遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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印象・心象と言う意味。「覚え」・「愛想」という意味でも使われることがある。普通は「みこよくせる」。「みこ」(印象・心象)をよくせる(良くする)というセットで使う。勿論逆の「みこわるくせる」(印象をわるくする)という使い方もある。「みこよくない」だと(愛想が悪い)もしくは(覚え目出たからず)。
「みば」の項目で見映えの略形と書いたが、「みこ」もそれに近い意味を持つ。ただし元の言葉がなんなのかは私の知識不足で不明。結構誰にでも普通に通じると思ってるので方言ではないのかもしれないが、少なくとも検索ではヒットしなかった。
「みば」が外見(見た目)を表わすのに対し、「みこ」は内面を表わす場合が多い。
例文
「あん人にゃあ嫌われんようみこよくしとかんと仕事しづらくなるでねえ。注意しんと。」
(あの人には嫌われないように印象良くしておかないと仕事がしづらくなるからねえ。注意しないと。)
「いくらみこようしたって仕事できにゃあしょんないじゃんか。顔色見て仕事なんかして楽しいだか?」
(いくら印象良くしても仕事が出来てナンボだろうに。顔色伺って仕事して楽しいのか?)
「しょんないじゃん。わし仕事とろいだもん。」
(仕方ないだろう。自分仕事が出来ないんだから。)
「変なとこ努力せんでちったあ仕事の方努力しない。その方がええと思うだけどやあ。」
(変なことに努力しないで仕事の方に努力の目を向けたら?その方がいいと思うけどなあ。)
例文音声はこちら
「みせや」お店のこと。漢字にすれば「店屋」となろうか。
店だけだと呼び捨てっぽいので「お店」と普通いうのと同じように遠州では「みせや」と言う。
したがって店屋という表現は一応丁寧(?)な表現である。「お店屋さん」という表現は遠州では物凄く丁寧な表現である。
例文
「いい色してる服じゃんかあどこで買ったよお。」
「あそこんさあの店屋。」
「あそこんさあじゃ分からんよお。」
「ほれ、あそこ。六間の坂ん上がった辺りんとこに店屋あるじゃん。」
「一杯あるじゃん。どこんさあの店屋よお。特徴とかいわんとぉ分からんやあ。」
「板屋町の問屋街じゃないだで、服屋なんてそんなないにい。」
注、具体的な店屋の話しではありません。あくまで作り話しです。
例文音声はこちら
全部と言う意味。「みな」は「みんな」・「きし」は「きり」。
他の言い方としては「みなさら」というものもある。
例文
「なにようみなきし持ってくう。」
(なに?全部持ってっちゃうの?)
「なんでぇかんだけえ。」
(え~?駄目なの?)
「当たり前だらあ。こっちだって使うだでねえ。」
(当然でしょう。こっちだって使うんだからぁ。)
「じゃあはんぶっこせまい。」
(それじゃあ半分ずつにしようか。)
「好かんやあ。自分の分わあ。」
(なによう。自分の分はどうしたの。)
「どっか向いてたらけえてた。」
(よそ見してたら消えて無くなってた。)
「しっかりしてやあ。ただじゃないだでねえ。」
「ま、そういわすとぉ。ええらあ。」
例文音声はこちら
~のようにして・~みたいにしてと言う意味。
床屋さんに行って今日はどうします?と訊かれ
「芸能人の○○みたくして。」
「そりゃ無理だにい。」
とかいう例文が有名か。
例文
「なんで物干しの棒ん転がってるだあ。」
(どうして物干し竿がこんなとこに転がってるんだ?)
「こんぞお共が高跳びの棒みたくして遊んでた。」
(子供たちが棒高跳びの棒みたいにして遊んでた。)
「やあ、危ねえなあ。どこ飛んでたよを。」
(危ないことするなあ。それでどこ飛んでたの?)
「隣んちの生垣。飛ぼうとしてたみたい。」
(隣の家の垣根を飛ぼうとしたみたい。)
「みたい?」
「うん。飛ぶとかの前に棒の先が地面にひっかからんくて飛べれんかったらしい。」
「ああそれで地べた線引いたみたくなってるだか。」
(成程それで地面線引いたみたいになってるのか。)
「うん、ずっただけ。」
(そう結局引き摺っただけみたい。)
例文音声はこちら
「見せてくれよ」・「ねえ見せてよ」などと言っている。本人はそう言ってるつもり。男言葉で女性・子供の場合だと「みしてやあ」・「みしてえ」とかを使うほうが多い。
遠州弁を知らない人には「おい見せろ」と威嚇してる風に聞こえるかもしれないがそんなつもりはさらさらない。
ならば威嚇っぽいのはどういうのかというと
「みしょやあ」・「見せろやあ」とかになる。
命令っぽいのは
「みっしい」・「みしょう」・「みせよを」。
「みしょう」が「見せろ」で「みしょうやあ」が「見せて」という「やあ」が入ると柔らかい物言いになるというとこが遠州弁の味噌というかなんというか。
しかしながら「やあみしょう」とやあが先にくると「おい見せろよ」という事になるのはあら不思議。「やあみしょうやあ」となると「お~い見せてくれよお」となるのも摩訶不思議。
「見せて」という以外にも「やってみせろ」とかいう場合でも「やってみしょうやあ」・「試してみろよ」を「試してみしょうやあ」とかいう風に使う。
したがって本当は「みしてみしょうやあ」とか「みしてみしょやあ」であろうが重複するので、はしょられているということであろうか。
「やあ」のほかに「やい」と代える言い方もあるが「みしょうやい」とかは使ってる方にしてみれば「やあ」と全く同じつもりなのだが現在の普通の遠州人でも「やい」は「おい」とか「こら」としか聞こえない。
例文
「やあなにやってるだあ。」
(お~いなにやってるの?)
「おおちっとなあ面白いもんめっけただあ。」
(うんちょっとね。面白い物見つけたんだ。)
「なによを。みしょうやあ。」
(何?見せてよ。)
「これでえ。このビデオ。」
(これだよ。このビデオ。)
「おお!これは。DVD化されちゃあいん映画じゃんかあ。ど珍しいじゃん。どこでめっけたでえ。」
(おお!これは。DVD化されていない映画じゃないかあ。凄い珍しいなあ。どこで見つけたんだ?)
「だらあ。奥の物置ん中にあっただよ。」
(だろう?奥の物置のところにあったんだよ。)
「ちゃっと見まいか。」
(直ぐ見ようぜ。)
「それが駄目でえ。」
(それが駄目なんだ。)
「なんでえ。けちらんだっていいじゃんか。」
(どうしてだよ。けちな事いわなくてもいいだろうに。)
「だってベータだもん。」
「なんだよそれ。がっくしだなあ。」
例文音声はこちら