遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
突起物とかスイッチとかを指す。
ぽっち(potti)との違いはぽっち(potti)が比較的小さいものをぼっち(botti)が普通か大きめのものを指すことが多い。ただし集落によって比較基準が異なるのでぽっちもぼっちもいっしょくたあにするところもある。
共通語だと(でっぱり)が近いのではなかろうか。例でいうと、多少強引ではあるが顔に出来るもので、にきびはPotti、こぶはBottiって感じでどうでしょう。(実際にはこういう使い方はしない。あくまで例え。)
例文
「それらしいもん見えんくてえ、よう分からんよお。」
(それらしいもの見えなくてよく分からないんだけど。)
「どこ見てるだあ。ちゃんと見てみい。橋の右っかわんとこに四角めのぼっちみたく見えるとこあるらあ?きいない色の。それだあれ。」
(どこ見てるよ。ちゃんと見てみなよ。橋の右側の所に四角っぽいでっぱったように見えるところあるでしょ。黄色の。それだよ。)
「おお!なによをあれんそうけえ?どちっちゃいじゃん。」
(ああ分かった!あれがそうなの。随分小さいねえ。)
「馬鹿こけ。あそこさあにいきゃあでかいわ。」
(馬鹿いっちゃあいけないよ。近くまで寄れば大きいって。)
例文音声はこちら
ほんとかよと言うニュアンスになる。幾分猜疑心というか言われて事を信じてない節が伺える。または信じたくないといったニュアンスで使われたりもする。
関西風なら「ほんまにけ」とかになるのであろうか。遠州では「ホンマ」という言い方はしないので「ホント」ということになるもので意味的には同じであろう。
アクセントは語尾が上がる「ほんとにい」もほんとかよというニュアンスであるが、こちらは「うそだらあ」がつくくらい嘘だろう・冗談だろうといった信じてないというか否定したい気分が伺える。語尾が下がるとああそうなのかそうなんだというニュアンスになる。
真に受けるというか信じて疑わない言い方だと
「そうけえ」・「うっそをほんとにい」とか「ほんとお」などが良く使われる。ただし語尾が上がると「ほんとにい」と同様疑わしいニュアンスになるので注意が必要ではある。
「ほんとにい」が信じてない(真面目に聞いてない)のに「うっそをほんとにい」だと信じてる表現というのは不思議かもしれないが、実際こう使われている。
なお、抑揚を付けず平坦の「ほんとにけえ」だと
「ああそうかい」とか「ああそうなの」
といった相手に話を合わせる頷きの合いの手みたいなものとなる。
例文
「あにさあ、いつ帰って来るだって?」
(お兄さんいつ帰って来るって言ってた?)
「あれえ、きんのう来てはあその日のうちに帰ったにぃ。」
(え?昨日来て直ぐその日のうちに帰ったけど。なんか用があったの?)
「ほんとけえ。本借りすかと思っただに。こんだいつ帰るよお。」
(なんだよー。本借りようかと思ってたのに。今度いつ帰ってくるか知ってる?)
「知らんやあ。盆暮れでもこん時あるだで本人聞いてみい。」
(聞いてないなあ。盆暮れでも帰って来ない時あるから。本人に聞いてみなよ。)
「そうせすかやあ。」
(うんそうしてみようかな。)
例文音声はこちら
遠州弁の特徴とも言われている言葉。女性言葉。(男は使わない)
意味は「ねえ」・「あのう」・「ちょっとぉ」・「あのすいません」・「おぉいぃ」とかであろうか。色々なニュアンスで幅広く使われる。基本誰彼の見境なく遠慮会釈なしに使われる。
同じような意味使いで「やあ」と言う表現もあるが基本男言葉で、こちらは基本身内というか親密度の深い相手に使うことが多く。たまに初対面とかの人に対して不用意に気が緩んだり我を忘れたような緊急のときなどに使ってムッとされるときがある。
もっとも「ほい」にしてもいきなり言われりゃいい気はしないか。でも当然のように使うのが遠州である。ムッとしないで馴れることが肝要である。
共通語で「ちょっとちょっとぉ」は遠州弁では「ほいちょっと」と言い換える事ができる。さすがに「ほいほい」とは言わない。
例文
「ほいあんたあ。悪いだけどやあ。お使い頼まれてくれんかいねえ。」
「どこええなにしにい。」
「○○のおじさんとこ玉葱持ち行ってやあ。」
「どんだけえ。」
「知らんけどがんこくれるっつってたやあ。」
「ほいじゃ車でいかにゃかんだけ?」
「だで頼むじゃん。」
「はいね。いったるでガソリン代くりょう。」
「どうしてえ。」
「だって入っちゃいんし金んない。」
「もう今度だけだにい。しょんないやあ。ゆっとくけど貸しだでねえ。」
「えー随分じゃん。」
「当たり前じゃん。甘えちゃかん。」
例文音声はこちら
ほこりだらけ(まみれ)と言う意味。
「まる」というのは「まるまる」(全て)「まる一面」とかと同じ意味で全体とか辺り一面とかいうニュアンスを表わしている。
「け」については、だらけの「け」だろうという想像しか思いつかない。
「血まみれ(血だらけ)」を「血まるけ」とは言わないのでなんでもかんでも「だらけ」が「まるけ」に変化するわけではない。
「猫灰だらけ」を「猫灰まるけ」とはいうかもしんない。
例文
「やあ。○○かしとくりょう。」
(ねえ、○○貸してちょうだい。)
「ええけど、やあっと使っちゃいんでほこりまるけだにぃ。」
(いいけれども、随分使っていないから埃まみれになってるよ。)
「構わんでえ。埃払やあ使えるだら?」
(構わないって。埃払えば使えるんだろ?)
「だと思うだけどやあ。」
(だと思うけどね。)
「ありがと。ほいじゃ借りてくでねえ。」
(ありがとね。それじゃあ借りてくよ。)
「使えんかったらごめんだにい。」
(使えなかったらごめんね。)
「はいね。」
(いいって。)
例文音声はこちら
放り投げるという意味だがニュアンスが色々とある。ぶっきらぼうや物を大切にしない様を言う場合もあれば、物に当たるというか怒りや反抗の感情が籠もった色合いを感じた時に使われることもある。
方言的表現なのかは判らない。だが全国どこででもこの物言いしてニュアンスが伝わるかといえば疑問ではある。
「投げつける」だと「ほかしつける」となる。
例文
「ただいま~。ふんでちょっと行って来るでねえ。」
「ちょっとなによをあんたあ。鞄ほかしなげてえ。ほんとぞんざいだやあ。」
「いそいでるだでいいじゃん。」
「ものん大切にしんと撥あたるにい。」
例文音声はこちら