遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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はぜる(爆ぜる)何かがはじけて飛び散るという意味で当然はぜるは共通語であるが、「はざす」、はじけさせるという表現は遠州独特なのであろうか?他の地域の衆らとは交流がないのでわかりません。んが、多分方言なんでしょう。
「風船はざす。」(風船を割る。)
はぜるというニュアンスは、内部が膨張・増殖して外の殻というか包んでいるものを壊す感じがするもので、針などで外からの外圧によって壊れるイメージに使うものではない。「風船がはぜる」ということだと空気入れすぎてとか力任せに押しつぶし中の空気の行き場がなくなってといった感覚の理由でで割れたと受け取られる。
例文1
「こないださあ、やかんけっからかいちゃってやあ、ふんでど熱い湯足んひっかかっちゃって、もうほんと馬鹿熱かっただよを。」
(この間ね、やかんにけつまずいて、それで足にお湯がひっかかって物凄く熱かった。)
「そりゃまた難儀なこって。で、足は大丈夫だっただけ?」
(それはまた災難だったねえ、足は大丈夫なの?)
「熱かったよを勿論。ほいでも医者行くほどでもなかったんでほっぽらかいといただよ。2・3日したら水ぶくれ出来とったもんでえ、ぷくっとしててちいと歩きにくかったもんで針刺してはざしたしただよ。ほいたら水ん出て大分楽んなった。」
(そりゃあ熱かったよ。それでも医者に行くほどでもないと思ってそのままにしてたんだ。2・3日たったら水ぶくれになってて、膨らんで少し歩きにくいので針を刺して潰したんだ。そうしたら水が出て大分楽になった。)
「ほうけえ。そりゃよかったのうえ。でもはざすとかえって治り遅くならんかやあ?知らんけど。」
(そうそれはよかった。でも潰すと治るのが遅くなっちゃうんじゃないの?よく知らないけど。)
「とんじゃかねえよを。死にゃあせんもん。」
(どうってことないよ。死ぬわけじゃないから。)
例文2
「うー憶えにゃかんこんばっかで頭はぜそうやあ。」
(うーん憶えなきゃいけないことばかりで頭が爆発しそうだ。)
「普段から頭使わんもんでそうなるだにい。常日頃感覚で生きんと頭つかいい。」
例文音声はこちら
テンポ良く・手際よくと言う意味。
似たような言葉では、「ちゃっちゃと」・「そそくさと」などがある。
要するに「はきはき」ということではあるかな(若干ニュアンス違うけど)。
むしろ、「きびきび」の方が近くはあるか。
「ちゃっちゃと」は、すぐに・はやくというニュアンスで「はしはし」とは異なる。
なので、「ちゃっちゃとはしはしやるだあれ。」(今すぐテンポ良くやるんだよ。)という使い方もある。
共通語の言葉の端々(はしはし)というような使い方と異なる。アクセントでその違いをつけている。共通語はhaSHI HAshi 遠州弁の方はHAshi HAshi。
例文
「なんかうまくいかんやあ。」
(なんかうまいこといかないなあ。)
「もっとはしはしやらんもんでえ。」
(もっと手際よくやらないからだよ。)
「やってるつもりだんねえ。」
(やってるつもりなんだけどなあ。)
「ちんたらやってるもんで糊ん乾いちゃって修正効かんくなるだにい。」
(ちんたらやってるから糊が乾いちゃって修正が効かなくなるんだよ。)
例文音声はこちら
半分というか切れ端というかとにかく分かれた物の一部を指す。中部・関東・信越辺りでは普通に使われている方言らしい。
「ぞうりのはんぺたなくいた。」(草履の片方失くした。)
と言う風に使われる。
例文
「入場券のはんぺた集めてるだか?何ん楽しいよお。」
(入場券の半券集めてるの?何が楽しいんだか。)
「この映画観たっつうあかしじゃん。」
(映画を観たと言う証。)
「パンフ買やいいじゃん。」
(パンフ買えばいいじゃない。)
「高いらあ。金んもったない。」
(高いもの。もったいない。)
「そこまでじゃないだか。」
(そこまでの趣味と言う訳でもないのね。)
子供言葉で(はんぶんこ)というのがあるが、うちの集落辺りでは「はんぶっこ」と言う。これがよその地方でも言うのかは興味がある。
(はんぶんこにしよう。)は「はんぶっこせまい」となる。
例文音声はこちら
「馬鹿楽」
すんげえ楽勝と言う意味。特に説明の必要はないが、よく日常で使われるので明記。
「馬鹿」のイントネーションは平坦でありそれが重要。
「か」を強く言えば楽をより強調するものとなる。
反対語は「ばかえらい」・「ばかしんどい」・「ばかつらい」
例文
「おっ!おかえり。どうだった?」
「ばからく。ずっとこんなんだったらええやあ。」
「だとええの。」
「確かに!」
楽と言う事では、同じ意味で「なるい」というのもあるが、その違いは心の持ちようによる。
「ばからく」というのは歓迎している、こういうことなら2度3度というかいつでもやりたい。
「なるい」というのは気乗りしておらず、やっててもつまんない。
「ばからく。こんなんじゃ飽いちまうわ。」
「ばかなるい。こんなんじゃ飽いちまうわ。」
同じ飽きると言ってるが、「ばからく」は「じゃ他の仕事やる?」と聞いたら「いんや今のままでええ。」と多分答えるであろうし、「ばかなるい」だったら「そうしてくりょ。」という確立が高い。
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