遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「こようか」と言っている。「~しようか」という意味である。
例えば「見てこすか」だと「見てこようか」となる。
例文 グループでツーリング中の会話
「あいつおっせえなあや。全然ついてこんじゃん。道間違えただかいやあ。」
(あいつ遅いなあ。全然ついて来ないじゃないか。道でも間違えたのかなあ。)
「一本道だで間違うわきゃないら。」
(一本道だから間違うことはないだろうに。)
「どっかでこけてやせんらなあ。」
(どこかで転倒でもしてるんじゃないだろうねえ。)
「心配ならみてこすか。ここで待っててやあ。いごいちゃかんにい。ばらんばらんなっちゃうでえ。」
(心配だったら見てこようか?ここで待ってて移動しないでね。バラバラになっちゃうから。)
「おおたのむわあ。わるいのっ。」
(うん悪いね。たのむよ。)
例文音声はこちら
正直に言うが知らん。高校の時分に誰かが「こんきい」と言ってたのを「なにそれ?」と問うたが答えてはくれなんだ。以後この言葉の使い手に出会ったことは無い。
噂によると「疲れた・しんどい」という意味らしい。が、うちの集落では使い手がおらんもんで定かではない。最初聞いたとき「紺の黄」って何色なんじゃとマジで思った。それか子供のヤンキーで「コンキー」というのかとも考えた。
遠州っつっても結構広いだで、知らん言葉もあらあな。でもどこの言葉なんだろう。
追記
実は学生の頃は雄踏辺りの言葉だと思っていたのだが、最近どうもそうじゃないらしいと気づき益々出所が分からない謎の言葉となってきた。で、考えても埒があかないので仕事してるとこ行って「こんきい」と言いまくってみたら浜北の衆が反応した。なので浜北か天竜辺りの言葉という可能性が出てきた。かもしれない。
共通語の小奇麗・小粋(こいき)・小ざっぱりと同じ系列の言葉であろうか。汚くしてると言う意味だが、センスの悪い服着てるとか整理整頓されてないとかをさす場合があり、衛生的に汚れているものばかりを指すわけでもないので、ニュアンスを説明するのが非常に難しい。
ある意味ニュアンスを共通語に変換できないということで、言葉そのもは共通語でも意味は独特と言うことで方言といえば方言ということになるのであろうか。
「こぎたない」と「こきたない」の二種類があって、「こぎたない」はだらしない系で「こきたない」は汚れてる系の使い方が多い。
似たような言葉で「きたならしい」というのもあるが、こちらはホントに不衛生的で近寄りたくないようなイメージになる。
例文
「まあこぎたない部屋だけどあがってやー。」
「おじゃましまあす。ってどこ座りゃええだ?」
「そこの本積んであるとこ、くろの方に寄せて場所空けてくれりゃあええよ。わし茶あいれてくるで座っとって。」
注、「くろ」とはこの場合すみっちょ(すみっこ)という意味。茶は普通会話の場合「茶あ(ちゃあ)」という場合が多い。
比較文その1(多少強引だが勘弁しとくりょう)
「なにぃこのこぎたない台所わあ。あんたどこになにがあるかわからんくならんだか。」
「いいじゃんか。自分でわかってるだでえ。」
「地震きたらどうせるよお。」
その2
「なにぃこのこきたない台所わあ!あんたずぼらにもほどがあるにい。ふんとにもお、しっかりしてやあっ!」
「いいじゃんかあ別にぃ。死んでやせんだもんで。」
「そういう問題じゃないでしょ。不衛生だっつうの。」
その3
「なにぃこのきたならしい台所わあ!よおまあこんなとこでご飯つくれるねえ。」
「弁当買ってくるだもん。湯う沸かすだけだもん、とんじゃかないだ。」
「そういう問題じゃないでしょゴミは捨てなさいって話しでしょ。」
例文音声はこちら
狡いと書く。ずるいという意味で辞書にもある共通語だが普段あまり使われなくなっているが、遠州ではまだ日常のなかで普通に生きている言葉である。
ものすごく狡いを「馬鹿狡い」という表現もあるが、「ずっこい」・「ずっけー」という言い方もある。こちらは「ずるがしこい」の省略形と思われる。穿った見方では「ずっこすい」の変形とも勘繰れるが正当性はきわめて薄い。
例文
「あいつずっこいだでえ。限定商品どうしても欲しくて、早くに並んどった衆に倍で買うっつって頼んだらしいに。」
「こすいやっちゃなあ。そんで手に入れただ?」
「いやそれがの、みんな欲しいもんで並んどるだでってけちょんけちょんに無視されたらしいに。」
「当然だの。いい気味じゃん。でどうなったよお。」
「結局手に入らんかったもんでちんぷりかあって店の人にあだけくさって。ほんでやっきりこいただか知らんが看板けっからかいて壊いたもんで警察呼ばれて連れてかれたらしいに。」
(結局手に入れれなくてそれでふてくされてお店の人に逆切れしたんだって。それでも気が治まらなかったらしく看板を蹴っ飛ばして壊したもんだから警察に通報されて連行されたらしい。)
「馬鹿じゃん。」
「だらあ。」
例文音声はこちら
まあここまでくれば「こすい」の域越えて「きちがい」(遠州弁における)の部類だろうけど。
こういう輩の要求には絶対屈しない社会でありたいものだ。たとえ商売としてお客さま第一と唱えようとも。公共の場である事をわきまえるという意識を持たないことが自分らしく自分に正直に生きることだと勘違いしているのは間違いではないのかと。
小さく(少し)うるさいという意味ではない。物凄く(しつこいくらい)うるさいと言う意味。全国的な言葉で遠州弁なのかは疑問が多いが一応記載。近い共通語だと口うるさいが近いのだろうか。
系統としては粋(いき)と小粋(こいき)とかしゃれた(洒落た)とこじゃれたのようにニュアンスが変わっても大まかな意味が変わらないものの部類に入ると思われる。癪に障る(しゃくにさわる)の癪に小と言う字がついて小癪な(こしゃくな)となるようなもののように、癪の意味が不愉快で腹が立つであるのに対し小癪なはなまいきなという意味でまったく異なる意味になるものもあることからそうだとは言い切れないのだが。もしかしたらうるさいにこうるさいの「こ」がつく理由は別にあるのかもしれない。
大体が「小」をつけてうるささが増すというのは、がてんがいかない話ではあるが、そうゆう使い方になっているのだから仕方ない。全く根拠のない推量であるが「小」ではなく「誇張の誇」なら納得できなくもない。しかし一応辞書で調べると「なにかにつけてあれこれとうるさい」ことと書いてあるので小さな(些細な)ことまでうるさいということであろうか。それなら納得。
例文1
「ひゃあひゃあいわんだっていいじゃん。あれっぱかのこんでえ。」
(そんな口うるさく言わなくてもいいでしょ。あれくらいのことで。)
「きんのうあんだけこうるさくいったって、あんたゆーこときかんだもんでかんだよ。今日と言う今日はわし気い済むまでいわしてもらうでねー。」
(昨日あれだけ何度もしつこいくらい注意したのにそれでも人の言うこと聞かないからじゃないの。今日と言う今日は気の済むまで言わせて貰うからねえ。)
例文2
「あれえ。今わし名前呼ばれたにい。」
(あれ?今俺名前呼ばれたぞ。)
「呼ばれたのえ。」
(呼ばれたねえ。)
「ええだか?」
(いいのか?)
「なにがよ。」
(なにが?)
「今、個人情報がああたらこうたらっつってこうるさいってゆうじゃん。」
(今は個人情報が口やかましく言われてるじゃないか。)
「ああそうけえ。」
(ああそうなのぉ。)
「ええだけ?」
(いいのか?)
「はよ行けや呼ばれてるだで。おめえの方がこうるさいわあ。」
(もう早く行けよ呼ばれてるんだからあ。お前の方がよっぽど口やかましいわ。)
例文音声はこちら