遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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やらせろ・やろうかと言う意味。
「あ~も~見ちゃおれん。やらしょ。」
(あ~も~見てられない。俺にやらせろ。)
「あ~も~見ちゃおれん。わしやらっか。」
(あ~も~見てられない。俺がやろうか?)
他には
「あ~も~見ちゃおれん。まかしょ。」(まかせろ)
「あ~も~見ちゃおれん。かしょ。」(貸せおれがやる)
「あ~も~見ちゃおれん。やりいんだら。」(できないんだろ)
例文音声はこちら
どこぞの唄で「やっしょうまかしょう」という掛け声があるが、それと遠州弁の「まかしょ」が同じ意味で使われてるのかは定かでない。「やっしょう」は凧の錬りで使われているのでまあ多分一緒でしょうけど。
とにかくなんでもかんでも・たくさんに・滅多やたらに・無秩序に・計画性もなしにとかいうニュアンスの言葉。
とあるアニメソングの一節の
「なんでもかんでも皆踊りを踊っているよ」これを遠州弁にすると
「なんしょかんしょでやたらくしゃ踊りい踊ってるだよを」とかになる。
例文
「やたらくしゃ溜め込んで捨てやせんもんで、信じれんくらい足ん踏み場んない。」
(なんでもかんでも溜め込んで捨てないから、信じられないくらい足の踏み場がない。)
「本人わかってるだでええだ。あ!そこふんずけちゃかんにぃ。CDのケース割れちゃうでえ。」
(自分が分かってるからいいの。あ!そこ気をつけて。CDのケースあるから。)
「うそだらあ!普通床に置くかあ?信じれん。」
(嘘だろう!普通床に置くか?信じられない。)
「自分の普通をやたらくしゃ押し付けるなあよかないにい。」
(自分の普通をやたらと人に押し付けるのはよくないよ。)
例文音声はこちら
足の踏み場がピンポイントになっていれば、床であろうと充分置くスペースになりうる。そんかわし人が入るとそのルートを知る由もなく非常に危険な状況になる。やたらくしゃ人が行き来する部屋では通用しない法則である。
三通りに解釈できる表現。
ひとつは、(俺が)やろうか。変形で「やらっか」
もうひとつは、やるわけないだろう。強調で「やらすかあ」・「やらすけえ」
いまひとつは、(あいつに)やらせようか。
これに「か」を加えて「やらかすか」にすると(しでかすか)という意味と(やらせようか)という意味になる。
違いを見分けるのは前後の文の繋がりとイントネーションによる。
例文
「全然できんじゃんか。」
「だめでえ降参。替わって。」
「やらすか。」
こうなるとどれにでも当てはまる。だがこういう会話は日常ではよくある。イントネーションの違いを覚えるしかない。ちなみにイントネーションでの聞き分け方のコツを文章で説明するのは難しいので私では無理。
例文音声はこちら
分からなくてどうしてもと言う場合「やらすか」といって動き出せば「替わるか」の可能性が高く、腕組んだままだとそれ以外の可能性が高い。どっか顔が向いたら「他のやつにやらせる」ということにってこんなこと説明してなんになる。
「お茶やってる」・「みかんやってる」・「玉葱やってる」・「うなぎやってる」
厳密に言えば~を栽培している。ぶっちゃけで言えば~を作ってる。
「商売やってる」・「工場やってる」
~を営んでいる。
例文
「あいつんちなにやってるよう。」
(あいつの家はどういう職業なの?)
「おやじだかにいさ工場やってるってきいたにい。」
(父親かお兄さんが工場経営してるって話だよ。)
「ふ~ん。どこぞの下請けだかいねえ。それじゃあ手伝いで大変だらあ。」
「いやあ、逆にさあ仕事ばっかで親んかまってくれんもんで結構小さい頃からほっぽかされで楽だっつってたにい。」
(仕事ばかりで親に構ってもらえなかったから逆に小さい頃から放任主義でやりたいことやってたって言ってたよ。)
「ええなあ。うちはじいさ玉葱やっとったもんで収穫んとき当たり前にこらしょと手伝わされたよう。」
(いいよなあ。我が家ではお爺ちゃんが玉葱栽培してたものだから収穫時期になると当然のようにがんこ手伝わされたぞ。)
「工場は技術いるだもんしょんないだらあ。」
(工場は技術がいるんだから手伝いようがないんだろ。)
「そういう問題か?」
「そんなん知らんよを。なんか言いたいだったら本人にゆって。」
例文音声はこちら
ひさしぶりと言う意味。
別の言い方で「やあっとぶり」と言うのもある。こちらは「やあっと」随分ぶり。こちらは「随分と会ってなかったね」が近い表現か。(注、殆ど使わず普通は「やあっと会わんかったねえ」)「やあっと」が変化して「やっとか」になったという可能性もあるがこの理屈は嘘くさい。
実際のところは「八十日振り」と書くのだそうで厳密には方言ではないらしい。
例文1
「あれえ、やっとかぶりに顔見せたかとおもやあはあ帰るだけ?まあちっとゆっくりしてきない。」
(おや?久し振りに顔見せたかと思えばもう帰るのかい。もう少しゆっくりしていきなよ。)
「いやあそうもいかんだよ。ちゃっと帰らんとおっかさ怖いでえの。」
(いやそうもいかないんだ。直ぐ帰らないと女房が怖い。)
「うちもでえ。」
(うちもそうだよ。)
例文2
「あれえ、やあっとぶりかで顔見ただに、はあ帰るだか?ゆっくりしてけんの?」
(なんだよ~随分顔見せなかったのにもう帰るの?ゆっくりしていけないの?)
「おお、おっかさに用済んだらちゃっちゃと帰って来いっていわれてるもんでえ。」
(うん、女房に用が済んだら直ぐ帰って来いって釘刺されてるから。)
「そりゃご苦労なこって」
(それはご苦労様。)
例文音声はこちら