅が広がるという訳ではなさそうだ。
「刺した」を「くすげた」・「刺して」を「くすげて」・「刺しといて」を「くすげといて」などと言うのは有りそうな気はする。まあ「くすげといて」なんて聞いた事はまずないが。
おそらくは好ましくない・よろしくない事を指していると思われるので~しておいてとかいう使い方は普通しないんだろうなと。
どちらにしてもネット等で調べたら辞書に記載はなく甲州弁で「くすがる」→「かがむ」という意味使いの地域もあるそうな。(もちろん遠州弁にこういう意味使いはない。)
遠州と同じ意味合いでは飛騨・三河・駿河辺りでも使っているらしいという事から東海地域での表現(方言)のようである。
「くすがる」・「くすげる」に近い感じがしてくる言葉に「くすぐる」があるが。
流石にこれとの関係性は皆無であろう。
例文
「きんのう夜中んがんこおっきな音しただよ。」
(昨日夜中に凄い大きな物音がしたんだ。)
「目え覚めたあ。」
(それで目が覚めたのかい。)
「いやあ起きてただん。なんしょ暗いもんで見いいったってわかりゃせんらあ。だもんで今朝見いいっただよ。」
(いや、起きてたんだけどね。でも外くらいから見に行ってもどうせ様子が分からないだろ?だから今朝になってから見に行ったんだ。)
「なにあったでえ。」
(何があったの?)
「それがさあ。ガードレールんとこに車くすがってただよ。」
(それがね、ガードレールに車が激しくぶつかってたよ。)
「誰んのを。」
(誰の車が?)
「知らんだあ。」
(分からないんだ、あんな車見た事なくて。)
例文音声はこちら
「付ける」(付す)という意味。
「丸をくれる」(丸を付ける)
「しるしをくれる」(印を付ける)
こういう「くれる」の使い方は遠州独特なんだろうかネットで検索してもなかなかヒットしてこなかった。
例文
「どうでえアンケートは。順調けえ。」
(どう?アンケートの具合は。順調にいってる?)
「渡す分にゃ貰ってくれるだん、読んでしるしくれる人いんくて参っちゃうよ。」
(アンケート用紙受け取ってはくれるんだけど、読んで項目に印を付けてくれる人がいなくて参っちゃうよ。)
「質問の仕方ん悪かったじゃないだけ?」
(質問の仕方がよくなかったんじゃないのか?)
「ほうかなあ。」
(そうかなあ。)
「分からんかったらここんさあに丸くれときゃいいだっつうとこ作っとかんもんで難しかっただらあ。」
(もし分からなかったらここに丸を付ければいいっていうのを作っておかないものだから敬遠されたんだろう。)
例文音声はこちら
子供の頃よく言ってたよなあ。
これが遠州弁なのかどうかは全く定かではない(おそらくは全国的だろう)のだがこういう意味での使い方をしてたというのを残しておこうかなという事で記載。もしかしたら地域によって使い方が異なっているかもしれないので。
まず言えることは決して「群青色」ではない。ネットで検索すると「群青色」の方言という意見もあるようだけど私らんとこでは絶対そうではない。凄い安物の「あお色」という勢いであろうが、むしろ「うんち色」という感じだという意見の方が同感するところである。
「ぐんじょういろ」(群青色)と書かれてあった青のクレヨンを初めて見た時、「ぐんじょ色」とは似ても似つかないとても綺麗な青で違和感を覚えたのははっきり覚えているところである。
なんだろ、「ぐんじょ色」ってのは色んな色混ぜ合わせ過ぎて輝きを失しなってしまったような印象を抱く色と申しましょうか。「ぐじょぐじょ色」と申しましょうか。「灰色」ではない事は確かだけど。経験上でいくと「青」なんだろうけど「土色」(茶系)に近づいてくみたいな。具体的なこういう色という記憶がないや。
土色といっても油絵具の「アンバー」や「シェンナ」のような自然な色ではなく、自然界には存在しないようなくすんだ土色だったようなイメージがある。
「どどめ色」とかも言ってたけどそれとどう違うのか今はもう全く記憶がないけど、とにかく「残念な色」を総称して「ぐんじょ色」と呼んでいたんだろうかな。「ぐんじょ色」といってよく色のセンスを疑われて囃されたような記憶が残ってるけど。
中学辺りまでは言ってたけど高校に入ったらもう忘却の彼方だったかな。もっとも授業でお絵かきの科目はなかったからというのもあろうけど。
追記
周りの人間に「ぐんじょ色」のことを問うたけど、結構同じ浜松でも意見バラバラだったな。私の意見は「混ぜた色」であってそういう色のクレヨンなんかなかったというものだが、「やまぶき色」とおんなしでそういう色のクレヨンが確かにあったという人もいれば「群青色」を真似したもので安価な分「ちんけな青色」という人もいた。
単なる俗称であって実際に「ぐんじょいろ」というクレヨンが実在したのかが気になるところである。
「くちつけたもの」。「器に口を付ける」つまり飲食中の食べ物という事。「箸をつける」と同じ用途。
「箸つけたの」であれば「食べかけ」を指すが
「くちつけたの」であれば「食べかけ」の他にも「飲みかけ」も指す。
「つける」を漢字で書くと「付ける」であろうかな。
「唾付ける」という言い方もあり共通語だとは思うのだが「くちつける」で検索しても接吻系しかヒットしないので、もしかしたら地域性があるのかもと思って記載。
まあ、勘違いでしょうけど一応ね。
味噌は「の」=「もの」という事か。それの実用例。
例文
「や、のど渇いたでここんさあにあるジュース飲んでいい?」
「それわしくちつけたのだで水汲んでくるで待ってない。」
「もう飲めりゃなんでも構わんでええって。」
「つうかそれジュースじゃなくて薬溶いたのだもんで。」
「うそっ!やあはあ遅いわ。飲んじまってえ。」
「あ~あ、知らんにいどうなってもを。」
「なんの薬よを。」
「便所は友達。」
「う~腹ん痛くなってきた。」
「気のせいだら。んな早くになんか効きゃあせんにい。」
例文音声はこちら