遠州弁を集めています 主に昭和の遠州弁で今は死語となってるものもかなりあります
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「うちんつれがさあ」(ウチの連れがさあ)
つまり、私の友達(知り合い)がねえ、と言う意味である。
例文
「前さあ、おめえ見たいっつってたマティスの絵。あれ先週から来週まで美術館で限定展示しとったじゃんかあ。はあ観いいっただか?」
(以前から観たいって言ってたマティスの絵が美術館で先週から来週までの限定展示されてるけど。もう観に行った?)
「それがさあ、まだ観ちゃあいんだよ。」
(それがまだ観れてないんだ。)
「あれえどおしてえ。お前のこんだでちゃっと観い行ったとばっか思ってたよを。」
(え?どうして?お前のことだからすぐ観に行ったとばかり思ってたよ。)
「いけそうな日ん いちんちだけあっただけどやあ。うちん連れがさあ、遊びいかまいっつって誘ってくれたはいいだけどさあ。そん日町内のどぶさらいの日でさあ。さぼる訳にもいかへんもんで結局行けんかっただよ。忙しくてそれっきりいくときんない。」
(行けそうな日が一日だけあったんだけどね。知り合いがね、一緒に行こうと誘ってくれたんだけど、その日が丁度町内のどぶ掃除の日と重なっちゃって、サボる訳にもいかず結局駄目で、それっきり忙しくて行ける日がない。)
「そんな仕事たてこんでるだか?休めれん。」
(そんなに仕事忙しいの?休みはとれないの?。)
「まあの。静岡までいかすとなると半日仕事だでなかなかしんどいだよ。」
(まあね。静岡まで行くとなると半日潰れるじゃん。結構大変なんだよ。)
「はよしんと終っちゃうにい。」
(急がないと終っちゃうよ。)
例文音声はこちら
美術館は浜松にもあるが静岡の県立美術館の方が、ロダンの常時展示されてる位、質が高い。映画館の数も含めて、浜松の文化水準は低い。政令指定都市になったからといって今後変わるようなことは期待が薄いような気がする。
例文
とある作業においての作業員二人の会話。
「そんなきぜわしないこんだれんやるよう。」
(そんな気忙しない事誰がやるって云うんだ?)
「おめえがやるだあれ。」
(当然お前がやるの。)
「やだよぉ。」
(やだよお。)
「やじゃあらすかぁ、やらんとかんだって。早くしんと時間なくなるにい。」
(厭じゃないの!やらなくちゃいけないの!急がないと時間がないよ。)
「Kちゃなにやるよぉ、わしがそっちやるでkちゃやってやあ。」
(kちゃんは何をやるの?俺がそれやるからこれKちゃんやってよう。)
「馬鹿こいちゃかんて、おめえこっちの仕事できもしんに。」
(冗談いうなよ。お前じゃこの仕事できないだろ?)
「~だあれ」には当然・当たり前という意味が含まれる。ある意味決定事項的な表現なので言われたことを履行しないと逃げたとみなされる。屁理屈で覆すには大変な労力がいる事が多い。
おとましい事だね
「おとましい」気の毒・辛そう・しんどそう(精神的に)・可哀想という意味で使われる。
共通語の(おぞましい)と近いかというと、いやな感じがするという意味合いではあまり使わないような気がするので似て有らざる言葉。
(うとましい)疎ましい、(そういう話を見たり聞いたりするのがいやでたまらない感じ)と言う意味は「おとましい」の(可哀想で見てられない)と言う意味に遠目に近いのだが、疎ましいのニュアンスだと遠州弁では「いやったい」という表現をするので、「おとましい」は共通語に親戚兄弟が存在しない直訳できない言葉かもしれない。
尚、普通は自分の状況に向けてというよりも、他人の状況に反応して使われる事が多いのであるが、一部の集落では、
「おもいっきしとんできたら、はあ歳だかいの息ん切れちゃって、おとましいこんだやあ。」
(急いで走ってきたら、もう歳なのかなあ、息切れして疲れたわ。)
というように自身に対して自虐的に使うところもある。若しくは単純に疲れた・しんどいという意味で使う集落もある。・・・らしい。
正直な話あまり頻繁に日常会話に出てくる言葉ではないのでこの説明は独善的解釈になってるかもしれないので、「ほんとかええ?」という目で見てつかあさい。
通常の使い方の例文も載せようかと思ったけれど、話が不幸でどよよんとなってしまうため暗くなるので割愛させていただきます。
奥さん、いらっしゃりますか?
奥さん同士の会話の枕詞みたいなもので、家族の人に所在を尋ねるだけでなく、直接本人を目の前にしてても「奥さんおいでる?」で会話が始まる。
つまり、忙しい主婦同士「今暇?」・「今ちょっと話をしていい?」という問いも意味として含んでいるらしく、「こんにちは」・「今日も暑いねえ」という挨拶の前に使う。
野郎はこういう意味合いの使い方はせず、単純に所在の確認の為に使う。
例文
「奥さんおいでる?」
(奥さん、いまちょっと暇?)
「いやっ奥さんこないだありがとね。あんないいもん貰っちゃって、ほんと悪いやあ。」
(とくにしなきゃいけないこともないから、まあ付き合うか。)
「いいえぇ気に入ってくれてよかったよう。口ん合わんかったらどうしよお思っとったけどよかったやあ。」
(今日は何も持って来なかったから、話のってくれないのかな?)
「うまかったよお。いつも貰ってばっかでほんに申し訳ないやあ。」
(なんかお返ししないとまずいかなあ、やっぱ。)
「ほんと気い使わんといてよ、家じゃあ食べおせんかったもんで腐らしちゃかんと思って奥さんとこで食べて貰っただで。ほんと助かったよう。・・・ほんでねえ・・・」
(まあ私もあまり長居できないから、用件に入ろっと。・・・)
と、この後「ところでさあ・・・・・」と切り出すまで牽制球のキャッチボールが続けられるのである。頂き物以外にも他には「暑いねえ」とかの天気陽気に関する話しもよく使われる。
因みに話しに乗れない時には、自分の都合でやんわり断るよりも、旦那や息子等家族への用事がある旨を言ってきちっと断る方が、お互い気が楽なようである。そういう時は「あ、そう大変だね。じゃ・・・。」等と言ってそそくさと立ち去るのが暗黙のルールとなっているようで、そうやって人付き合いがささくれだたないように配慮してるらしい。私は野郎なのであくまで内面の心理状態は想像であるが。
例文
「奥さんおいでる?」
「ごめん。夏休みだもんで息子の昼作らんとかんだよ。」
「あ、そお。ほいじゃまた今度寄るね。」
「ごめんねえ。ほんとに。」
「じゃまた。ほいじゃね。」
例文音声はこちら
「いっちゃなんだが」(言ってはなんだけど)
言葉そのものに特別な意味合いはないのだが、共通語に変換してぴったりな言葉が思いつかない。
それでも強引に直すとなると、(言うのもなんだけど)・(言いにくいんだけど)・(こういってはなんだけど)・(よけいなお世話かもしれないが)等であろうか。しかし強引な共通語訳だと、話すことに気が引ける・気を使うというニュアンスになる訳だが、遠州弁の場合、そういうニュアンスは薄い。
遠州弁では、先輩が後輩に、上司が部下にといった関係で能書きをたれる・自慢や経験上の話しをする・やんわりと否定するような使い方をする場合が多い。
段上から物言う際の枕詞みたいな使い方をする。
例文 あまりにもトロトロ仕事してる連中に堪りかねた先輩のひとこと
「おめえらなあ。いっちゃあなんだが、今日帰る気あるだか。そんなこんじゃ明日んなっても終らんぞ。」
「いっちゃあなんだが」を入れることによって言い方が柔らかくなる効果が期待できる。
別の使い方としては、(こうみえても・そんなこというけど)というのもある。
「あんた泳げるの。」
「失礼しちゃうやあ。いっちゃなんだけど元水泳部だっただにぃ。」
例文音声はこちら
いずれにせよ、自分を卑下するのではなく、むしろその逆的な立場を相手に知らしめるために使う言葉であることには違いはない。