遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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じいさ(お爺さん)・ばあさ(おばあさん)・おっかさ(おふくろ)・おとっさ(親父)・にいさ(兄さん)・あねさ(お姉さん)
身内以外でも使われ、例えば竹田さんだったら「たけさ」とかになる。
と言った風に使われる。場合によっては「~さあ」と「あ」がつく表現も存在する。
親密という印象を与える効能がある。
あまり親密ではない人に向けて使うと失礼な奴だなと思われるので注意。
要は「~さん」と言う表現から「ん」が抜けた訳であるが、「ひょうきん」が「ひょんきん」とか「駄目になってる」が「駄目んなってる」などのように「ん」を多用するのが遠州弁の特徴でもあるのだが、何故かこの表現においては「ん」が省略されている。
例文
「じいさのとこ寄ってったら葱くれた。」
「あれえ助かるやあ。買いいかんで済んだだよお。でもなんか返さんとかんだかいねえ。」
「ええらあ別に。」
「ふんとにい?後であそこの嫁気が利かんって言われやへんらねえ。」
「言われんらあ別に。ばあさうるさいこと言わん人だで、ええと思うよお。」
例文音声はこちら
釣りは私やらないのだが、大分昔近所に釣りが道楽の人がおって。たまに家で喰いおせんくらい釣果があると、おすそわけっつって魚をくれたりしてた。
その人の釣り方が「さっかけ」と言って、餌もつけずに泳いでる魚をでかい針で引っ掛けて獲るという方法だというのを小耳にはさんだ記憶がいくばくかあり。
今切れ口という遠州灘と浜名湖の境みたいなとこの突堤あたりで釣ってたらしい。
今もそういう方法があるのかみんなそういう言い方をしていたのかは不明だが、天竜川の鮎釣りでは「ごろびき」という針のサイズは小さいが同じように餌なしで引っ掛ける方法があるらしいのでもしかしたらポピュラーなものかもしれない。
でも、薄ら記憶なんですが、なんかやっちゃいかんかったらしい。「めっかるとがんこ怒られるで内緒でやらんとかんもんで気い使うだよ。」なんつう会話も憶えてるのでもしかしたら違法に近いものなのかもしんない。禁止区域だからか免許制だからか漁法そのものがからかは知りませんけど。確かに針見して貰った時こんなの人に刺さったら肉んえぐれるなあと子供心に怖い感覚を持った想い出があります。あそこまでいくと釣りではなく狩猟の領域ですわ。
この言葉が遠州独特なのかは知りませんけど一応記載。
他人に向けて言えば「させる」と言う意味。
自分に向けて言えば「しようとする」という意味となる。
他人に向けての「やらさす」だと「やらせる・やらさせようと」・「買わさす」だと「買わせる・買わさせようと」・「行かさす」だと「行かせる・行かせようと」といったような具合。
自分に向けてなら「やらさす」だと「やろうとする」・「買わさす」だと「買おうとする」・「行かさす」だと「行こうとする」といった具合。
特に遠州独特ということではなかろうが、共通語ではなさそうに思えるので記載。
ちなみに「やらす」だと「やらせる・やらせられる」と「やろう(と思った)」・「買わす」だと「買わせる・買わさせられる」と「買おう」・「行かす」だと「行かせる」と「行こう(と思った)」というように。
言いにくい表現では、「させる」が「ささす」・「させさす」。指すも「ささす」指させるだと「さささす」。
早口言葉を作れば「直ぐに笹に刺させる」を「ささっとささんさささす」。
例文
「こんだあなにさすつもりだあ。」
(今度はなにをさせるつもりなんだ?)
「なにさせすたあ随分じゃん。もの頼むだけじゃんかあ。」
(させるなんてとんでもない。頼みごとがあるだけだよ。)
「おめえの頼みなんかひょんきんなのしかありもしんに。」
(君の頼みなんていつもとんでもないことばかりじゃないか。)
「んなことあらすけえ。いつだってまともばっかだに。」
(そんなことないよ。いつも当たり前のことばかりだよ。)
「感覚おかしいぞお。おんしゃ自分やれるか胸に手え当ててからいえやあ。」
(その感覚おかしいよ。君、自分が出来るかどうか自問してから言ってっくれよ。)
「なにい、わしじゃでけんもんで頼むじゃんかあ。なにゆってるよお。」
(何を言ってるんだ。自分じゃ出来ないから頼むんじゃないか。)
「なんだかなあ。」
例文音声はこちら
提灯を提げるという使い方の「さげる」。
辞書によれば「上部でささえてたらす」と書かれてある。モロ共通語で方言という部類ではなかろうて。
でもまあ「凧」で毎年提灯触ってる種族なんで全国的には死語化しつつあるところを遠州特に浜松では現役として残っているということであろうということで記載。
ただ最近は「提灯提げてんと駄目じゃん」と言わず「提灯持ってないと駄目じゃん」という人が多くなってはいるので遠州でも死語化しつつあるのかもしれない。
使いどころとして思いつくのは、提灯・カバン(手提げカバン)などであろうか。
それら以外でも、とにかく上の部分を持って物を持つのを「さげる」と言うものである。
尚、「さげる」を「持ち上げる」という意味として使うと述べられている遠州弁紹介HP等もあるが、多少意味が異なる「お膳を下げる」とか「舞台から下げる」とかいった「どかす」・「はかす」と言う意味で使う「さげる」(持ち上げて移動させる)ということなら私でも理解出来るけれど
「これさげるの手伝ってやあ」
(これ持ち上げるのを手伝って)
とかいう使い方は私にはちょっと判らない。
(これどかすんで持つの手伝って)
とかなら判るんですけどね。実際は色んなとこで「さげる」=「持ち上げる」という訳で紹介されてるんで私が無知だということなんでしょうけど。少なくとも「提げる」という使い方での「持ち上げる」の意は「上部で支えて垂らす」物に限って使われるものであるので別物の「さげる」なんでしょうねきっと。
例文
「やあ、そこの若い衆らやあ。練りん出るなら提灯提げろやあ。」
「なしでもいいじゃん別にい。」
「はあ暗いだで車なんかに轢かれちゃ困るだで。」
例文音声はこちら
実際問題法被は黒や紺系が多いので夜間無灯火はドライバーからしてみれば視認しずらいことこの上ない。練りは夜開くものであり道を使って行われるものである以上提灯なしでうろつかれるのは怖い限りである。提灯は個人所有というより組で支給される事が多いので終了後提灯を返納してから各自が帰路につく際での無灯火黒装束はもっと怖いものであるが。
配られるゼッケンとかを光りを(ライトを)反射するような素材かなんかにしてくれればいいのにと思わないでもない。
「いざ!」という意味ではなく「さ」を伸ばす言い方。男女共用。
「あったりまえじゃんそりゃいるさあ」
説明するに難しいが語尾を上げて「あ」を強く言った場合が遠州弁っぽくなる。
「そりゃいるに決まってるだろう」と訳すことになる。イントネーションが独特である。
当然だろうという意識が強くなる感じがする。
「さ」を強く言った場合
「そりゃいるに決まってるもんだろ」と訳すことになる。
こっちは共通語的かな。
「さあ」の他には「さあれ」・「だあれ」という言い方がある。
「さあ」は「さあれ」の短縮形なのではという憶測も意味合いが同じだから勘ぐれるところではある。
例文
「みんなの分アイス買い行くけど、あんたもいる?」
(あなたも欲しい?)
「そりゃいるさあ。わしだけはぶせにしんだっていいじゃん。」
(そりゃいるに決まってるだろ。仲間外れにしないでよ。)
「いやなんか腹回り肥えちゃかんで節制してるって聞いたもんでやあ。」
(いやあなにかメタボにならないように節制してるって聞いたからさあ。)
「こうゆうのは別腹だもんでいいだよ。」
(こういうのは別腹だから構わないんだよ。)
「だでかんじゃないの?」
(だから駄目なんじゃないの?)
例文音声はこちら